
おはようございます。
投資の大原則の1つは「安く買って高く売る」ことですが、投資経験がそれなりにある方であれば、この言葉ほど「言うは易く行うは難し」であることをよく実感しています。
私個人の感覚では、特に買いよりも売りが難しいと思っていて、割安な所で買えたことは何度もあるのですが、適切なタイミングで売り抜けられたことが少ないのです。
もちろん、私に投資の才能がないせいだと思いますが、無いものを望んでも仕方がないため、現実的な戦略として「そこそこの価格で購入して長く保有し続けて育ってくれればOK」と考えを改めることにしました。
投資の大原則「安く買って高く売る」の難しさ
本日の記事の要点は以下の通りです。
以下1つ1つ掘り下げてみていきます。
1. 「安く買って高く売る」を再現性を持って繰り返すのはほぼ不可能
当たり前のことですが、投資で勝つためには、「安く買って高く売る」を繰り返すだけで十分です。
株をできるだけ安く仕込んで、それが値上がりした所で適切なタイミングで売却し、売却益を得たうえで、次の割安な銘柄を探す・・・
このように文章で書くと簡単なように見えますが、実は非常に難しく、「それができたら誰も苦労しない」とほとんどの方が実感されているはずです。
もちろん、売買のタイミングがうまく噛み合って「たまたまうまく行く」ことは誰にでもあります。
ただし、それが100%自分の実力ということはありえず、偶然に左右される所が非常に大きいです。
再現性に乏しく、それを何度も続けることはほぼ不可能と言えます。
一企業の株価を左右するファクターがあまりに多すぎるため、1ヶ月後の株価ですら誰にも正確には読めないからです。
プロの投資家ですら暴落を100%回避できる方などいないわけですから、我々初心者にそれが可能などと考えない方がよいでしょう。
2. 「買い」よりも「売り」の難しさ
では、「安く買う」ことと「高く売る」ことはどちらが難しいのでしょうか?
私の個人的な感覚では、買いよりも売りの方がはるかに難しいと感じています。
買いに関しては、コロナショックのような分かりやすい暴落の場合、底で拾うことができなくとも、かなり底に近いところで拾うことは十分に可能です。
「天井から10%下がったら○○円、20%下がったら○○円、30%下がったら○○円、40%下がったら○○円・・・」
などとあらかじめルールを定め、そのルールに従って淡々と買い付けるのもよいでしょう。
一方、適切なタイミングで売り抜けることは非常に難しいです。
2020年3月のコロナショックで一時期50ドル台まで低迷したVTですが、一時期は120ドルを超え、最近の暴落下でも100ドルを超えています。
コロナショックの底から2倍以上に上昇したわけですが、私もこんな短期間で株価が回復するとは正直予想していませんでした。
「VTのようなインデックス投資でこんなに急激に株価が上がるはずがない」と初めから決めつけていたら、VTが70ドルくらいになった所で売却してしまっていた可能性があります。
もしそうであれば、暴落を恐れるがあまり大きな機会損失を被っていたことになりますね。
3. 最低限「高く買って安く売る」ことを防ぐことが重要
「安く買って高く売る」のが現実的に難しいのであれば、我々個人投資家はどう対処すべきなのでしょうか?
面白みのない話にはなりますが、最低限「高く買って安く売る」という失敗を侵さないことだと思います。
長期的に見てプラスサムゲームになる可能性が高い投資対象であれば、「そこそこの値段で買って長く保有し続ける」だけで十分です。
あまり欲を出さず、「少しでも安く買えたらラッキー」くらいの気持ちで相場に臨み、一度購入したらそれが育つまで年月をかけてゆっくりと待つ意識が重要でしょう。
まとめ
「安く買って高く売る」
言葉で書くと簡単に聞こえますが、実は非常に難しい投資の原則です。
何度かチャレンジしてみるのはよいですが、自分には不可能と感じたならば戦略を切り替える柔軟性が大事でしょう。
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