Dr.ちゅり男のインデックス投資 

初心者でも実践できる投資や節約術を紹介しています。人生を豊かにする本や健康情報との出会いも。

S&P500と全米株式の両方を積み立てる必要性はあるのか

スポンサーリンク

 

おはようございます。

弊ブログの読者から、「S&P500と全米株式の両方を積み立てる必要性があるか」について、以下のご質問をいただきました。

 

ちゅり男様、こんにちは。

ブログ、毎日、拝読させて頂いております。

以前、ちゅり男様にご相談させて頂きまして 投資を始めた者ですが、

2019年から積立NISA、企業型DC、特定口座での投資信託のインデックス積立投資を始めて、投資元本が350万となり含み益も100万近くなりました。

地合いも良かった事もありますが、ト-タルリタ-ンが30%近いパフォ-マンスとなり、積立投資の底力を感じており投資を始めて良かったと思っております。

さて、恐縮ですが、本日ご相談させて頂きたい事がございまして 「S&P500と全米株式の両方を積み立てる必要があるか?」という事です。

米国にベットしており、今後も米国株は伸びると自分自身信じております。

そこで、現在は「スリム米国株式」と「SBI全米株式」を中心に積み立てておりますが、 パフォ-マンスはS&P500の方が良いと感じております。

そこでご相談ですが、同じ米国一択であれば、「SBI全米」の積み立てを中止し、 一旦売却して、スリム米国株式の集中投資にシフトした方が良いでしょうか?

大型株中心と小型株を含む全米株式、ETFでいえば「VOO」と「VTI」になると思いますが、かぶっている部分が多いので、あまり意味がないのかなと 最近疑問に思う様になりました。

ちゅり男様でしたら、どうされますでしょうか?

お忙しいところ、大変申し訳ございませんが、お時間ある時にでも ご指南頂ければ幸いです。

宜しくお願い致します。

 

ご質問ありがとうございます。

結論から申し上げますと、「S&P500と全米株式のリスク・リターンは近似しているため、必ずしも両方とも積み立てる必要はなくどちらかに一本化してよい」と思います。

ただし、これまで購入した分を売却してしまうと、特定口座の場合は利益に20%課税されてしまうため、これから新規に積み立てる分を一本化するのがよいでしょう。

 

S&P500と全米株式の両方を積み立てる必要性はあるのか

 

1. IVV(S&P500)とVTI(全米株式)の長期リスク・リターンを比較してみる

まず初めに、S&P500と全米株式の過去20年のリスク・リターンを比較してみます。

以下の図で緑がVTI(全米株式)、水色がIVV(S&P500)です。

S&P500ETFにはバンガードのVOOもありますが、VOOは設定日が2010年9月と比較的歴史の浅いETFなので、今回は過去20年を比較するためにIVVを使用しました。

 

f:id:shinkei807:20220413100200p:plain

 

2002年4月〜2022年4月までの過去20年で比較しますと、VTIのリターンが+500.2%、IVVのリターンが+464.2%であり、VTIの方がやや優れています。

ボラティリティに関しては、VTIが19.4%、IVVが19.2%とほぼ同一と言えるでしょう。

ただし、これらの数値は検索期間を1年変更するだけで変わってしまうので、あくまで参考にする程度にとどめましょう。

 

2. S&P500と全米株式のパフォーマンスは近似しておりどちらか一方でよい

S&P500と全米株式のリスク・リターンが近似することには理由があります。

実は、全米株式インデックスのうち、その上位500社であるS&P500が時価総額の75%〜80%を占めているからです。

全米株式インデックス(VTI)は中型〜小型株を含む3500以上の銘柄から構成されますが、中〜小型株の占める割合は20%〜25%程度に過ぎないということですね。

ボーグル氏の『インデックス投資は勝者のゲーム』によれば、S&P500と全米株式インデックスの相関係数は0.99とのことですので、ほぼ同一と考えてよいでしょう。

ただし、トータルリターンが+30%ある状況でこれまでに購入した分を売却してしまうと利益のうち20.315%は課税されてしまいます。

長期投資を考えているのであれば余計な税金の支払いは避けた方がよいため、これまで購入した分はそのまま保有し続け、これから新規に積み立てる分をどちらかに一本化するのがよいでしょう。

 

3. eMAXIS SlimかSBI・Vシリーズから選べばどれでもOKです

上述した通り、S&P500と全米株式インデックスのリスク・リターンはほぼ同一ですので、どちらに投資しても大差ありません。

よって、あとはこれらの指数に連動する投資信託の中で質の高いものを選択すればよいということになります。

この点に関しては、

1) eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

2) SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

3) SBI・V・全米株式インデックス・ファンド

の中から選べば手数料も激安なので問題ないでしょう。

もちろん、信託報酬がやや高くはなりますが、楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)も大変優れた商品です。

 

まとめ

S&P500と全米株式インデックスのリスク・リターンは近似しており、どちらを積み立てても大差ありません。

ご自身の好みの方に一本化してよいでしょう。

 

【もっと自由に人生を生きるためのおすすめ本2選】

現代社会の大きな社会問題の1つに「メンタルヘルス」があります。

身体面では健康であっても、メンタルを病んでしまっては生活が成り立ちません。

まずは『嫌われる勇気』と『反応しない練習』の2冊を読み、「課題の分離」や「反応すべきものと反応しなくてよいもの」の見極め方を学びましょう。

嫌われる勇気

 

【関連記事のご紹介】

急激に円安が進む中、外国株投資に躊躇する方も多いですが、外国株インデックス投資であればいつ開始してもよいでしょう。

www.churio807.com

 

日本の実質賃金は20年以上にわたって低下しており、日本円だけを保有し続けることにもリスクがあります。

www.churio807.com

 

保険は、「発生する確率は極めて低いものの、万が一発生した場合に自力では対処できない事柄の備えるためのもの」です。

www.churio807.com