こんにちは。
資格コレクターの人で真に社会的に成功した人を見たことがありません。
資格取得にかけた時間、労力、お金ほどにその資格が活かされていないのが原因でしょう。
肩書をどれだけ増やしても、それだけで人生が豊かになるわけではないことを意識すべきです。
資格をマネタイズできていますか?
「周りが持っている資格だから自分も・・・」というのは資格取得の動機にしてはいけません。
特に地頭が良い人ほど少し勉強しただけで資格が簡単に取れてしまうので、資格コレクターになりがちです。
資格取得にはかなりの時間と労力を必要としますので、取得前に「本当にその資格は取得する価値があるか、取得後の自分にはどんなメリットがあるか」をよく検討すべきでしょう。
医師免許は取得するまでが大変だが、その労力に見合った価値がある資格
今のところ日本では一部の都心を除いて医師不足の傾向が続いていますので、働く場所さえ間違えなければ、特別なスキルを持たない普通の医者でも一定以上の高待遇で働くことが可能です。
時間外の業務や当直業務などを合わせると否応なしに長時間労働を求められますが、その代わりに年収1000万円であれば誰でも達成可能といってよいでしょう。
医学部合格までにかかる教育費、医学部入学後の教育費は膨大(特に私大医学部の場合)ですが、それに見合ったリターンがあるからこそ教育熱心な親たちが自分の子供を医学部に入れようとあれだけ必死になるのでしょう。
ただ、医師の需給関係を考えると、30年後にも現在の医師の給与水準が維持されているかは怪しいところがありますので、今現在子供が小さい家庭の場合には、本当に医学部入学が最善の選択肢かどうか、慎重に検討する必要があるでしょう。
医者であれば各科の専門医資格までは必須。それ以上はオプションか
医者であれば各科の専門医資格までは必須だと思います。
各病院が人材募集をかける時に、大きな病院ほど専門科に分かれていますので、「◯◯科の先生1名募集」となることが多いからです。
いくら「私は◯◯科を10年やってきましたので自信あります」と言った所で、病院側は◯◯科専門医資格を持った医者を優先的に採用するのは当然です。
専門医資格を持っているからその医者の臨床スキルが高いわけでは必ずしもありませんし、むしろ重要なのは専門医資格を取得した後も勉強を続けてスキルアップを続けられるかどうかでしょう。
しかし、◯◯科専門医を持っているということは当該科に関して一定以上のスキルを保有している保証を得る意味合いがあるため、採用側は重視してきます。
このように、より自分が有利な条件で働くことに直結する資格は絶対にとっておく必要があります。
熱傷専門医。平時の診療にどれくらい役立ちますか?
医師の学会はどんどん細分化されており、それぞれの学会が専門医資格試験を設けていますが、本当に就職や日常診療において役立つが疑問符がつく資格もいくつかあります。
例えば、熱傷専門医。災害時などには大活躍でしょうが、平時では活躍する機会がほとんどありません。
軽い火傷は熱傷専門医でなくても診察可能ですから、熱傷専門医が活躍するのは重症熱傷(火災や自殺、災害時)に限られます。
熱傷センターを保有する限られた基幹病院に就職する際には有利に働くでしょうが、そもそも平時では重症熱傷の患者さんの絶対数が少ないため、熱傷専門医を取得したからといって賃金アップにつながる可能性は非常に低いです。
ここまで来ると完全に「趣味の世界」ということになります。
余計な資格取得はかえって「資格貧乏」になる可能性も
医師の場合、一度取得した専門医資格を維持するためには、
「◯年間の間に◯回学会に参加して単位をとる」
「学会の会員費を毎年◯円納める(1〜2万円くらいが多いです)」
「専門医としての実力が維持されているかチェックするために定期的な試験が必要」
などの要件があることが多いです。
つまり、取得したらそれで終わりではなく、その後維持するのにも労力、時間、お金をとられることになります。
取った資格を維持するために、家族と過ごせる貴重な休日を本心では参加したくもない学会に参加するために費やしている医者をたくさん見てきました。
実際の日常診療に役に立っていればよいのですが、そうでなければただの「資格貧乏」と言ってよいでしょう。
今までにかけてきた労力とお金を考えると苦渋の決断ではありますが、不要な資格は思い切って手放すことも考えた方がよいと思います。
まとめ
自分が取ろうとしている資格はその資格を取得するのに必要な労力、時間、お金以上の価値を生み出すものか、取得する前によく考えるべきです。
こんな記事も書いています。
資格をとる必要は必ずしもありませんが、自分の専門分野以外の勉強を継続することは必須でしょう。
投資とは異なりますが、資格においても「ある程度の需要があるがニッチな分野なので成り手がいない所を狙う」と早くトップになれる可能性があります。
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