おはようございます。
皆さんが投資信託で先進国株式クラスに投資する時、通常はMSCI KOKUSAIという指数に連動した「為替ヘッジ無」型の商品を選択しています。
もっとも有名なeMAXIS Slim先進国株式インデックスや、ニッセイ外国株式インデックスファンドも為替ヘッジ無しタイプの商品ですね。
たわらノーロード先進国株式もeMAXIS Slimやニッセイに劣らない超低コストを実現した投資信託ですが、
実はたわらノーロード先進国株式には「無印の為替ヘッジなし」と「為替ヘッジあり」が存在します。
本日は、両者のリターン差と為替ヘッジ活用の是非について検討します。
たわらノーロード先進国株式は為替ヘッジ有無での明暗くっきり
本日の記事の要点は以下の通りです。
1. たわらノーロード先進国株式の為替ヘッジあり・なしの違い
2. 日米の金利差が拡大する局面では為替ヘッジコストが増大する
3. 為替ヘッジではなく通貨の分散が正しい対処法
以下詳細を見ていきます。
1. たわらノーロード先進国株式の為替ヘッジあり・なしの違い
さっそく本題である為替ヘッジ有無でのリターンの違いを見ていきましょう。
こちらがたわらノーロード先進国株式の「為替ヘッジ無し」の1年チャートです。
2022年に入ってから全世界的に株価が下がっていますが、意外なほどたわらノーロード先進国株式の基準価額は下がっていません。
かなりの上下動がありますが、実は史上最高価格近くをキープしているのです。
外国の現地通貨ベースでは株価は20%近く下がっていますので、円安が20%以上急激に進行したことで基準価額の低下がマスクされていることを意味します。
次に、たわらノーロード先進国株式の為替ヘッジの1年チャートです。
先ほどのチャートとは見える景色が一変しました。
急激に円安が進むなか、為替ヘッジしたことが裏目に出ている典型例ですね。
もちろん、為替が円高に進めば逆の景色が見えるわけですが、日米の金利差がどんどん拡大している今のような局面は「為替ヘッジあり」にとっては逆風と言えます。
2. 日米の金利差が拡大する局面では為替ヘッジコストが増大する
為替ヘッジなしというのは、円高になろうが円安になろうが、為替に関してはあるがまま基準価額に反映される商品を指します。
外国株投資は株価の変動だけでなく為替変動の影響も受けるのが当たり前ですので、商品名に何も書かれていない場合は基本的に「為替ヘッジ無し」と考えてよいです。
一方、少数ではありますが、「為替ヘッジあり」と書かれた投資信託も存在します。
これは為替変動の影響を少なくし、株価の値動きの範囲内だけで勝負したい方や、円高に進む可能性が高いと考えている方が購入すべき商品です。
ところが、今現在のように日米の金利差が急激に拡大し、さらに世界的に米ドルの需要が高まりますと、為替ヘッジにかかるコストが大幅に上昇することを知っておく必要があります。
このあたりの内容がよく分からないという方は、
・基本的に「為替ヘッジ無し」型の商品だけ購入しておけばOK
・「為替ヘッジ有り」型の商品には余分なヘッジコストがかかっており、金利差拡大でさらにコストが増大する
とおぼえておきましょう。
3. 為替ヘッジではなく通貨の分散が正しい対処法
長期投資でもっとも重要なことの1つに、「不必要なコストはできるだけゼロに近く抑える」ことがあります。
為替ヘッジ型の商品は良い点もありますが、それ以上に余分なヘッジコストがかかっており、「低信託報酬」という最大のメリットが失われています。
個人投資家が為替変動に対抗するベストな方法は、投資信託自体に為替ヘッジをかけるのではなく、
外国株に関しては為替変動のリスクを素直に受け入れ、日本円や国内債券などの安全資産をアセットアロケーションの中にきちんと組み入れることです。
通貨もアセットも適切に分散することで、長い投資生活の中で不測の事態が起きたとしてもそれなりに対処することができるようになります。
まとめ
たわらノーロード先進国株式は為替ヘッジなしと為替ヘッジありでリターン差が顕著になっています。
急激な円安進行に加え、日米の金利差が急拡大したことにより為替ヘッジのコストが増大しているためです。
【米国株個別銘柄選びの参考になる本2選】
1. たぱぞう式米国個別株投資
米国株ブロガーのカリスマ、たぱぞうさんの本。
個別銘柄選びに関しては、この本と新しく出版された『お宝銘柄投資』がありますが、まずは定番銘柄の多いこちらの本がオススメせす。
2. エル式米国株投資で1億円
こちらも有名な米国株ブロガーであるエルさんの本。
米国株インデックス投資の内容も秀逸ですが、それ以上に「最強の10銘柄」が面白いと思います。
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