神経内科医ちゅり男のブログ

「気ままに、ほどほどに」がモットーのゆるい神経内科医が資産形成や投資について日々思うところを語ります。

JTの配当利回り5.0%はフィリップ・モリス(PM)やアルトリア・グループ(MO)と同じ基準で考えてはならない

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おはようございます。

日本を代表する高配当株の1つにJTがあります。

たばこ税は国の重要な収入源の1つでもあることから、他の民間企業のように倒産確率が実質的にゼロに近いこともあり、インカム狙いの日本株投資家から根強い人気を誇る鉄板銘柄です。

2018年にはいってから株価の低迷により配当利回りは5.0%前後で推移していますが、これは驚異的な水準と言えます。

タバコ産業を取り囲む情勢を考えますと、今後大幅な値上がり益は期待しづらいと思いますが、高配当が株価の下支えをする効果が期待できるため、インカム重視の投資家からは今後も買われ続ける可能性が高いです。

本日はJTの利回りについて考察してみます。

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JTの配当利回り5.0%はフィリップ・モリス(PM)やアルトリア・グループ(MO)と同じ基準で考えてはならない

同じたばこ関連企業であれば、米国株のフィリップ・モリス(PM)やアルトリア・グループ(MO)も有名です。

両者ともに配当利回りは5.0%前後とJTと同レベルに魅力的な水準にありますが、同じ配当利回り5.0%でもJTの5.0%には特別な価値があります。

その理由を以下で考察します。

 

日本株と米国株の配当利回りを同じ基準で考えないことが重要

なぜ、JTの配当利回り5.0%は驚異的と言えるのでしょうか。

その理由は、日米の金利差、インフレ率の違いにあります。

日本のメガバンクの普通預金金利はわずか0.001%で、定期預金でも0.02%〜0.5%程度の低水準です。

一方、米国では最近の利上げの影響もあり、定期預金の金利は2.0%以上あります。

ドルで給与所得を得ている米国人にとっては為替リスクというものは存在しないため、定期預金によって資金拘束のデメリット以外は無リスクで2.0%以上のリターンを得ることができます。

「定期預金で2.0%以上もの金利があるなんて米国人は羨ましい」と思うかもしれませんが、それは日米のインフレ率に差があるからです。

世界的に見れば、過去20年間に渡って物価がほとんど上昇しない日本のデフレの方が異常事態です。

米国では日本よりもインフレ率が高いため、必然的に預金金利も高くなります。

これは、バブル崩壊前の日本でも銀行の普通預金金利が2.0%、定期預金金利は6.0%という時代があったことから容易に理解できます。

 

以上の背景を踏まえますと、メガバンクの普通預金金利が0.001%しかない日本において、JTの配当利回りが5.0%というのは驚異的と言えます。

日本株の配当利回り5.0%は米国株の5.0%よりも大きな価値があるのです。

 

「配当金を得る=こまめな利益確定をしている」ということ

配当金狙いのインカム投資家にとって、最大の敵の1つが「税金」にあることは疑いありません。

企業の将来の減配リスクというものは読めませんが、税金は配当金が支払われるごとに毎回差し引かれ、確実にリターンを侵食するからです。

 

「配当金を得る=部分的な利益確定」です。

こまめに利益確定を行い、キャッシュという目に見える形で株主に還元するのが配当金です。

純粋に企業の成長だけを考えれば、配当金を出さずに税金を繰り延べして自社の成長へ投資した方がよいわけです。

配当金を考えるうえでは、この「税金」というものはいくら切っても切り離せない密接な関係があります。

JTは日本株であるがゆえに、日本国内に居住している方ならば税制上、海外高配当株を保有するよりも有利です。

 

JTは日本株なので税制上有利である

JTは日本株ですので、20.315%の国内の源泉徴収課税しか受けません。

一方、フィリップ・モリスやアルトリア・グループのような米国株であれば、米国の源泉徴収課税10%と日本国内の源泉徴収課税20.315%をダブルで受けることになります。

この二重課税を防ぐために外国税額控除のシステムがあり、外国税の10%に関しては、確定申告時に外国税額控除をすれば一定の割合を取り戻せますが、全額ではありません。

よって、

1) 日本国内に居住している方は、同じ配当利回りならば税制上国内株の方が海外株よりも有利

2) 低金利・デフレの国の配当5.0%は、高金利の国の配当5.0%と意味合いが異なり、より価値が高い

ことが分かります。

インフレ率が10.0%ある国で、たった5.0%の配当収入を得てもたいして嬉しくないですよね。そういうことです。

 

高配当が株価下落のプロテクターになる可能性

また、JTのような高配当株においては、一定水準以上の配当利回りになると配当金目的の投資家による買い支えが発生します。

実際、どれだけ高配当の株でも6.0%を上回ることはほとんどありませんので、5.0%が1つの買い支えのラインではないかと思っています。

JTの場合、大体3,000円を割ったあたり(2,900円くらい?)で配当利回りが5.0%になりますので、そのあたりでしょうか。 

実際のチャートを見てみても、3000円を割ったあたりが下値でそれ以上には下がりにくい印象を受けます。

もし将来的に2500円に近づくようなことがあれば、キャッシュマシーンに変わる可能性もあり、ぜひ購入したいですね。

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心配なのは、たばこ税を含めた国策との関連が大きいことです。

国の政策次第で、業績に大きな影響が出る可能性は考えておいた方がよいですね。

それでも、配当狙いの日本人投資家にとって魅力的な投資対象であることに間違いはありません。

 

まとめ

超低金利・デフレが続く日本において、JTの配当利回り5.0%というのは驚異的な水準です。

ここまでいろいろ検討してきましたが、私自身は大の嫌煙家であることもあり、JTがたばこ事業以外も幅広く手がけていることは理解していますが、今のところ一株も保有していないことを申し添えておきます。

でも、配当利回りが今以上に上がったら買ってしまいそうです。

 

 

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