
おはようございます。
弊ブログの読者から、「適切なリバランスの方法」について以下のご質問をいただきました。
■ポートフォリオの考え方について
2018年より積立nisa及びidecoを始め、投資対象商品等の参考となるサイトを探し、こちらのサイトに辿り着きました。
長期投資には健康である事。そして読書の重要性を認識しました。
今まで読書はした事が無かったのですが、ちゅり男様オススメの本を僅かですが進めております。
質問の本題です。
100-年齢=株式への投資割合(%)や、年金機構gpifのポートフォリオの債券と株式の割合を参考に資産全体のポートフォリオのバランスを検討し、50%を現金、50%を株式として保有するのがベストかと考えているところです。
一般的には株式等のリスク資産については、その値上がり益を考慮した評価額でバランスを考えるものかと思いますが、投資保有期間が長くなると、給与収入のみでは現金の入金が追いつかずバランスが取りづらくなるものと考えています。
そこで、投資額の元本ベースで現金、株式の割合を決めたらどうかと考えているのですが、このような考え方はアリでしょうか?
ネット等で検索したのですが、このような考え方は確認できませんでした。
ちゅり男様のご意見を参考にお聞かせ頂けると幸いです。
【家族構成、資産状況】
夫(48)妻(43)子(12)子(10)
現金2400万円
株式元本(積立nisa,ideco含む)1200万円(評価額約+150万円)
ジュニアnisaは未実施
住宅ローン約4000万円
ご質問ありがとうございます。
暴落・暴騰が来る前にリバランスの適切なやり方と意義を今一度見直そう
リバランスの意義はポートフォリオのリスクを一定の水準に保つことにあり
長期投資においてもっとも重要なのは資産配分(アセット・アロケーション)であることが広く知られています。
よって、ご自身のアセットアロケーションを「50%を現金、50%を株式で保有」と決めたのであれば、その比率を守り続ける必要があります。
リバランスを実施せずにポートフォリオを何年も放置し続けますと、
1) 相場が好調なケースだと、「30%現金、70%株式」
2) 相場が不調なケースだと、「70%現金、30%株式」
といった偏りが生じる可能性があります。
この状況を放置しますと、
1であれば割高になった株式比率が高まりすぎて自分の想定よりもポートフォリオのリスクが高くなってしまいます。
逆に、2であれば割安になった株式を買い足すチャンスを逃していることになり、十分なリターンを得ることができません。
もちろん、その時の株価が割高であったか割安であったかは後になってみなければわかりませんが、過度な高値掴みや過度な消極性を避けるためにリバランスは有用です。
投資元本でのバランス調整では「リバランス」の役割を果たしません
上記のリバランスの役割を考えますと、リバランスは元本ベースではなく「評価額ベース」で実施しなければ意味がありません。
今現在の各資産の割合を自分の目標とする資産配分へ戻すのが目的ですので、評価額でバランスを考える必要がありますね。
また、たまにリバランスを実施することで、その時に割高になった資産を機械的に売却し、割安になっている資産を機械的に買い足すことが可能です。
投資で失敗する主な原因の1つは、素人判断でやみくもに売買を繰り返して傷口を広げることが挙げられます。
何も考えずにあらかじめ決めたルールに従って機械的にリバランスをしたほうが失敗する確率は低いでしょう。
ノーセルリバランスでなくてもOK。リバランスは「年1回・大体」でOKです
投資金額が大きくなりポートフォリオが成長してきますと、毎月の収入だけでリバランスを実施するのが難しくなります。
その場合は、多少税金の支払いが生じる可能性はありますが、現金と株式のうち保有割合がオーバーしている方を売却し、そのお金でもう一方の資産を購入すればOKです。
リバランスを細かくやればやるほどリターンが上がるわけではありませんので、リバランスの頻度は半年に1回か年に1回程度でかまいません。
また、リバランスをする時に「厳密に現金50%、株式50%」にそろえようと考える必要はなく、大体でOKです。
例えば、「現金45%、株式55%」程度の誤差であればその都度リバランスせずにしばらく放置して成り行きを見守るのもよいでしょう。
まとめ
長期投資でもっとも重要なのは資産配分(アセット・アロケーション)と言われています。
暴落や暴騰局面を上手に乗り切るため、年1回でよいのでリバランスの仕組みを取り入れましょう。
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