おはようございます。
本日から3日間連続で、ケース別に「新NISAの正しい使い方」を考察します。
要点は以下のポストのとおりですが、いろいろとご質問をいただいたのでブログでは詳細を解説しながら進めていきます。
初日は「種銭をこれから貯める段階で、自分のペースでゆっくり新NISAを活用したい人」のケースです。
【新NISAの正しい使い方】
— ちゅり男/医師・投資ブロガー (@churio777) December 13, 2023
1) つみたて投資枠
・クレカ積立でポイント還元を受けながらコツコツ積立
2) 成長投資枠
・投資余力がある人は年初に一括投資
・特定口座で保有している商品は新NISAへ移してOK
・お金ない人は「つみたて投資枠」と同様コツコツ積立
以上です。
結論から申し上げますと、
1) お金がなければ新NISAをフル活用したくても使いようがないため、投資以前に貯蓄習慣を作ることが重要
2) 「成長投資枠」は忘れて1,800万円すべてを「つみたて投資枠」で使う
3) クレカ積立でポイント還元を受ける
4) 投資対象はオルカン100%でOK
が正解となります。
【新NISA攻略法1】種銭がない人は1,800万円すべてを「つみたて投資枠」で使うのが正解
新NISAで投資する以前に「貯蓄体質」を作ることが重要
現時点で投資の種銭がゼロに近いという方は、そもそも毎月の貯蓄習慣ができていない可能性が高いです。
現金がなければ新NISAを使いたくても使いようがありません。
種銭がない人は、「新NISAをどう使うか?」「新NISAで何に投資すべきか?」といったことを考えている場合ではありません。
むしろ、「どうやって毎月1万円でも多く貯金ができるか?」に頭を集中させる必要があります。
以下の記事で解説したとおり、新NISA開始に向けて各会社が顧客獲得競争をしており、投資環境自体は劇的に改善しています。
一方で、日本人の実質賃金は長期に伸び悩んでおり、円安やインフレもあって肝心の種銭を貯める難易度がアップしています。
本腰を入れて貯蓄しないとなかなかお金が貯まらない世の中になってきているのです。
「成長投資枠」は使わず1,800万円すべてを「つみたて投資枠」で使うのが正解
新NISAでは1人1,800万円の非課税投資枠が与えられています。
このうち、「成長投資枠」として使えるのは最大で1,200万円までです。
一方、「つみたて投資枠」自体には特に上限はなく、「成長投資枠」と合算して1,800万円までというルールがあるのみです。
これから投資の種銭を毎月コツコツ貯めていく段階であれば、「成長投資枠」のことなど考えても何の意味もありません。
「つみたて投資枠」でも年間120万円(毎月10万円)まで投資ができるわけですから、まずは「つみたて投資枠」をフル活用することを考えるべきでしょう。
「つみたて投資枠」だけを最速のペース(年間120万円)で使った場合、1,800万円をすべて埋めるのは15年後となります。
投資ブログやXの株クラを眺めていると、
「新NISAは年間360万円ずつ、最短の5年間で埋めるのが正解」
という文言をよく目にするので気持ちが焦ると思いますが、お金の事情は千差万別なので無視すればOKです。
クレカ積立でポイント還元を受けるのが重要
「つみたて投資枠」の中にも様々な商品がありますが、合理的に考えればできるだけ低コストのインデックスファンドを積み立てるのが最善です。
この時、各証券会社が提供しているクレジットカードによる投信積立を使ってポイント還元を受けるのがよいでしょう。
通常のクレジットカードだと0.5%〜1.0%のポイント還元率が一般的ですが、マネックスカードは2024年9月末まで2.2%還元と信じられない還元率になっています。
マネックス証券利用者は大歓喜ですね。
投資対象はオルカン100%でOK
肝心の投資対象については、何も考えずにeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)にすべて投資すればOKです。
「どの商品に投資しよう?どうやって選んだらよいか全然分からない」
「オルカンがいいのかS&P500がいいのか悩むなぁ」
「新しく登場した楽天・プラスシリーズも魅力的だけど、やはりeMAXIS Slimにすべきなのかなぁ」
といった悩みはたいしたことではないのです。
新NISAで重要なのはどの商品に投資するかではなく、非課税期間が「無期限」になったことを活かしてできるだけ長期保有し複利効果を最大化することです。
20年〜30年後に米国株が勝っているのか、全世界株が勝っているのか、先進国株が勝っているのかは誰にも正確に予測できません。
しかし、どの商品を選んだとして、20年〜30年辛抱強くホールドし続けることができれば、ある程度の成果は得られると思います。
まとめ
種銭をこれから貯める段階の初心者の方が新NISAをどのように活用すべきか考察しました。
「成長投資枠」は無視して、「つみたて投資枠」だけコツコツ続けるのがよいでしょう。
【新NISAが始まるまでに読んでおきたいインデックス本2選】
1. ウォール街のランダム・ウォーカー(バートン・マルキール)
バートン・マルキールの『ウォール街のランダム・ウォーカー』です。
・インデックス投資とは何か
・インデックス投資はどのように優れているのか
・長期投資でもっとも重要なアセットアロケーションの考え方
など、長期投資に必要な知識が網羅された優れた本です。
一度は読んでおきましょう。
2. 投資の大原則(エリス、マルキールの共著)
エリスとマルキールの共著『投資の大原則』です。
内容としては『敗者のゲーム』と『ウォール街のランダム・ウォーカー』の2冊の良い所取りして、コンパクトに1冊にまとめた感じです。
普段活字を読み慣れていない方には本書がよいでしょう。
インデックス投資のエッセンスだけがギュッと詰まっていますので、時間をかけずに要点だけ学びたい方におすすめです。
【関連記事のご紹介】
投資慣れしていない方ほどリスク許容度が低いです。
はじめは少額から慎重に始めたほうがよいでしょう。
無理のない範囲で毎月貯金をし、そのお金でオルカンを買えば資産形成は完了です。