おはようございます。
先日、『国力が衰退する日本において外貨建て資産を積み上げることの重要性』という内容の記事をアップしました。
その記事に関して、以下のご質問をいただきましたので紹介致します。
はじめまして。いつもブログを拝見しています。
日本の将来について、大変共感いたしました。
僕は今、楽天VTIとイーマクシスのオールカントリーを積み立てています。
これだと海外資産は持っているもの、ドルで保有しているわけではないので外貨を獲得できていない状況でしょうか。
それとも海外の資産があれば良いとお考えでしょうか。
急なご連絡で失礼いたしますが、アドバイスいただけると幸いです。よろしくお願いします。
はじめまして。大変興味深く読ませていただきました。
私は現在、idecoでアメリカ株のインデックスに積み立てていますが、idecoは円建てですよね?それでは意味が無いでしょうか?
よろしくお願いします。
ご質問ありがとうございます。
結論から申し上げますと、米国株のインデックスファンドを保有していれば、ドル建て資産を保有していることになります。
楽天VTIを購入すればドル建て資産を保有していることになるのか?
楽天VTIを購入することによってドル建て資産を保有することが可能
楽天VTIは円で買い付けますが、ドル建て資産を保有していることになります。
VTIに対して円建てで簡便にアクセス可能にパッケージ化した商品だからです。
VTIというのは米国市場に上場している3,000銘柄以上の株式の集合体です。
要するに、VTIを購入することによって、Microsoft, Amazon, Apple, Alphabet (Google), Facebook・・・といった株式を少額ずつ・間接的に保有しているわけです。
確かに、グローバル化が進む昨今の世の中においては、米国企業だからといって100%の売上を米国内であげているわけではありません。
しかし、これらの会社は原則米国内に本社を構えており、ドルで取引で行いドルで利益をあげています。
よって、楽天VTIを購入することによって、日本から簡便にドル建て資産にアクセス可能というわけです。
要するに、円で購入しているかドルで購入しているかが重要なのではなく、購入対象の本質を知ることが重要だということですね。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)はより広範囲の通貨へ分散投資
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を保有していれば、ドル建て資産だけでなく、一部はユーロ建て資産、日本円の資産にも分散投資していることになります。
全世界株の場合は、より広範な国・地域に分散しますので、必然的により広範な通貨に分散投資していることになるわけです。
よく考えてみれば当たり前のことですね。
為替市場で最も大きな存在なのは米国ドルで、次いでユーロ、日本円、英国ポンドなどが続きます。
外貨建て資産が米国ドルだけでは心配という方は、ユーロ圏にも投資対象を広げるのがよいでしょう。
楽天証券投信顧問とVanguardの販売元の規模・安心感の差はあります
上述のように、日本に住みながら、日本円で・少額から・低コストで外貨建て資産にアクセス可能という意味で、楽天VTIもeMAXIS Slimシリーズも大変優れた商品です。
ただし、国内の投信販売会社と米国のVanguardやBlackRockなどのETF販売会社では、その歴史・規模には歴然たる差があるのも事実です。
当然、国内の投資信託と海外のメガETFでは、純資産総額や日々の取引量など流動性の面で圧倒的な差があります。
これらを踏まえますと、同じVTIにアクセスするならば、本家ETFの方が安心感が高く、より優れた商品だと考えます。
ただし、投資を始めたばかりの方が細かく気にするほどの差ではありません。
国内の投資信託、海外ETFともに資産保全の仕組みがある
海外ETFにせよ国内の投資信託にせよ、商品の販売会社や運用会社とは別々に管理されています。
これは当たり前のことで、仮に販売元や運用会社の経営危機が発生したとしても顧客の資産を保全する必要があるからです。
日本の場合は株式会社証券保管振替機構、米国の場合はDTCという組織がその役割を担っています。
これらの組織は証券の管理業務に集中しており、実際の運用は行いません。
よって、このシステムが保持される限りにおいては、仮に販売元や運用会社になんらかのトラブルが発生したとしても顧客の資産は保全されます。
日本国・米国に未曾有の危機が発生し、これらのシステムが破綻したケースにおいてはどうなるか分かりませんが、そういったケースではそもそも株式の価値自体がどの程度残っているか怪しいものですね。
まとめ
楽天VTIを購入すればドル建て資産にアクセスしていることになります。
米国企業の株式を間接的に保有しているわけですから、当然といえば当然ですね。
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