おはようございます。
過去1年間のeMAXIS Slimオール・カントリー(オルカン)やS&P500の基準価額の推移を見ると、両方とも+30%以上伸びていることに驚かされます。
単に米国株や全世界株が好調というだけでなく、この1年で急激に円安が進行したことが基準価額上昇に大きく影響しています。
2023年〜2024年始にかけての株式相場ははっきり言って「出来過ぎ」です。
— ちゅり男/医師・投資ブロガー (@churio777) February 13, 2024
オルカンやS&P500を保有するだけで凄まじいリターンが出ていますが、このような相場がずっと続くことはありえません。
投資を始めたばかりの方は特に注意しましょう!
2024年は新NISAの注目度が高まっていますが、日本株も米国株もあまりに好調なので、「自分も乗り遅れたくない」という気持ちが働くのでしょう。
実際には、オルカンやS&P500などのインデックス投信から得られるリターンは年率5〜8%程度と言われており、30%ものリターンが毎年続くことはありえません。
インデックス投信(eMAXIS Slimオルカン・S&P500)の1年リターンは30%以上!新NISAはリスク管理を徹底し、暴落に備えられるポートフォリオを。
eMAXIS Slimオール・カントリーとS&P500の1年リターンは30%超え!
2024年は日米ともに相場が好調で、新NISAが始まったこともあり株式投資への注目が高まっています。
新NISAが優れた制度だからという理由もあるでしょうが、株式投資をやっている人の大半が儲かる簡単な相場がやってきているので、「私もやってみたい!」という人が増えているのでしょう。
さて、弊ブログで何度もご紹介しているeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)ですが、過去1年は株高だけでなく円安の影響もあり、基準価額が30%以上も伸びています(約19500円→26479円, +35.7%)。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)もほぼ同様のリターン(基準価額 22741円→31994円, +40.6%)となっており、「変なことをしなければ参加者のほとんどが儲かる簡単な相場」と言えるでしょう。
15年以上投資を続けている私からすると、あまりの好調さに逆に不気味さを感じるほどです。
インデックス投信の期待リターンは年率5〜8%。出来すぎな相場は長く続かない
一般的に、全世界株式や先進国株式、米国株式などの市場平均に連動するインデックス投信の期待リターンは年率5〜8%程度と言われています。
直近1年間は株高だけでなく円安の影響もあって、オルカンやS&P500を保有しているだけで30%以上のリターンが得られましたが、こんな相場がずっと続くことはありません。
株式投資というのは、短期的には相場の影響を強く受けリターンが安定しませんが、長期になれるほどリターンのばらつきが小さくなり、「平均に収束する」性質があります(下図参照)。
投資期間が1年だと-37.0%〜+52.6%と非常にばらつきが大きいですが、15年以上投資するとリターンが安定し元本割れのリスクが消失しています。
バートン・マルキール著『ウォール街のランダムウォーカー』第13版から引用
本来、私たち個人投資家が狙わなければならないのは「まぐれ当たりの1年リターン」ではなく、「20年〜30年の株式市場から得られる平均リターン」です。
急激に上がったものは急激に下がる可能性があるのは株式市場の常識であり、まぐれ当たりに期待した投資を続けているといつか必ず大失敗をします。
株価好調な時ほどリスク管理を徹底しよう
私たち個人投資家が相場に長く居続けるためには、
1) 株価が好調な時ほどリスク管理がおろそかになっていないか確認する
2) 暴落して誰も株に興味ない時期に積極的に買い向かう
ことが重要です。
ところが、実際には世の中の大半の人が逆の行動をとってしまいます。
株価が好調になり、毎日のように「日経平均やNYダウが史上最高値更新!」というニュースが登場し始めると、「自分もこの波に乗り遅れないようにしなくては」と慌てて投資を始めるのです。
大体、初心者が続々と参入してくる時期は株式市場に楽観的な見方が広がっていることが多いです。
知らない間にリスクを取りすぎてしまい、その後の暴落で大金を失ってそのまま相場に一生戻ってこないというケースを多数見てきました。
「勝って兜の緒を締めよ」という言葉がありますが、私たち投資家も相場が好調な時ほど気を引き締めて臨んた方がよいでしょう。
まとめ
eMAXIS SlimオルカンやS&P500などのインデックス投信で+30%/年というリターンが毎年続くことはありません。
相場が好調な時ほど気を引き締め、慎重に動くようにしましょう。
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今の時期に新NISAの「取り崩し方法」を考えている人は少ないかもしれません。
お金を上手に引き出して使うというのは意外に難しく、きちんと考えておく必要があります。
資金力のある人にとっては、配当再投資にNISAの非課税枠を使わなくて済む投資信託の方が便利だと思います。