おはようございます。
時の流れは速いもので、新NISAが始まって7ヶ月が経過しました。
楽天証券の新NISAで購入されている投資信託ランキングを見ると、eMAXIS Slimオール・カントリーとS&P500の二強を中心に、比較的堅実な商品に人気が集まっており、大変良い傾向だと思います。
新NISAでは成長投資枠でもレバレッジ型など長期の資産形成に適さない商品が買えなくなった影響も大きいかもしれません。
さて、これから新NISAを使って投資を始める人が「つみたて投資枠」と「成長投資枠」で何を買うべきか、今一度まとめておきたいと思います。
新NISAはeMAXIS Slimオルカン、楽天・オールカントリーがコア。成長投資枠で攻めるならNASDAQ100、配当狙いなら1489やSBI・日本高配当株も。
つみたて投資枠の軸は「eMAXIS Slimオルカン」「楽天・オールカントリー」
新NISAのつみたて投資枠は、従来のつみたてNISAの後継制度であり、投資対象インデックス(指数)が限られています。
金融庁が指定したインデックスには、
1) 日本株:TOPIXや日経平均など
2) 米国株:S&P500かCRSP US Total Market Index(全米株式)
3) 全世界株:MSCI ACWIやFTSE Global All Cap Index
4) 先進国株:MSCIコクサイ・インデックス
などが含まれます。
写真・図版(2枚目)| どこよりも詳しい! 新NISA「つみたて投資枠」で買える投資信託の条件【金融庁取材】 | AERA dot. (アエラドット)
これらの指定インデックスの中で、インデックス投資の王道と言えるのは2番の全世界株インデックス投資です。
よって、つみたて投資枠の軸としてはMSCI ACWIに連動する「eMAXIS Slim オール・カントリー」や「楽天・オールカントリー」、FTSE Global All Cap Indexに連動する「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」がよいでしょう。
成長投資枠で攻めるならNASDAQ100を検討
意外にも、米国株の代表的な指数である「NYダウ」や「NASDAQ100」は指定インデックスに含まれていません。
つみたて投資枠でも大和アセットの「iFree NEXT NASDAQ100インデックス」は買えますが、これは表右側の「運用開始から5年以上経過したアクティブ運用投資信託等」に該当するからです。
最近発売されたばかりの低コストNASDAQ100ファンドはつみたて投資枠では購入できません。
「成長投資枠」では投資できる商品の数が大幅に増え、S&P500や全米株式インデックスだけでなく、最近人気のNASDAQ100ファンドなども選べます。
はじめに、米国株の王道と言えるのが「S&P500」と「全米株式」です。
全世界株ではなく米国市場に集中投資したいのであれば、まずは「eMAXIS Slim S&P500」や「楽天・S&P500」などを検討するとよいでしょう。
さらに踏み込んで、より高いリスクを背負って高いリターンを狙いたい方は、直近10年のパフォーマンスがS&P500を上回るNASDAQ100を検討しましょう。
NASDAQ100に投資するなら「ニッセイ」や「楽天」などの低コスト商品を買うのがベストです。
詳細は以下の記事を参考にしてください。
インカム狙いなら高配当株投資信託やETFも検討
新NISAでは非課税期間が無期限になったこともあり、基本的に20年〜30年先を見据えてじっくりと取り組むべきです。
よって、今後高い成長性が期待できる企業にも投資すべきであり、成長性の低い成熟企業が中心で構成される高配当株は積極的にはおすすめできません。
しかし、今50代〜60代の人が新NISAで投資をするなら話は別です。
成長株は値動きの幅が大きく、投資期間が短いと損失を出したまま終わってしまう可能性があります。
一方、NISAでは国内の配当課税がゼロになるため、同じ高配当株に投資しても実際に受け取れる配当金の金額は上がります。
20年〜30年先ではなく、すぐに毎月のインカムを増やしたい人には高配当株投資がよいでしょう。
その中で、日本の高配当株に低コストで分散投資できる面白い商品が続々と登場しています。
1つ目は国内ETFの「NF・日経高配当50 ETF(1489)」です。
ベンチマークは「日経平均高配当株50指数」で、日経225のうち配当利回りの高い50銘柄から構成されます。
じっくり長期で持つことである程度のキャピタルゲインも期待できる良い銘柄です。
もう1つは、SBI証券オリジナルの「年4回決算型(分配)」ファンドです。
こちらは「日本高配当株」「欧州高配当株」「米国高配当株」の中から選ぶことができ、さらに米国はVYM、SPYD、VIGが用意されています。
投資信託なので少額から積立投資できるのも大きなメリットで、日本、欧州、米国のそれぞれで分配金支払月が異なるため、組み合わせることで毎月分配を得ることもできます。
まとめ
新NISAのコアはeMAXIS Slimオール・カントリーや楽天・オールカントリーといった全世界株インデックスファンドです。
成長投資枠もオルカンで十分ですが、もう少し攻めたい人にはS&P500やNASDAQ100などの米国株投資信託もよいでしょう。
【重版決定!ちゅり男初の単行本を応援よろしくお願いいたします】
拙著『世界一やさしい投資信託・ETFの教科書1年生』ですが、おかげさまで重版が決定しました!
ご購入いただいた皆様、誠にありがとうございます。
今回の改訂では、
・金利上昇局面における個人向け国債の位置付け
・クレカ積立が毎月10万円に上限アップ
など、最新情報を盛り込みました。
新NISA導入書としても最適なので、本書を読んでぜひ暴落に負けない投資脳を身につけていただければ嬉しいです。
豊富な図解入りで文章も分かりやすく書き上げたので、コスパ、タイパともに抜群だと思います。
ブログとともによろしくお願いいたします。
【関連記事のご紹介】
最近のインド株の好調を受け、SBIのサクッとインド株式が非常によく売れています。
ベンチマークがSENSEXというのも珍しく、信託報酬0.4638%はインド株投信では非常に優秀です。
新NISAでは損益通算や繰越控除が受けられないので、個別株投資は難易度が高いです。
投資信託やETFの方がよいでしょう。