おはようございます。
当ブログの読書の方から、SBI証券のつみたてNISAでの投資先につきまして、下記のご質問をいただきました。
いつも楽しくブログを拝見しています。
今回の記事はこれからiDeCoとつみたてNISAを始める投資経験ゼロの私にはとても参考になりました。
iDeCoではDCニッセイ外国株式にて掛金の100%を運用する予定です。
つみたてNISAはSBI証券口座です。
リバランスに自信がないのでシンプルな楽天VTかEXE-iつみたてグローバルのどちらかで非常に迷っています。
SBI証券口座でつみたてNISAをすると仮定して、ちゅり男さんならどちらで運用なさいますか?
その理由も合わせてご意見伺えると嬉しいです。
要点は、つみたてNISAをSBI・全世界株式インデックス・ファンドと楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)のどちらで運用すべきか?ということですね。
なお、最近になってeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)という商品の発売も決定したため、こちらを選ぶのも手かもしれません。
SBI・全世界株式インデックス・ファンドと楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)を比較
結論からいきます。
「どちらを購入したとしても大きな差がでるとは考えにくい」
です。
それだけどちらも優れた商品だと言うことです。
ただし、純資産総額では楽天VTが約139億円、SBI・全世界株式が約13億円と、楽天VTが10倍以上で圧倒していますね。
どんなに優れた商品でも最終的に売れなければ元も子もありませんから、楽天VTの方が優勢かもしれません。
個人的には、特定口座の方でVT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)を大量保有している兼ね合いもあり、運用をシンプルにするために楽天VTを購入しています。
SBI・全世界株式インデックス・ファンドと楽天VTの概要・ベンチマークは?
両者ともベンチマークはFTSE グローバル・オールキャップ・インデックスですね。
SBI・全世界株式インデックス・ファンドのように、1) 米国市場、2) 米国を除く先進国市場、3) 新興国市場に連動する3つのETFを個別に組み合わせることで経費率をさらに下げることができるのは魅力です。
一方で、3つのETFを組み合わせることで若干運用が複雑になりますので、トラッキングエラーの増大がないかは心配される点です。
以下、細かく見ていきます。
両者の信託報酬の差は0.08%程度(SBIの勝ち)
EXE-iつみたてグローバル株式ファンドと楽天VTの信託報酬はそれぞれ0.150%と0.2296%となっています。
さらに細分化すると、
1) SBI・全世界株式インデックス・ファンド:ETFの経費率(0.042%)+SBI証券の取り分(0.108%)
2) 楽天VT:ETFの経費率(0.10%)+楽天証券(0.1296%)
となります。
要するに、ETF自体の経費率も証券会社の取り分も、両者ともにSBI証券の方が優れており、その結果0.08%強の信託報酬の差になっているということです。
その後、楽天VTの決算運用報告書が開示され、楽天VTの実質コストは0.502%と予想以上に割高であることが判明しました。
SBI・全世界株式インデックス・ファンドの実質コストは不明ですが、0.502%を上回る可能性は高いと思います。
SBI・全世界株式インデックス・ファンドは3つのETFを組み合わせて構成される
SBI・全世界株式インデックス・ファンドは、以下の3つの低コストETFの組み合わせで構成されています。
1) シュワブ U.S. ブロードマーケットETF:米国株 50%
2) SPDR ポートフォリオ・ワールド(除く米国)ETF:米国を除く先進国 40%
3) SPDR ポートフォリオ・エマージングマーケッツETF:新興国 10%
本家のETFの経費率がそれぞれ0.03%、0.04%、0.11%ですから、
0.03 x 50% + 0.04 x 40% + 0.11 x 10% = 0.042%になるわけですね。
1)は「チャールズ・シュワブ証券」が運用する超低コストETFシリーズで、バンガード社を超える低コストETFを販売しています。
とはいっても、VTIとの差は0.01%ですけれどね。
2)と3)はState Street社が販売するSPDR(スパイダー)ETFシリーズです。
一番有名なのはS&P 500に連動するETF(SPY)で、日本の証券会社ではSPDR S&P500 ETF Trust 1557として販売されています。
バンガード社のETFで同じことをやるならば「VTI + VEA + VWO」
VTはこれ一本で全世界の株式市場に広く分散投資ができるのが魅力ですが、バンガード社のETFの中ではVTI + VEA + VWOを別々に組み合わせて購入した方が経費率としては低くなります。
VTI 0.04%、VEA 0.07%、VWO 0.14%です。
これをSBI・全世界株式インデックス・ファンドと同様、5:4:1で買い付けるとすると、手数料は
0.04 x 50% + 0.07 x 40% + 0.14 x 10% = 0.062%
になります。
SBI・全世界株式インデックス・ファンドの投資先ETFの経費率がバンガード社のものより低いため、同じ手法を採用したとしても0.02%程度の差がうまれます。
運用実績が出てこないとどちらが真に優れているかは結論付けられない
楽天VTの有利な点は、VTという一つの商品をコツコツ買い付けるだけという点です。
VT自体が優れていることは言うまでもありませんので、後は楽天さんの腕次第という所でしょう。
元々がシンプル仕組みの商品ですので、現在指摘されている初期のトラッキングエラーは徐々に改善されていくのではないかと思います。
しかし、実質コスト0.502%ではせっかくの本家VTの低コスト(0.10%)が台無しですので、コストの改善に努めてほしいものです。
一方、SBI・全世界株式インデックス・ファンドの場合には、複数のETFを組み合わせるという一手間がかかります。
この手間を入れてSBI証券の取り分が0.108%と楽天証券を下回っているのですから、SBI証券の本気度が伺えます。
後は実質コストやトラッキングエラーに問題がなければ、真に優れた商品ということができます。
まとめ
SBI・全世界株式インデックス・ファンドと楽天VTはどちらも優れた商品であることに間違いありません。
楽天VTは売れ行きは好調ですので実質コストを下げることが課題で、SBI・全世界株式インデックス・ファンドは純資産総額を増やしてとにかく買ってもらう必要があります。
こんな記事も書いています。
楽天・全世界株式インデックス・ファンドは、日本人に大人気のETFであるVTを直接買い付けるシンプルさが魅力です。
個人的には、楽天VTと楽天VTIを積み立てた時に、将来どの程度のパフォーマンスの差がでるのか興味があります。数年書けて夫婦で実験してみるのも面白いと考えています。
SBI・全世界株式インデックス・ファンドは、全世界の株式市場にこれ一本で分散投資をできる上、経費率が0.150%程度と激安であり、SBI証券の本気度が伺える商品です。