おはようございます。
当ブログを開設した当初からの推奨銘柄の1つがVTです。
VTの正式名称はバンガード・トータル・ワールド・ストックETFで、世界市場全体への分散投資をこれ一本で実現可能なお手軽さが魅力です。
「インデックス投資に興味はあるけれども、何を購入すれば分からない」
「自力でいろいろな商品を組み合わせてポートフォリオを組む自信がない」
といった人にとっては、VTの存在は大変ありがたいでしょう。
【VT】インデックス投資の王道、世界分散投資を一本で実現する万能ETF
VTのベンチマーク、経費率、純資産総額は?
VTのベンチマークはFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスです。
米国を含む全世界の先進国および新興国市場の47カ国、約8,000銘柄で構成されます。
全世界の投資可能な市場時価総額の98%以上をカバーしており、まさに世界市場全体に丸ごと投資しているイメージです。
1) 経費率:0.10%
2) ETF純資産総額:約117億ドル(約1.25兆円)
です。
米国で人気なのはVTI、VOO、VEA、VWOといったETFで、VTはこれらのETFほどには売れていません。
一方、日本のインデックス投資家からは人気が高く、VTに間接的に投資ができる楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)が「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the year 2017」の第一位に輝いたのは記憶に新しいですね。
VTは全世界的にはVTI、VOO、VEA、VWOほど売れていないとはいえ、その純資産総額は1兆円を超えるレベルですから、個人投資家が気にするような流動性の問題はありません。
VTの投資対象国・地域は?
VTの投資対象地域は以下の通りです。
VTは世界中の投資可能な市場時価総額の98%以上をカバーしていますので、実質的に世界市場全体の投資可能な市場時価総額の割合をそのまま示しているのに等しいです。
まずぱっと目につくのはNorth Americaの56.96%という数字で、そのうちカナダは約3%ですから、VTの50%以上は米国へ投資していることを表しています。
次いで、ヨーロッパ先進国が約20%、日本を含むアジアパシフィックの先進国が約15%です。
新興国市場への投資割合は約8%となっています。
VTの上位構成銘柄は?
次に、VTの上位構成銘柄です。
VTの上位を占める企業の大半は米国の超一流企業ばかりですので、実はVTIとほとんど変わりません。
ただし、VTは世界市場全体に分散投資をしますので、各銘柄の占める割合はVTI以上に小さくなっています。
米国以外では、テンセントやアリババといった中国IT業界の雄、スイスのネスレ、英国のユナイテッドヘルスグループが上位に食い込んでいますね。
今後、調整局面が来て世界の株式市場が不調を来したら、この上位構成銘柄を眺めて気持ちを落ち着かせようと思いますw
これらの企業が一斉に崩れる時は、ちっぽけな個人投資家ごときが何をやっても無駄です。
暴落時には保有し続けるのが怖くなり、つい売りたくなるのが人の常ですが、感情に流されずに嵐が去るのをじっと待ちたいと思います。
VTのセクター比率は?
次に、VTのセクター比率を見ていきます。
テクノロジーと金融の占める割合が高いですが、VTの50%以上は米国への投資ですので、VTIと似た傾向を示しています。
VTの投資対象のサイズは?
VTの投資対象株のサイズです。
大型株中心ではありますが、小型〜超小型株も約5%含んでいることが分かります。
また、バリューからグロースまでまんべんなく投資対象としています。
VTが世界市場全体を丸ごと購入していることがよく分かりますね。
VTの過去のリターンは?
VTは設定されたのが2008年6月と比較的若いETFです。
よって、VTIのように2000年代前半のデータはありません。
取引値(株価)の推移、配当込みのトータルリターンを見ていきます。
まずはVTの取引値の推移です。
発売直後に約50ドルだった株価は、リーマンショックの影響で急転直下、約27ドルまで一時期下げています。
約50%近い凄まじい大暴落ですね。
その後、リーマンショック前の50ドルの水準を完全に回復したのは2013年ですから、回復に約5年を要したことになります。
次に、2008年〜2018年の配当込みのトータルリターンです。
緑がVTで、青がVTIです。
2012年頃までは両者のパフォーマンスは近似していますが、2012年以降はVTIの勝ちです。
配当込みのトータルリターンでは、VTIは直近10年間で約2.5倍、VTは約1.9倍です。
絶好調のVTIと比べると見劣りしますが、VTのトータルリターンもインデックス投資であることを考えれば決して悪くはありません。
途中で2015年〜2016年頃のチャイナ・ショックによる落ち込みはありますが、この10年は相当市場に恵まれたと言えそうです。
VTの将来性は?
VTの魅力は、良くも悪くも分散性にあると思います。
世界市場の中で今後どこが伸びるかなどわからないから、それならば初めから世界全体に丸ごと投資してしまえというのが基本コンセプトです。
しかし、その一方で過剰な分散は時にリターンを押し下げます。
VTの中には、低成長に甘んじる国や地域が混ざり込んでしまいますから、それらの国や地域がVTのリターンの足かせになる可能性があります。
上記のようなデメリットがあるとはいえ、時価総額加重平均で世界市場の株式を丸ごと保有するというのはインデックス投資の王道であることには間違いありません。
「究極の平均点狙い」とも言えますが、投資資金が潤沢な方にとっては平均点狙いで十分という見方もできるでしょう。
VTを通じて世界市場全体に丸ごと投資してしまえば、各国や地域ごとに割安・割高といったことを考える必要すらありませんので、私のようにものぐさな人には大変魅力的です。
まとめ
VTは世界の株式市場全体に徹底的に分散された低コストETFです。
教科書通りの世界分散投資を実現可能な商品と言え、万人におすすめしやすい商品になっています。
2017年に発売された楽天・全世界株式インデックス・ファンドを購入することで、日本円のまま気軽にVTへ投資が可能となり、よりハードルが下がったと思います。
こんな記事も書いています。
つみたてNISAのおすすめ投資信託5つをご紹介した記事です。
万人におすすめできる商品ということで、当ブログのおすすめETFナンバーワンにもVTを選んでいます。
2018年から開始したつみたてNISAで楽天VTと楽天VTIの両者を積み立てていますが、今のところ楽天VTIのパフォーマンスが上回っています。