おはようございます。
Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)という商品が新発売されます。
ベンチマークは「S&P500トップ10指数」で、S&P500構成銘柄のうち時価総額上位10社に投資する商品です。
いつも通り、みらいよたろうさんがいち早く報告してくれました。
新しい投信キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
— みらいよたろう@東北投信🇨🇦🌴🇹🇭🍤 (@instockexnet) April 30, 2024
▼Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)
✅投資先:S&P500の上位10銘柄
✅信託報酬:年0.10725%(税込)
✅運用開始:2024年5月16日
こりゃ熱いの来たw銘柄入れ替えあるからM7やFANGの投信よりも長期投資向きだと思うw
運用成績が楽しみ🥳 pic.twitter.com/X9rcH0uDz8
競合商品は「iFreeNEXT FANG+インデックス」や「一歩先いく USテック・トップ20インデックス」ですが、Tracersは信託報酬が0.10725%と低い点で明らかな優位性があります。
上位10社への集中投資になるので、リスクも相当高く初心者向きの商品ではありません。
しかし、マグニフィセント・セブン(M7)を中心とした米大手テック銘柄中心に投資したい方には人気が出そうな商品です。
Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)は時価総額トップ10社(S&P10)に投資する商品。eMAXIS Slimや楽天・S&P500、FANG+とどれを選ぶ?
Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)の概要
Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)の概要をご紹介します。
ベンチマークは「S&P500トップ10指数」で、S&P500構成銘柄のうち、時価総額トップ10社で構成される株価指数です。
FANG+のように10社に均等投資する商品ではなく、時価総額加重平均で投資する商品となります。
よって、マイクロソフトやアップル、エヌビディアなどの超大型株の構成割合が高くなります。
毎年6月に構成銘柄の見直しが行われ、年4回投資比率の調整が実施されます。
信託報酬は0.10725%(税込)と非常に優秀です。
ただし、銘柄入れ替えなどに伴う隠れコストがかかりますので、実質コストに注意する必要があります。
ポートフォリオのコア資産におすすめなのはeMAXIS Slim S&P500や楽天・S&P500
S&P500構成銘柄のトップ10は、その大半がマグニフィセント・セブン(M7)が占めています。
よって、実質的にはM7に集中投資する銘柄と考えても差し支えなく、テック銘柄や半導体銘柄への集中投資になる点には注意が必要です。
「S&P500トップ10指数」と「S&P500」の過去10年のリターンを比較した図です。
特に過去5年間では両者のリターンに大差がついており、トップ10指数の方が圧勝です。
ただし、2022年のような相場ではS&P500よりボラティリティが非常に高くなるため注意しましょう。
すでに資産規模が大きかったり、毎月新規投資できる金額が大きい人は、リスクの高い本商品ではなく、王道のeMAXIS Slim S&P500や楽天・S&P500がよいでしょう。
一方で、投資を始めたばかりの方で、毎月入金できる金額が少なく、リスクが高くなっても高いリターンを積極的に狙いたいという方は本商品が向いているかもしれません。
私が投資するなら、eMAXIS Slim S&P500でいいかなというのが正直な感想です。
S&P500は成長株も高配当株もバランスよく含まれ、株価成長率と配当成長率のバランスがよく、セクター比率も極端な偏りがないので攻守ともに隙がないんですよね。
信託報酬の差が大きいため、今後はFANG+よりTracersの方が良い
今回のTracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)と似た商品には、
・iFreeNEXT FANG+インデックス
・一歩先いく USテック・トップ20インデックス
があります。
どれもM7への投資比率が高く、いわゆる「その時勢いがある勝ち馬に乗り続ける戦略」の商品です。
FANG+は10銘柄に10%ずつ均等に投資するタイプの商品なのが、今回のTracersとの明らかな違いです。
「均等投資」がよいか、「時価総額加重平均」がよいか、好みに合わせて選べるようになりました。
「一歩先いく USテック・トップ20インデックス」は国内ETFの2244(グローバルX US・テックトップ20 ETF)を投資信託化した商品です。
こちらは20銘柄に分散されていますが、そもそもの銘柄選定プロセスが異なります。
NASDAQ上場銘柄の中から、ロボティクス、クラウド、コンテンツ/プラットフォーム、eコマース、半導体の5つに合致する銘柄のみを抽出する方法ですね。
アクティブ要素がより強い商品と言えそうです。
いずれも長期投資のコア資産には不向きですが、サテライト枠で少し買ってみるのは面白いかもしれません。
まとめ
Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)の概要をご紹介しました。
信託報酬が0.10725%と、競合の「FANG+」や「一歩先いくUSテック」と比べても非常に安いのが魅力的ですね。
新NISAでは成長投資枠だけ取り扱いになると思います。
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インデックス投資における「一括投資」と「積立投資」の考え方についてまとめました。
FANG+やTracers トップ10もよいですが、ポートフォリオのコア資産はオルカンやS&P500で固めましょう。
株価が好調な時はつい忘れがちですが、オルカンやS&P500も株式集中投資になるのでリスクは高い商品です。