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「国土のグランドデザイン2050」を見て日本の将来を考える

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おはようございます。

国土交通省が2014年に発表した「国土のグランドデザイン2050」はご存知でしょうか。

超少子高齢化社会を迎える2050年を見据えて、未来を切り開くための国土づくりの理念や考え方を国が示したものです。

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国土のグランドデザイン2050を読んで日本の将来予測について学ぶ

「国土のグランドデザイン2050」の概要を示したのが下の図になります。

http://www.mlit.go.jp/common/001047114.pdf

 

当然ながら、あまり楽観的な未来は描かれていませんので、読んでいて楽しい気持ちになれるものではありません。

しかし、現実から目を背けても何ともなりませんので、こういった資料に目を通し、日本がこれから直面する現実を知ることも重要でしょう。

 

「サービス施設の立地する自治体の規模」を示す図が面白い 

三大都市圏を除いた地域において、主なサービスごとに立地に必要な需要規模を、「存在確率50%」と「存在確率80%」ラインで明示した下図が個人的には面白いと思いました。

 

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各バーの左端が「存在確率50%」を示す人口規模で、この人口規模を下回ると該当サービスが廃業や撤退を始めるラインと言われます。

一方、各バーの右端が「存在確率80%」を示す人口規模で、この人口規模を上回っていれば、ほぼ確実に該当サービスが存在すると考えられるラインです。

人口規模によって、どのサービスが存在し、どのサービスが存在し得ないかがひと目で分かるようになっています。

 

「君の名は」が大ヒットした高山市には映画館がないという事実

2016年夏に映画「君の名は」が大ヒットしたのは記憶に新しいかと思います。

この映画の舞台になったのは飛騨高山地方で、多くの映画ファンがこの地方を「聖地巡礼」といって訪れるブームが発生しました(今でも続いているのでしょうか?)。

その一方で、高山市には映画館がなく、高山の人がこの映画を見ようと思ったら富山に足を運ぶ必要があるという現実があります。

あれだけ全国的にブームになったのに、「映画館がないから未だに見ていない」という地元の方は多いようです(上映会などは開かれたようですが)。

高山市の人口が約87,000人とされていますので、確かに映画館が存在する「存在確率50%」ラインである、人口87,500人をわずかに下回っていますね。

こう考えてみると、上図はある程度信頼できるデータなのかもしれません。

 

最も少ない人口でも維持されるのは飲食店、一般診療所、郵便局

都市部に住んでいると、「存在して当然」と考えがちなサービスも、今後の極端な人口減少社会では当たり前ではなくなる地域が増えるかもしれません。

飲食店、一般診療所、郵便局は人口500人規模で維持されますので、多くの地域で問題なさそうです。

 

人口5000人を下回ると、入院が可能な一般病院や銀行も存在できなくなるのですね。

医療設備の充実度は別として、万が一の時に入院ができる病院自体がない、銀行が存在しないというのは個人的にはかなり厳しいです。

 

今後も高齢化に伴い利用者の増大が見込まれる訪問介護サービスですが、これも1万人以上の人口がないと受けられません。

また、人口5万人規模が維持されないと、たとえどれだけお金を持っていても、入所する有料老人ホーム自体が存在しない可能性があるのですね。

 

救命救急センターや大学、スタバや百貨店が存在するのは都市部だけの常識

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24時間受け入れ体制の救命救急センター、大学、スターバックスコーヒー、百貨店が存在するのは人口10万人以上の都市のみです。

スタバや百貨店はさておき、救命救急センターや大学といった高度なサービスが受けられるかは住人側にとっては重要ですね。

医療従事者としては、救命救急センターの存在する人口規模に関しては概ね納得ができます。

救急車が到着しても、そこから搬送先の病院まで1時間以上という地域はすでに現実に存在しているからです。

 

今回、「サービス施設が存在する自治体の規模」の図を見たことによって、国が推進しようとしているコンパクトシティ構想がより身近なものとして実感できるようになりました。

 

まとめ

都市部に住んでいると「常識」と考えがちなサービスの一部が、別の地域では非常な贅沢である可能性があります。

人口規模によって維持されるサービスと撤退するサービスが大体決まっていることを知っておくとよいかもしれません。

 

 

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