おはようございます。
長期投資では「大怪我を避けて堅実な運用を続けること」が何よりも重要です。
一般的なサラリーマン投資家の場合、投資に回せる資金は限られており、一度大怪我を負ってしまうとそこからのリカバリーに長い年月を要します。
このリカバリーに使った時間というのは堅実に運用していれば使わなくても済んだ時間であり、せっかくの「複利の効果」を大きく損なってしまいます。
本日は資産形成において大怪我をするとゴールがいかに遠のくかを考察してみます。
長期投資では大怪我を避け堅実に運用することが重要
本日の記事の要点は以下の通りです。
1. 資産形成では一度「大怪我」をしてしまうとリカバリーに時間を要する
2. 大怪我からのリカバリーに時間を消費すると「福利の力」を活かせる年月が短くなる
3. 市場全体に投資してあとはその船に身を委ねるイメージを描く
以下詳細を見ていきます。
1. 資産形成では一度「大怪我」をしてしまうとリカバリーに時間を要する
一般的なサラリーマン投資家の場合、資産形成で一度「大怪我」をしてしまうとそこからのリカバリーにはかなりの時間を要します。
サラリーマンの場合、毎月の収入の中から投資用の資金を数万円確保するのが精一杯という家庭が多いでしょうから、一度失ったお金を補填するには相当な時間がかかります。
さらに怖いのは、「早く損失分を取り戻さなくては」という心理的な焦りが生まれることです。
そうなると、知らないうちに自分のリスク許容度の上限を大きく超えた投資に手を出してしまったり、詐欺案件に乗っかってしまう危険性が生じます。
損失を取り戻そうと焦るがあまり、自分の本来得意とする領域から外れた投資に手を出し、さらに損失を拡大して取り返しのつかない事態になるというのが最も悲惨なパターンです。
2. 大怪我からのリカバリーに時間を消費すると「福利の力」を活かせる年月が短くなる
一度大怪我を負ってしまうと、そこからのリカバリーは予想以上に大変です。
仮に1000万円が500万円になったとすると、この時点では-50%の損失になります。
この500万円から元の1000万円まで追加入金なしで復活するためには、+100%のリターンが必要になるわけです。
つまり、一度マイナス50%の損失を背負ってしまうと、プラス50%取り戻したら元に戻るわけではなく、それよりはるかに大きなリターンが必要になります。
レバレッジ型の商品ですと時に「マイナス90%」という事態も発生しますが、一度このような状況になってしまうと元の状態に復帰するためには「プラス900%」という途方も無いリターンが必要になるのです。
もちろん、10年〜20年じっくりと時間をかければ回復する可能性もありますが、大半の方は精神的に耐えられず売っ払ってしまうでしょう。
大怪我を負った状態からプラスマイナスゼロの状態まで復帰するのに年月がかかってしまうと、その後「複利の効果」を活かせる期間も短くなってしまいます。
基本的に投資の世界は「パーセント」で動きますから、同じ%でも後半になればなるほど資産が増えるスピードは加速します(もちろん減るスピードも加速します)。
よって、5年投資期間が短くなるだけでも本来ならば得られていたはずのリターンのかなりの部分を失う可能性があるでしょう。
3. 市場全体に投資してあとはその船に身を委ねるイメージを描く
インデックス投資を実践する時の最大のポイントは、
「自分が乗り込む船を決めたら迷わずそれに乗船し、あとはひたすら乗車した船に身を任せること」
です。
そして、時価総額加重平均に基づいた市場平均のポートフォリオはリスク調整後のリターンが非常に優秀であり、途中で沈没するリスクを避けながら長期乗車するのに最適な船です。
もちろん、一部の個別株の中には市場平均を超えるリターンを生み出すものもありますが、今現在「最強」と謳われる企業であっても5年〜10年後にどうなっているかは全く分かりません。
「この豪華船に生涯乗り続けるんだ!」と意気込んで乗船した船が、5年後には沈没していたりボロ船になっている可能性が十分にあります。
そう考えますと、現時点で最強・最速の船でなくても、何十年にわたって安心して乗車し続けられる船(インデックスファンド)には大きな価値があるのではないかと思います。
まとめ
長期投資では、一度大怪我をしてしまうとゴールが大きく遠のいてしまいます。
過剰なリスクを背負うことなく堅実に運用することが求められます。
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具体的な投資手法を学ぶ本ではありませんが、お金に対するマインドセットを身につけられる貴重な一冊です。
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