こんにちは。
誰でも病気になれば病院に行く機会はあるかと思いますが、病院側も患者側も節度ある態度を心がけ、気持ちよく病院を利用できるようにしたいものです。
ところが、日々医者の仕事をしていると、「困った」患者さんに出会うことが多々あります。
あまりにひどいと病院のブラックリスト登録され、それでも収まらないと病院を出禁になることもありますので、注意しましょう。
自分が「困った」患者にならないための5つのチェックポイント
自分が病院を受診した後に、医者や看護師、事務スタッフから「今日の◯◯さん、本当に困った患者さんだったね」と言われたりしないように気をつけましょう。
あらかじめ病院にとって「困った」患者の典型例を知っておくことで自分がそうなることを防止できると思いますので、ご紹介します。
医者の仕事の都合を考えずに外来で長時間話し込む
これは多いですね。
医者にとって外来業務は限られた時間の中でいかに多くの患者さんに良質な医療サービスを提供できるかという場です。
ほとんどの患者さんは医者が多忙であること、自分の後に多くの患者さんがまだ待っていることを理解して、自分の症状に関することだけをお話いただけます。
が、時々全く関係ない家庭の話や趣味の話などを長々と診察室で始める方がいらっしゃいます。
話の打ち切りどころの見極めも難しく、話を打ち切ると怒り出す患者さんもいらっしゃるので、大変困ります。
病院は医療サービスを受ける場であって、医者を雑談の相手にしてはいけません。
医者に言いたいことがたくさんあるのは分かりますが、病院を受診した時には自分の症状についての話を中心に話すようにしましょう。
病院にくれば全ての病気が治せるものだという思い込み
これも未だに時々いらっしゃいます。
現代医学の発展は目覚ましいものがありますが、未だに治せない病気は多数あります。
病気の完全治癒を期待して病院に来る気持ちはわかりますが、検査の後にどう客観的にみても根治が難しい場合に、医者や看護師に当たりだす患者さんは本当に困ります。
誰がいつどのような病気になるかは医者を含めて誰にも分かりません。
医者にできることは、病院を受診された後に適切な診断を下し、その時点でベストと思われる治療法を提案する、そしてその治療を受けた場合に想定される効果と副作用などを説明することです。
病気になる前の状態に戻せる魔法使いではありませんから、そのあたりはよく理解して病院を利用しましょう。
医者に対する態度と他のスタッフに対する態度が著しく異なる
はい、これものすごく嫌われますので注意です。
診察室で医者の前ではものすごく優等生の患者さんなのに、診察室を出た後の看護師や事務スタッフへの対応になるとわがままでタメ口になったりする患者さんは意外に多いです。
これは本当に最悪で、院内での評判が著しく悪いケースが多いです。
後から医者に「◯◯さん、先生の前では良い人なんですけど、私達の前では本当にひどくて・・・」と看護師から苦情がくるパターンが多いです。
医者としても、自分の前では特に問題ない人に見えるために表立って注意することもできず、非常にたちが悪いと思います。
診察をしたり、必要な検査や薬を処方するのは医者の仕事ですが、医療サービスは他のスタッフも含めて病院全体で提供するものですので、医者以外のスタッフに嫌われると患者さんにとってもデメリットが大きいですから注意しましょう。
診察や予約検査を自分の都合で勝手にボイコットする
これも結構多いですね。
診察や予約した検査を自分の都合で勝手にボイコットすると大変嫌われます。
診察はまだマシですが、予約検査はその患者さんのために検査室と検査時間の枠を確保してあります。
あらかじめキャンセルの連絡をいただければ、その分他の患者さんのためにその検査枠を有効活用できるわけですから、病院側の損失につながります。
自分の都合でキャンセルする時には、必ず先方に連絡を入れる。
社会人として常識的なことだと思いますが、意外とドタキャンされる方は多いですので、注意した方がよいでしょう。
予約が必要な検査を「今日中に絶対やれ」とごねる
これも多いです。
病院では、当日至急で施行できる検査と予約が必要な検査が両方あります。
予約が必要な検査で、実際に1ヶ月近く待っていただいている患者さんがいるにも関わらず、「俺は今日その検査を受けにきたのだから絶対に今日中にやってくれ」とゴネる患者さんは大変困ります。
自分の病気が心配なのは分かりますが、医者も本当に当日至急でその検査必要なケースは見極めてオーダーしますので、緊急性がない場合はお待ちいただく必要があります。
予約が必要そうな検査の場合には、事前に当日その検査を受けることができるかどうか病院に問い合わせをしてから受診すべきだと思います。
ある病院では予約が必要な検査でも、別の病院では当日中に施行可能ということはよくあるからです。
病院に来たからにはその病院のルールに従う、それが大人な病院の利用法だと思います。
まとめ
病院を受診する時は患者側もルールを守り、医療者側も患者側も気持ちよく病院を利用できるよう心がけたいものです。
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優秀な医師を見極める目を持つことも重要でしょう。
悪習を断ち、良い習慣を身につけるようにしたいものです。悪習は自分がそれにハマっていることに気がついていない人が多い点に注意です。