おはようございます。
当ブログの読者の方から以下のご質問をいただきました。
はじめまして.
リベ大の両学長のYouTubeチャンネルからちゅり男さんのことを知りブログを読ませていただいています.
私は作業療法士として病院勤務しています.
30代に入り,結婚や子供ができたときの学費のことなど今後の人生設計のことを考え,今年から投資デビューすることにしました.
ちゅり男さんのブログなどを参考に,つみたてnisaを楽天VTI(1万円),eMAXIS Slim全世界(オールカントリー)(1万円),eMAXIS Slim新興国(5千円)で始めてみようと考えています.
一つの投資信託に投資するよりも,分散した方が良いかと思い上記のポートフォリオにしようと考えています.
質問なのですが,上記のつみたての他に月2万円ほどの投資ができる環境のため,
投資で少しづつ生活が改善していることを感じるために高配当ETFでの配当金目的の投資もスタートしたいと考えていたのですが,
貯蓄があまりない中での配当金投資は元手が少ないのでリターンもあまり狙えないかなと感じました.
上記のような場合の投資に対する考え方を教えていただけると幸いです.
お忙しい中恐縮ですがよろしくお願いいたします.
ご質問ありがとうございます。
結論から申し上げますと、
1) まずはつみたてNISAの年間40万円の枠を上限まで使い切ることが重要です
2) つみたてNISAの年間40万円(約3.3万円/月)を超える分は、iDeCoもしくは特定口座を活用します
3) 60歳以降の老後の生活資金確保が目的であれば、節税効果のあるiDeCoが優れています
4) 高配当株ETFは不要で、投資対象はeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)一本でよいです
となります。
以下、1つ1つ掘り下げて見ていきます。
つみたてNISAを活用して月4.5万円から始める投資戦略
1. つみたてNISAの年間40万円の枠は使い切りましょう
まず最優先で考えるべきことは、つみたてNISAの年間40万円の枠を使い切ることです。
つみたてNISAに関しては、生活資金が必要になった時はいつでも引き出せますので、万人に利用しやすい制度だと思います。
つみたてNISAは国が指定した一部の金融商品しか購入できませんが、インデックス投資メインならば、有名所の商品はほとんど揃っていますので問題ありません。
あと2万円ほど上乗せして投資が可能とありますので、まずはつみたてNISAを上限まで活用してください。
2. 老後の生活資金確保であればiDeCoがおすすめです
次に、つみたてNISAの上限である年間40万円(約3.3万円/月)を超える分に関しては、iDeCoもしくは特定口座を活用します。
iDeCoは年金ですから、60歳まで引き出せない資金拘束のリスクがありますが、以下の条件に該当する方にはおすすめです。
1) 老後資金の確保が目的である方
2) 高収入で所得税率が高い方
→iDeCoの掛金は所得控除の対象になるので節税効果が高くなります
3) 職場の退職金が期待できない方
→iDeCoを一括受取の場合、退職所得控除の枠を利用しますので、退職金の金額が少ない方が有利です
上記の条件に当てはまらない方は、特定口座での積立がよいでしょう。
3. 投資対象はeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)一本でOKです
具体的な投資対象ですが、月5万円の投資であれば、私ならば全額をeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)に投入します。
投資信託の場合、必ずしも様々な商品を購入することがよいわけではありません。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を購入しておけば、これだけで全世界の株式市場に分散投資が可能ですから、よほどこだわりがある方を除けばこれ一本でOKでしょう。
もちろん、米国株に強気な姿勢であれば楽天VTIやeMAXIS Slim米国株式(S&P500)をメインにしてもよいですし、
新興国に強気であればeMAXIS Slim新興国株式インデックスを増やしてもよいでしょう。
いずれにせよ重要な点は、自分なりに信じられるシナリオを思い描くことです。
ちなみに、高配当株ETFなどはもっと大きなスケールでやらないと意味がないですね。
月2万円ずつ高配当株ETFを積み立てるのは効果が薄いので、まずはつみたてNISAやiDeCoで土台を固めることが重要です。
まとめ
投資をこれから始める方は、つみたてNISAの年間40万円の枠を上限まで使い切ることを最優先に検討するとよいでしょう。
老後資金を手厚くしたい方は、iDeCoもおすすめです。
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『イシューからはじめよ』もビジネスマン必見の一冊です。
毎日どれだけ一生懸命働いていても、取り組むべき問題を取り違えていては大きな成果はあげられません。
こんな記事も書いています。
投資信託やETFの場合、それ自体で数百〜数千銘柄の株式へ分散投資されていますので、無意味にいろいろな商品を保有する意味はありません。
つみたてNISAは数十年単位でみた時に期待リターンが最も高い株式100%で運用しましょう。
複利の力を最大限に活かすため、つみたてNISA内の金融商品を売却するのは最終手段とすべきでしょう。