おはようございます。
株式投資を難しくしている大きな理由の1つに、人間は遠い将来の利益を思い浮かべることが難しく、目先の利益を優先してしまいがちだという点が挙げられます。
本当にやらなければならないことはその逆であり、一般に株式投資というのは投資期間を長く確保すればするほど利益を出すことが容易になります。
もちろん、投資を長く続けていてもいつ暴落に巻き込まれるかはわかりませんが、投資期間が長くなるほどそれまでに積み上げた利益があるため、暴落に対しても落ち着いて対処できます。
暴落の時期や程度を正確に読むことは不可能ですので、我々個人投資家としてはあらかじめ決めたアセットアロケーションを守り、相場に居続けることが最適解となります。
「遠い将来より目先の利益」がゴール達成を困難にする
本日の記事の要点は以下の通りです。
1. 遠い将来より目先の利益を優先すると投資の難易度は上がる
2. 投資期間を長く確保するほど投資で成功するのは容易となる
3. 売買や保有に関わるコストを徹底的に削減する
以下詳細を見ていきます。
1. 遠い将来より目先の利益を優先すると投資の難易度は上がる
遠い将来を見据えずに目先の利益にこだわってしまうと、株式投資というゲームの難易度は大きく上がってしまいます。
株価の動きというのは短期になればなるほど、その日に上がるか下がるかを賭けるゼロサムゲームに近づくからです。
株式市場というのは長期スパンでみれば成長し続けているため、20年〜30年といった時間をかければプラスサムゲームになりますが、1日や2日では上下どちらに動くか全く読めません。
ゼロサムゲームにおいては、利益を出す人の裏には損失を出している方が必ず存在します。
そして、投資のプロではなく投資に関する情報が乏しい我々素人が、投資のプロ相手にゼロサムゲームの舞台に登るのは明らかに不利と言えるでしょう。
2. 投資期間を長く確保するほど投資で成功するのは容易となる
以下の図を見ると、株式市場(Stocks)というのは市場全体としてみれば50年〜100年という長期スパンでみれば右肩上がりに上昇し続けていることが理解できます(以下の図では、Stocksは株式、Bondsは債券、Goldは金、Dollarは米国ドルを指しています)。
その一方、1年〜5年程度の短期スパンだと暴落というのは何度も発生していることも見てとれます。
上の図は縦軸が対数目盛になっているため、1つ1つの暴落は小さな波にしか見えませんが、実際に巻き込まれた時には金銭的にも心理的にも大きなストレスがあったことでしょう。
さらに細かい点を見てみますと、どんなに大きな暴落があったとしても10年〜15年という時間をかければ必ず回復しており、「明けない夜が来ることはない」というのが事実であることが分かります。
もう1つ重要な点は、今回の株価暴落で価格が上昇し話題になっているGoldは長期投資の対象としては株式と比べるまでもないという点です。
株式と逆相関を示す値動きには魅力がありますが、金をどれだけ長期保有しても金はあくまで物質であり金自体が大きく成長することはありません。
また、インフレを考慮に入れた場合、Dollarを長期保有することがいかに割に合わない賭けかはいうまでもないでしょう。
3. 売買や保有に関わるコストを徹底的に削減する
最後にもう1つ重要なことは、売買や保有に関わるコストを徹底的に削減することです。
家計管理・節約を成功させるコツの1つは家賃や水道光熱費、通信料などの固定費の削減にあると言われます。
投資信託の場合、信託報酬が毎年確実に発生する手数料であり固定費に近い存在と考えればよいでしょう。
となりますと、投信積立で成功するための最大のコツは信託報酬のできるだけ低い商品を選択することにあると言えます。
さらに面白いのは、インデックスファンドの場合、同じ指数に連動する商品であればそのリターンはほぼ近似するにも関わらず、手数料に関しては大きな差があるという事実です。
ですから、同じ指数に連動する商品の中で明らかに高コストの商品を選んでしまった場合、その時点で他の人より不利な状態からスタートしていると言えるでしょう。
なお、投資信託の手数料を1つずつ調べるのが面倒という方は以下のような便利なサイトがありますので参考にしてください。
一覧表をみて吟味することすら面倒という場合は、何も考えなくてもeMAXIS Slimシリーズから選べば間違いないでしょう。
まとめ
インデックス投資の場合、最低でも10年、できれば20年以上先を見据えてじっくりと相場に臨みたいものです。
目先の利益にこだわってしまうと投資で成功するのは難しくなります。
【インデックス投資に関するおすすめ本2選】
1. ほったらかし投資術
山崎元さんと水瀬ケンイチさんの共著。
昨年最新第3版が発売され、ますます充実した内容になりました。
インデックス投資の初めの1冊として迷いなくオススメできますね。
2. お金は寝かせて増やしなさい
水瀬ケンイチさんの『お金は寝かせて増やしなさい』
著者の実体験に基づいて書かれているため、インデックス投資のイメージが湧きやすいのが本書の良い点ですね。
【関連記事のご紹介】
個人投資家は、機関投資家のようにコンスタントに利益を出すことを求められないのが強みですね。
お金はただ貯めるだけでは意味がなく、上手に使う方法も学ぶ必要があります。
「頭と尻尾はくれてやれ」は暴落時にこそ思い出したい重要な投資格言です。