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【書評】齋藤孝『孤独を生きる』:孤独感と上手に付き合う方法をマスターしよう

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おはようございます。

本日は斎藤孝先生の新刊『孤独を生きる』の書評です。

我々現代人は、ネットを通じて一日中人や情報と繋がっているため、真の意味で「孤独」というわけではありません。

その一方で、SNS上の人間関係など一昔前では存在しなかった人間関係の難しさにより、「SNS疲れ」「いいね・フォロワー至上主義」といった新たな問題が発生してきています。

その結果、孤独ではないにも関わらず「孤独感」に苛まれる方が増えているというのです。

そのような誰にでも発生しうる孤独感に対して、どのように付き合い・対処すべきか本書を通じて学ぶとよいでしょう。

【書評】齋藤孝『孤独を生きる』:孤独感と上手に付き合う方法をマスターしよう

齋藤孝さんの『孤独を生きる』を読んで、私が重要と感じたポイントを4つ紹介します。

1. 友達至上主義を捨てて人間関係はドライでよいと割り切る

2. 散歩と書くことは自分と向き合うための大事な時間

3. 本棚に並ぶ本が孤独感をシャットアウトしてくれる

4. 両親には「冥土の土産」を何度も・たくさん渡す

以下詳細を見ていきます。

1. 友達至上主義を捨てて人間関係はドライでよいと割り切る

1人1台スマホを保有し、24時間インターネットにつながるのが常識となった現代社会において、真の意味で「孤独」な人というのは思いの外少ないです。

人間関係の「質」を度外視すれば、ネットやSNSを利用すれば不特定多数の人といつでも繋がることができる世の中に我々は住んでいるからです。

よって、多くの人が「孤独」と感じているのは実際に孤独なのではなく、「孤独感」であると著者は説きます。

実際にはこの「孤独感」がやっかいで、SNS全盛期の現代においては、特に若年世代を中心に、SNSのフォロワー数やいいね(Like)の数、コメントの有無などで友人関係や上下関係が決定してしまう怖さがあります。

 

この「SNS病」とも言える状況に対する有効な対策としては、

・友達至上主義を捨て、人間関係はゆるく、ドライな付き合いでOKと割り切る

・他者からの承認を初めから期待しない

・自分なりに「1人時間」を充実させる方法を確立しておく

などが挙げられます。

これらは冷静に考えてみれば常識的なことばかりですが、実際に「SNS沼」にはまり込むとSNSのことで脳が支配されているため、このような意見は本人の頭には届きません。

 

2. 散歩と書くことは自分と向き合うための大事な時間

孤独感を軽減するためには、「一人時間」を上手に活用する方法を自分なりに確立することが重要です。

よく考えてみれば、1日24時間ネットの世界と繋がりっぱなしの現代において、真の意味で1人の時間というのは貴重になってきています。

自由時間にスマホゲームをしたりYoutubeを眺めたりするのももちろんよいのですが、これらの「受け身」的な娯楽はいつか飽きがきてしまいます。

せっかく一人になれる時間があるのであれば、たまにはネットの世界から離れて純粋に自分と向き合う時間を確保するとよいでしょう。

著者は自分と向き合うための方法として「散歩」と「書くこと」を勧めています。

私の個人的な経験からも、自分の勉強したことや普段自分が考えていることを定期的に書き出すことは非常に重要だと感じています。

自分の考えを言語化してアウトプットするためには目の前の作業に集中する必要があり、その過程で自動的に思考力が磨かれるからです。

 

3. 本棚に並ぶ本が孤独感をシャットアウトしてくれる

本書で紹介されている、「本棚に並ぶ本が孤独感をシャットアウトしてくれる」というのは大変素敵かつ有用な考え方だと思います。

近年、利便性で勝る電子書籍の登場・普及により、紙の本は発行部数が全体に減少しており、大型書店であっても次々と閉鎖を余儀なくされています。

もちろん、紙で読んでも電子書籍で読んでも本の内容自体が変わることはありません。

ところが、実際には紙の本には紙の本の良さがあります。

紙の質感は電子書籍では味合うことができませんし、出版社の方が創意工夫をこらして作成したレイアウトや装丁、表紙の画像なども電子書籍では100%味わうことは不可能です。

実際、私も電子書籍で読んで感銘を受けた本、何度も読み返したいと思った本に関しては改めて紙の本を書い直し本棚に置いておくことが多々あります。

これまであまり深く考えていなかったのですが、本当に素敵な本というのは定期的に読み返すか否かに関わらず、ただ自分が毎日目にする本棚に飾っておくだけでも十分効果があると思うのです。

 

4. 両親には「冥土の土産」を何度も・たくさん渡す

もう1点本書を読んで面白いと感じたのは、両親には「冥土の土産」を何度も・たくさん渡すという考え方です。

一般的には「冥土の土産」と聞くと死ぬ間際にこれだけはやっておきたいこと、それを手に入れて初めて安心して死ねるような事・物を指します。

両親との関係というのは一度確立してしまうと、どちらかが勇気を出して踏み込まない限りなかなか変えるのが難しいものです。

ところが、実際には双方ともに言い出すきっかけがなく、一度決まった関係性は変わることがないまま年月ばかりが過ぎてしまうケースが大半です。

そこで本書では、冥土の土産を死ぬ間際の1度だけに限定せず、「冥土の土産に○○しようか」などと冗談交じりに気さくに話し合い、何度でも思い出作りをしてよいのではないかと提案します。

これはなかなか面白い考え方だと感じました。

 

まとめ

本日は斎藤孝先生の『孤独を生きる』の書評でした。

孤独感とどのように付き合い、どう対処すべきかはこれからの社会を生き抜くうえで必須のスキルです。本書を読んでぜひ勉強しましょう。

 

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