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【VWO】新興国の成長の恩恵に預かれるバンガードの低コストETF

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おはようございます。

VWOの正式名称はバンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETFで、世界で最も売れている新興国を対象としたETFです。

インデックス投資家の中でも、新興国投資にどのくらいのウェイトをおくかは好みが分かれる所かと思いますが、多くの投資家が新興国市場の今後の成長性に期待して投資しているのは間違いないでしょう。

後述するように、今のところ期待通りの株価の伸びを示しているわけではありませんが、今後も魅力的な投資対象であることに違いはありません。

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【VWO】新興国の成長の恩恵に預かれるバンガードの低コストETF

VWOのベンチマーク、経費率、純資産総額は?

VWOのベンチマークは、FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックスです。

時価総額加重インデックスで、全世界の新興国市場の大型株〜小型株まで広く分散投資を実現します。

 

VWOの経費率と純資産総額ですが、

1) 経費率:0.14%

2) ETF純資産総額:約682億ドル

と申し分ありません。

VWOは世界で最も売れている新興国株式インデックスであり、その流動性の高さは圧倒的ですね。

 

VWOの投資対象国・地域は?

VWOの投資対象地域は以下の通りです。

ぱっと目につくのは、Greater Asiaの73.33%という数字ですね。

つまり、VWOは世界全体の新興国株式市場への投資と銘打ってはいますが、実際にはその大半はアジア市場への投資であることを理解しましょう。

また、Latin Americaの大半を占めるのはブラジルで、Africa/Middle Eastの大半を占めるのは南アフリカです。

 

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次に、VWOの構成国を見てみます。

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中国、台湾の2カ国で約50%弱を占めています。

「VWOへの投資=約50%は中国と台湾」と覚えておきましょう。

MSCIエマージングと異なり、FTSEエマージングには韓国が含まれないのが特徴ですね。

中国が圧倒的ナンバーワンであることは今後も変わらないと思いますが、個人的には、インド、マレーシア、インドネシアあたりに期待しています。

 

VWOの上位構成銘柄は?

VWOの上位構成銘柄を見ていきます。

テンセント、アリババの中国IT企業の雄が2トップです。

また、中国の大銀行が上位にいくつも登場しており、これがVWOの金融セクター比率の高さにつながっています。

銀行など金融系は大不況の時にはいち早く株価を下げる傾向にありますので、いつか訪れるであろう調整局面においては不安が残ります。

しかし、個別株では投資しづらい将来性が期待できる企業も含まれますので、そういった企業にまとめて投資ができるのはVWOの大きな魅力ですね。

 

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VWOのセクター比率は?

VWOのセクター比率を見ていきます。

テクノロジーと金融の比率が20%を超えており極端に高いことが分かります。

上で見たように、テンセントとアリババの2社でVWO全体の約9%を占めますから、テクノロジーの比率が上がるのは当然です。

また、中国の銀行比率が高いために金融セクターが押し上げられていますが、暴落耐性という点では不安が残ります。

 

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VWOの投資対象株のサイズは?

VWOの投資対象株のサイズです。

VWOの主力は大型株ではありますが、小型〜超小型株も約5%占めています。

また、バリューからグロースまでまんべんなく投資対象としており、新興国株式市場を丸ごと購入していることになります。

 

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VWOの過去のリターンは?

VWOの過去のリターンを見ていきます。

VWOが設定されたのは2005年の3月ですので、約13年の歴史があります。

取引値の推移と、配当込みのトータルリターンの両者を検討します。

まずは純粋な取引値の推移です。

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リーマンショック前の2007年に最高で約58ドルの値をつけています。

その後、リーマンショックの影響で一時期22ドルあたりまで急落しています。

暴落率は60%以上で、これはVTIやVTをはるかに上回っており、新興国市場のボラティリティの高さを示しています。

その後、数年かけて株価は40ドル代まで回復基調でしたが、2015〜2016年のチャイナ・ショックの影響を受けて、再び30ドル近くまで急落しています。

2017年はVTIを上回る好パフォーマンスを記録しましたが、2018年に入ってからはまた軟調で、右肩上がりとはいかないところが新興国市場への投資の難しさを物語っています。

 

次に、配当込みのトータルリターンです。

配当込みのトータルリターンでは、2005年から約2.4倍となっており、VWOを辛抱強くホールドし続けられた人は報われたことになります。

しかし、大半の方はリーマンショックの急落時に手放してしまった可能性が高いですね。

暴落時もホールドし続けるというのは、簡単そうに見えて実は非常に難しいことです。

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VWOの将来性は?

VWOは新興国市場を対象としており、今後の成長性に期待して投資をしている人が多いと思います。

私も新興国市場は成長の余地が大きいと期待していますが、ここまでの株価の推移を見ると右肩上がりに順調に伸びているとは言えません。

新興国の株価は、良くも悪くも先進諸国の影響を大きく受けます。

国の経済成長率が株価という形にダイレクトに反映されにくいのは、新興国投資の難しさを物語っています。

また、VWOの構成国の中でも高い成長率が期待できる国とそうでない国があります。

個人的には、インド、マレーシア、インドネシアといった国に期待しているのですが、VWOの中でこれらの国が占める割合は必ずしも高くありません。

本来ならば自分が魅力を感じる国だけに投資ができればよいのですが、まだそこまで十分な投資環境が整っていません。

過剰な分散投資が時にリターンを押し下げる結果になる可能性があることは、VTと同じですね。

 

まとめ

VWOは0.14%という低コストで新興国市場全体へ分散投資が可能なETFです。

新興国市場の今後の成長性に期待している人にとっては、大変魅力的なETFと言えるでしょう。

 

こんな記事も書いています。

つみたてNISAのおすすめ商品5選を紹介した記事です。

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当ブログのおすすめETFの中にもVWOは入っています。あくまで先進国をコアにして、新興国はサテライト的に保有する方が安全です。

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2018年から開始したつみたてNISAでeMAXIS Slim新興国株式インデックスを少額積み立てていますが、今のところVTIやVTよりもパフォーマンスは悪いです。

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