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【書評】奥野一成『ビジネスエリートになるための投資家の思考法』は投資家マインドを磨くのに最適な一冊

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おはようございます。

本日は奥野一成さんが書かれた『ビジネスエリートになるための投資家の思考法』という本の書評です。

NISAやiDeCoの普及により、これまで投資経験がなかった方も少額で投資を始めるのが当たり前になってきました。

それ自体は非常にすばらしいことですが、その一方でよく考えたり理解せずに投資を始めてしまい後悔する方も多いようです。

NISAやiDeCoでの取引は一般の方向けではありますが、株の保有者になるという事実には変わりなく、株を買うからには投資家マインドを養うことが必要です。

そんな目的にピッタリ合致するのが今回ご紹介する『ビジネスエリートになるための投資家の思考法』です。

 

【書評】奥野一成『ビジネスエリートになるための投資家の思考法』は投資家マインドを磨くのに最適な一冊

 

株式投資では日々の株価ではなくビジネスを追うことが重要

ビジネスにおいて重要なことは、「誰のどんな問題を解決しようとしているのか」です。

このビジョンが明確になっている企業は強く、このビジョンが曖昧なままビジネスを進めている企業は長期的に成功する確率が低いです。

 

優れたビジネスとは、

・自分の企業がターゲットとする顧客層を明確にする

・ターゲット層が真に求めている問題を明らかにする

・その問題を効果的に解決する方法を提示し顧客に受け入れさせる

これらをスムーズに実行できるものを指します。

 

当たり前ですが、誰でもすぐに気がつくような小さな問題を解決しても莫大な利益につながることはありません。

ビジネスが複雑化する現代社会においては、顧客が本当に求めている解決すべき問題が裏に隠れていることが多く、問題解決よりも前の問題発見の重要性が高まっています。

 

ちなみに、どんなに優れたビジネスを行っている企業であっても、リーマンショックやコロナショックなどの市場全体の変動を避けるのは不可能です。

ところが、新たな価値を生み出している真に強い企業の株式であれば、これらの暴落局面を乗りこえて株価は必ず上昇に転じます。

 

「強い」企業の株式投資には複利の効果が期待できる

次に重要なことは、「強い企業」の株式を長期保有することで初めて複利の効果が得られるという点です。

どんな企業の株でも長期保有すればよいというわけではなく、「弱い企業」の株を長期保有しても新たな価値を生み出さないため損失が膨らむばかりです。

 

よく例に挙げられるのが、S&P500とTOPIXの直近30年のリターン差ですね(以下のチャートは赤線がS&P500、水色が日経平均)。

 

もちろん、S&P500の中にもダメな企業はたくさん含まれ、それらの企業がS&P500の長期リターンを押し下げています。

ところが、TOPIXの中にはなぜ指数の中に未だに残っているのか分からないような「ゾンビ企業」が数多く存在し、リターンを押し下げる原因となっています。

 

このダメ企業を見極め、強い企業だけを選んで投資することができれば市場平均より高いリターンが得られることになります。

ところが、アクティブファンドの大半がインデックスファンドのリターンに劣っているという事実は、強い企業だけ選んで投資することの難しさを証明しています。

実際にうまくいくかは別としても、自分のお金で無理のない範囲内で個別株を購入し、奥野さんが説くインベスターシンキングを鍛えるのは大きな価値があると思います。

 

強固なジブン・ポートフォリオの築き方

本書の最後の方で「ジブン・ポートフォリオ」という考え方が紹介されています。

これは、若い頃から自分資産(人的資本)と金融資産の両輪をバランスよく成長させる意識を持とうということです。

 

自分資産(人的資本)に関しては、一般的に20代〜30代の若いビジネスマンの方が投資する価値が大きくなります。

とはいえ、人生100年時代が目の前に迫っていますので、40代〜50代になってもスキルを磨くことを忘れない人だけがこれからの時代を生き抜けるでしょう。

 

金融資産に関しては、「新たな価値を生み出すものにだけ投資する」という大原則を忘れないようにしましょう。

本書では、金や仮想通貨は付加価値を生み出さない資産として紹介され、新たな価値を生み出す資産の代表例として不動産と株式が紹介されています。

その中でも、不動産に関してはあくまで土地や建物など現物資産なので価値上昇の幅には限りがあり、株式こそが青天井に資産価値が上昇しうると解説されています。

この意見には私も100%同意であり、5年〜10年でなく生涯をかけて投資するならば株式一択だと思っています。

 

まとめ

本日は奥野一成さんの『ビジネスエリートになるための投資家の思考法』の書評でした。

奥野さんの本は前著『ビジネスエリートになるための教養としての投資』も良書ですので、ぜひ合わせて読んでみてください!

 

 

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