おはようございます。
投資の世界で、「バイ&ホールド」という言葉をよく聞きますが、実際にホールドし続けるのは簡単そうに見えて意外に難しいことです。
また、ホールドしても永久に報われない銘柄をホールドし続けるのは、戦略というよりもただの無謀であり、絶対に避けなければなりません。
なんでもかんでも買ったらホールドすれば良いというわけではなく、ホールドするに値する銘柄であるかどうか見抜く目が必要です。
そのあたりの自信がなければ、個別株には下手に手を出さず、超長期で見れば上昇が約束されているインデックス投資がおすすめです。
永久ホールドに値しない銘柄を「バイ&ホールド」し続けても無駄
誰もが経験ある「自分が購入した直後から値を下げ続けてナンピン買い」
個別株投資の経験がある方ならば、自分が「今だ!」と自信を持って購入した銘柄が、買った直後からひたすら下げ続けるという経験があるかと思います。
購入時価格から少し値を下げますと、相対的に割安に見えますので、ほとんどの方がある程度値を下げたところでナンピン買いを行います。
ナンピン買いを繰り返すと、徐々に平均取得価格が下がっていきますので、あたかも「良い買い物」ができた気分になりがちです。
しかし、平均取得価格が下がり続けているということは、取りも直さず株価が右肩下がりであることを意味します。
含み損は確定するまで損失ではないと思いこんでいる方がいますが、これは非常に危険な考えで、含み損の時点ですでに損失であると考えておかなければいつか大ダメージを負うでしょう。
将来のAmazonになることもあればGEになることもある
ナンピン買いしてもどこかで底を打って上昇に転じれば結果的に成功となりますが、Amazonのように劇的な回復を見せる銘柄はごく一部です。
実際のAmazonのチャートを見てみますと、2000年のITバブルの前後で113ドルから5.5ドルまで株価が急落しました。
現在の株価が約2000ドルですので、20年チャートで見るとITバブルがさほどの暴落に見えないのがすごい所ですが、当時は95%以上の下落幅を記録し、相当な胆力がなければホールドし続けることなどできなかったと思います。
結果的にはAMZNを20年ホールドし続けた人は大きく報われたわけですが、それはあくまで結果の話です。
当時のAMZNホルダーは、「◯%下げたら損切り」という明確なルールを保有していなかった方は大ダメージを負ったでしょう。
GEのようにホールドし続けても報われない銘柄も多数あり
General Electric Company(GE)のように、ホールドすればするほど値を下げ続ける銘柄もあります。
一般的にはこちらのパターンの方が多いと言えるでしょう。
このように、長期ホールドしても全く報われない銘柄も多数ありますので、個別株の逆張りには相当な胆力と勇気が必要です。
特に、ここ数年のように市場が好調にも関わらず、それに逆行して値を下げているような銘柄は要注意でしょう。
自分の購入銘柄に関しては、その将来の見通しに関して「希望的観測」が入りやすい点は注意が必要です。
購入時点では「この銘柄はこれから伸びる」と思って購入していますので、自分の考えが誤りであったとなかなか認めることができません。
将来上がる明確な根拠がないまま、ホールドし続けるうちにみるみる値を下げ、どこかで精神的に参って最悪のタイミングで損切りというのが多いですね。
インデックスならばバイ&ホールドも悪くない
VTやVTIなどのインデックスならばホールドし続けるのもありでしょう。
手元に十分な資金があれば、底を打つまでナンピン買いしてもいずれは報われる可能性が高いです。
しかし、「インデックスはいつか上がるから大丈夫」と頭では理解していても、実際に30%〜40%も値を下げる局面になりますと、精神的にかなり追い込まれます。
ホールドし続ける自信がない方であれば、「◯%下げたらいったん現金化」という明確なルールを決めておくのもありでしょう。
市場全体の相場が不調な時は、無理に参加しないというのも個人投資家に許された貴重な武器です。
機関投資家の場合、コンスタントに成果を求められますが、個人投資家の場合は自分の定めたルールを最終的に達成できれば勝ちだからです。
株式市場では「何をやってもダメ」という時期が必ずありますので、そういった時に無理しない体制をつくるのも重要でしょう。
まとめ
買値から値を下げた所でナンピン買いを繰り返し、損切りできないまま泥沼にはまるというパターンは最も多い負けパターンの一つです。
そのようなハイリスク銘柄はポートフォリオのごく一部にとどめ、ポートフォリオ全体が大ダメージを受けないよう調整が必要でしょう。
こんな記事も書いています。
VT、VTI一本で数千銘柄へ分散投資されているわけですから、一本だけでも立派なポートフォリオと言えます。
S&P500などの指数連動型の商品は、適切な指数(市場)へ投資をすれば長期の値上がりがほぼ確実に読めるため、バイ&ホールドに適しています。
インデックスが強い市場であるほど、個別株で勝つのは難しくなります。