おはようございます。
新NISA開始に向け、
・投資信託の低コスト化競争が激化
・米国株の為替手数料が安くなる
・クレジットカードによる投信積立でのポイント還元
など、投資環境は劇的に改善しています。
新NISAってオルカン買うだけでオッケーだから、ぶっちゃけ「何を買うか」じゃなく、「投資資金をどう増やすか」に頭を使ったほうが効率がよいです。
— ちゅり男/医師・投資ブロガー (@churio777) November 23, 2023
お金ないと新NISAも宝の持ち腐れ。
その一方で、超少子高齢化の影響などで社会保険料を中心に負担増が続き、日本人の実質賃金は年々下がり続けています。
それに加え、昨今では急激な円安やインフレの進行もあり、平均的な日本人の購買力は低下する一方です。
せっかく新NISAで1,800万円もの投資枠が用意されたにも関わらず、肝心の種銭を貯める難易度が劇的に向上しています。
新NISA開始で投資環境は劇的に改善するも、肝心の種銭を貯める難易度が劇的にアップ
新NISA開始に向け、投資環境はかつてないレベルまで向上している
来年から始まる新NISAに向け、証券会社や運用会社がとんでもない気合いを入れて投資環境を整備してくれています。
例1:SBI証券が「米ドル/円」の為替手数料をゼロへ、楽天証券も片道3銭へ
数日前に飛び込んできた神ニュースですね。
ただし、SBI証券、楽天証券ともに「円貨決済は対象外」なので注意しましょう。
為替手数料ゼロの恩恵を受けるにはひと手間かかります。
「米ドル/円」の為替手数料無料化のお知らせ~”ゼロ革命”第三弾~(SBI証券)|ニュースリリース|SBIホールディングス
例2:「楽天・オールカントリー」「楽天・S&P500」が信託報酬引き下げで業界最低コストへ!
12月1日から、
・「楽天・オールカントリー」の信託報酬が0.0561%へ
・「楽天・S&P500」の信託報酬が0.077%へ
引き下げられました。
現時点ではeMAXIS Slimシリーズを下回る業界最安コストとなっており、もはやVTやVOOなどの本家米国ETFとも引けを取らない水準になりました。
円安・インフレ・実質賃金減で肝心の「種銭」を貯める難易度が急上昇
ここまではおめでたいニュースを紹介したのですが、実は楽しいことばかりではありません。
新NISAでは生涯投資枠が1,800万円まで拡大し、非課税期間も無期限になりました。
それは大変素晴らしいのですが、肝心の「投資の種銭」を貯める難易度がここ数年で劇的にアップしているのです。
皆さんご存知の通り、2022年から急激な円安が進み、その影響もあって食料品、日用品、水道光熱費などほぼ全てで値上げが進んでいます。
日本では長期にわたって名目賃金が伸び悩んでいるうえ、高齢化の影響もあって社会保険料を中心に負担増が進み、実質賃金は年々低下しています。
つまり、せっかく新NISAという神制度を国が用意してくれたにも関わらず、投資の前の「稼いで貯める」というステップがめちゃくちゃ難しくなっているのです。
神制度も使えなくては意味がないという本末転倒な事態に、、
新NISAは富める人がさらに富む制度になってしまうかも、、
ぶっちゃけた話、新NISAの恩恵を最大限に享受できる人は、
1) これまでに貯めてきた貯金がたくさんあり、最初から全力(年間360万円)で新NISAにお金を投資できる人
2) これまでに投資してきた金融商品がたくさんあり、その一部を売却することで最初から全力で新NISAで投資できる人
になってしまいます。
逆に、「これから種銭をコツコツ貯めるのです!」という方はスタートダッシュは難しいので、自分のペースで無理なく続けるしかありません。
幸い、新NISAに投資期限は存在せず、何十年かけてゆっくりと利用しても問題はありません。
とはいえ、複利効果を最大限に享受するためには、早めに大きな金額を投資するにこしたことはありません。
そう考えると、新NISAは大変優れた制度ではあるものの、「富める者がさらに富む世の中」を加速させるかもしれません。
まとめ
新NISAでは生涯投資枠が1,800万円に大幅拡大します。
大変喜ばしいことですが、1,800万円をフル活用する種銭を貯めるのが実は非常に難しくなっています。
投資よりも家計管理のスキルが求められますね。
【今は亡きボーグル氏とマンガー氏のおすすめ投資本2選】
1. インデックス投資は勝者のゲーム
私は、この本が数あるインデックス投資本の中でも頂点に立つ一冊だと思っています。
インデックスファンドの生みの親と言われるボーグル氏が、インデックス投資の優位性、ご本人のインデックス投資愛を語り尽くしているからです。
『敗者のゲーム』や『ウォール街のランダムウォーカー』と比べるとやや地味ですが、めちゃくちゃ良い本です。
2. マンガーの投資術
先日お亡くなりになったチャーリー・マンガー氏の投資本。
本当に良い投資機会が訪れるのをひたすら待ち続けるマンガーの忍耐力と、勝負どころが訪れた時に一気に優良銘柄を仕込む胆力に惚れ込んでしまいます。
訳分からん投資本を読むより100倍有益です。
【関連記事のご紹介】
12/1から、「米ドル/円」の為替手数料がSBI証券はゼロ、楽天証券は片道3銭になりました!おめでたい。
「楽天・オールカントリー」「楽天・S&P500」は商品コンセプト、コスト面では言うことなしです。
あとは運用実績次第ですね。
年間360万円もの投資資金を毎年確保できる家庭は少ないです。
これまで積み上げてきた商品を売却し、新NISAへ移し替えるのが現実的でしょう。