おはようございます。
当ブログの読者の方から以下のご質問をいただきました。
いつも拝見させていただいております。
40歳医師です。
2019年9月よりインデックス投資をはじめ、こちらのブログにたどり着きました。
いつも参考になる内容で勉強させていただいております。
現在、余剰金範囲内で月15万ほど積み立て投資をしております。
楽天証券でドル建てVT、楽天全米株式、emaxis slim S&P500にそれぞれ5万円 ずつ投資しております。
インデックス投資ということで、最低20年は積み立てを考えておりますが、投資での複利を考えると、
分散にするより月15万円を一つのインデックスファンドに投資していったほうが、
20年後の複利での額が分散投資よりも総資産としては多くなるとは思いますが、
リスク分散として投資先はわけたほうがよろしいのでしょうか。
わたくしとしては今後のアメリカ経済は引き続き世界のトップとは思っております。
ご教授いただければありがたいです。
結論から申し上げます。
1) インデックス投資においては、不必要に複数の商品を保有する必要はありません(目的があってやっていればOKです)
2) 複数のインデックスファンドを購入しようが、1つのインデックスファンドを購入しようが複利の効果に差はありません
3) 「アメリカ経済は引き続き世界のトップ」というシナリオが信じられるのであれば、シンプルに全額をVTIに購入しましょう
以下1つ1つ掘り下げて見ていきます。
複数のインデックスファンドを保有する必要はあるのか?
1. インデックス投資で複数の商品を保有する意味はありません
インデックス投資では、必ずしも多くの商品に分散すればよいわけではありません(個人的な意図があった購入しているケースはOKです)。
個別株であれば、全資産をAmazonに集中投資、アリババに集中投資というのはいくら将来有望な企業であっても危険な選択でしょう。
一方、VTであればそれ一本で世界中の8000銘柄、VTIであればそれ一本で米国中の3500銘柄に分散投資されているわけです。
要するに、個別株ではどれだけ頑張っても分散しきれないほどに、もともと分散されているわけですね。
逆に、ものすごく広範に分散されているがために、尖ったリターンを得ることは難しいので、このあたりは株式投資に何を求めるかだと思います。
2. 複利の効果は1つの商品に集中投資しても複数に分散しても変わりません
複利の効果に関しては、1つの商品に集中投資しても複数の商品に分散しても変わりません。
おそらく基本的なところを勘違いされているのだろうと思います。
絶対にありえない話ではありますが、仮に本家VTも楽天VTIもeMAXIS Slim米国株式(S&P500)も全て10年間に渡って年率5%のリターンを叩き出したとしましょう。
この場合、初めに楽天VTIに300万円を集中投資したケースでは、
「300 x 1.05 x 1.05 x 1.05...... = 488.66万円」
となります。
次に、楽天VTIを100万円、本家VTを100万円、eMAXIS Slim S&P500を100万円購入した場合、
「100 x 1.05 x 1.05 x 1.05...... = 162.89万円」
という計算結果を3つ足し合わせることになるので、結局同じ金額になりますね。
3. アメリカ経済が引き続き世界経済を牽引するならばVTI一本でよいです
ご質問の最後に、「アメリカ経済は引き続き世界のトップと思っている」と記載がありますので、投資対象はシンプルにVTI一本でよいと思います。
米国株の成長を信じているのであれば、わざわざVTを購入して全世界に分散投資をしても意味がないでしょう。
よって、私がご質問者様の立場であれば、リスク資産は全てVTIに投入します。
ドルに両替して購入するのが面倒であれば、楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)でもよいでしょう。
米国株全体ではなくなりますが、S&P500に連動するeMAXIS Slim米国株式(S&P500)でもよいです。
このあたりはどれも大変優れた商品ですので、たいした違いはありません。
まとめ
投資を始めたばかりの方ほど、変にこだわらずにシンプルなポートフォリオを維持すべきです。
基本的には、「キャッシュ+VT」や「キャッシュ+VTI」でよいでしょう。
VT部分はeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)、VTI部分は楽天VTIに置き換えてもよいです。
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イシュー設定を誤っていては、どれだけ努力しても無意味です。
こんな記事も書いています。
投資が趣味でないほとんどの人は、基本的に「キャッシュ+VT」で十分です。
FOY2020で第1位になったeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の紹介記事です。
株式投資、特に長期投資は今後の時代を生き抜くうえで必須だと思いますが、株式投資でストレスをためては意味がありません。