おはようございます。
前回の記事では、自分の収入・支出や、資産・負債の状況を目に見える形にすることの重要性を述べました。
紙でもExcelでもマネーフォワードでも何でもいいですが、とにかく目に見える形にして書き出すことが重要です。
自分の資産状況を客観的に見える形にして始めて、具体的な投資戦略を練ることができるからです。
ゼロから始める資産形成の攻略法その13「投資のゴールを設定し、自分に合った投資手法を考える」
1. 自分にとってなぜ資産形成が必要か考えてみる
どんな目標であっても、明確な理由やゴール設定がなければ、戦略のたてようがありません。
まずは、自分にとってなぜ資産形成が必要なのか、よく考えてみましょう。
私の場合は、
1) 医師の仕事自体はやりがいもあり、給与面でもおおむね満足。できるだけ長く続けていきたい。
→一方で、医師としての給与収入は健康を害して働けなくなった瞬間に大幅にダウンする可能性があり、中年以降の健康リスクを考えると一刻も早い資産形成が望ましい
2) 医局から無理な人事など無茶振りをされた時にNoを言えるようになる
→お金に余裕があれば、権威に対してNoを言いやすくなります
3) 自分の子供には満足な教育を受けさせたい
→子供がもっと学びたいという意思表示をした時に、お金がないからというネガティブな理由でその提案を断る親にはなりたくない
4) 年をとった時に、お金に不安を抱えながら生活をしたくない
→これは資産形成を考える人ならば皆共通かと思います。老後の資金集めということですね。
資産形成をする理由を考えることで、うまく行かない時のモチベーションを維持する効果が期待できます。
2. 投資のゴールを設定する:何歳までにいくらの資産形成を目指すのか
資産形成が自分に必要な理由を考えた後は、ゴールを設定する必要があります。
最低限、何歳までにいくらの資産形成を目指すのかは決めておく必要があります。
できるだけ長く働き続けるつもりだが、老後の生活の不安解消のために投資をするならば、60歳や65歳に向けた長期的なゴールを設定すればOKです。
将来の年金受取予定額を知らなければ、どれくらい老後の資金が必要かを見積もることは不可能です。
自分の年金受け取り予定額を全く知らない方は、下記の記事を元にシミュレーションしてみましょう。
3. アーリーリタイアを目指す場合は、総資産の額以外にお金を生み出す仕組み作りが必要
最近よく聞く「◯◯歳までにアーリーリタイア」を目指すのであれば、◯◯歳でアーリーリタイアをした後に生活で困らないだけの資産を築き上げる必要があります。
また、その場合、資産の総額も重要ですが、リタイアの年齢が若ければ若いほど資産を切り崩すだけでずっと生きていくのは難しくなりますので、お金を生み出す仕組み作りも同時に進める必要があるでしょう。
仮に1億円の資産を作り上げたとしても、本業以外でお金を生み出す仕組みを何も持ち合わせていなければ、アーリーリタイアはリスクが大きいです。
4. 本業以外の収入源はあるか?その収入源の大きさ・安定性は?
不動産賃料収入や株式配当はその選択肢の一つになりますし、ブログをやっていればブログの広告収入なども考えられます。
収入源の大きさも重要ですが、その収入源の安定性も検討しておきましょう。
不動産賃料や株式配当は好不況による波はありますが、よほどのことがない限りゼロになることはありません。
一方、ブログの広告収入はGoogleやAmazonの方針に大きくされる可能性がありますので、それに生活の大半を依存するのは危険かもしれません。
5. 目標額を達成するためには年間いくらを年利何%で回せばよいか
さて、何歳までにいくらの資産形成をするかを決定した後は、実際に年間◯円を◯%で回す必要があるかを考えてみましょう。
当然ですが、投資に回せる金額が多ければ多いほど、低リスク・低リターンの投資でも目標額を達成することが可能です。
投資に回せるお金が少ないのに、高い目標を設定してしまうと、過剰なリスクを背負う必要が出てくるため注意が必要です。
以前に申し上げたように、少しでも投資に回せるお金を増やせるよう、家計の節約に力を入れましょう。
それが資産形成のスピードを加速させる一番の近道です。
6. 複利計算は「72の法則」を参考にしよう
複利計算を簡単にやるには「72の法則」を利用するのが手っ取り早いです。
72を予定運用年数で割ると、その期間で資産が2倍になるために必要な利回りが計算できます。
詳細は下の記事に書いてありますが、一つの目安は「20年で2倍」というラインだと思います。
72 ÷ 20 = 3.6(%)
これくらいの利回りならば長期インデックス投資で十分に達成可能です。
相場がよければ、より短い年数で2倍を達成できる可能性もありますね。
「15年で2倍」ですと、72 ÷ 15 = 4.8(%)ですが、これも十分に現実的な目標だと思います。
一方、5年で2倍を目指そうと思ったら、72 ÷5 = 14.4(%)になります。
ここ数年のような順張り相場が永久に続くならば話は別ですが、投資でコンスタントに14.4%の利回りを上げ続けるのは結構難しいです。
後ほど解説するインデックス投資で比較的安全に資産を2倍に増やそうと考えるならば、最低でも15年くらいの期間は見ておく必要があります。
7. 複利計算はあくまで机上の理論であることを知る
複利計算はあくまで机上の理論であって、その投資期間中に理論通りに数%ずつ資産が増えていくことはまずありません。
株式市場の上下動に大きく左右されながら、長い期間をかけて、結果として年間数%ずつ資産が増えていくイメージです。
つまり、その間には年間20〜30%資産が減る期間もあれば、逆に20〜30%も儲かる時期も含まれる可能性があります。
市場の上下動があることを考えると、投資期間は長ければ長いほどより低リスクで投資をすることが可能と言えます。
5年の投資期間ですと、大暴落が来た後に市場が回復するまでの期間が十分に確保できない可能性があります。
一方、20年という長期スパンで考えれば、途中で大暴落がやってきてもその後の回復期間も十分に見込めるわけです。
もちろん、目標達成直前になってリーマンショック級の大暴落に見舞われたならば、大惨劇になりますので、目標達成年齢に近づくにつれてより低リスクな投資法に切り替えていく必要があります。
まとめ
「◯歳までに◯円の資産を築くには、毎年◯円を投資に回し、そのお金を年◯%の利回りで回せば達成できる」という明確な目標をたてましょう。
その際、「72の法則」を参考にして十分長い投資期間を確保し、到底実現不可能な高い利回りを設定しないことが重要です。
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株雑誌では、よく「3年で2倍を狙う」など華々しい言葉で飾られた特集が組まれていることが多いですが、3年で2倍を狙う投資はハイリスクであることが多くおすすめできません。
投資本や投資ブログを読む時は、再現性のある手法が紹介されているのか、その手法を自分に適応しても大丈夫かよく検討するようにしましょう。