おはようございます。
当ブログの読者の方から、「米国株投資において分配金の為替差損益をどう扱うか」について以下のご質問をいただきました。
はじめまして、同業で診療科も一緒の者でございます。
いつもブログ楽しみにしております。
この度、為替差損益についてご質問がございます。
資産運用いろいろ試しつつ、結局は粛々と本家VT積立でいいのではないかというところに落ち着きつつあるのですが、まだその一歩が踏み出せておりません。
というのは、分配金の為替差損益をどう取り扱うのかというところで悩んでいるからです。
本家VTでは分配金が出ますが、分配金を受け取ってから円転するまであるいは次の商品を購入するまでの為替差損益は、厳密には確定申告で雑所得として計算せねばならないはずです(少なくとも、確定申告が避けられない以上は)。
国税庁の公式見解も、SBI証券からの回答もそうでした。
しかし、正直いちいちそんな計算はやっていられないというのが率直な気持ちですし、他のブロガーさんもどう捉えられているのかよくわかりません。
徹底的に回避するには下の方のようにするらしいのですが… https://runablog.com/foreign-stock-etf-article-20180511
「実務上」、分配金の為替差損益、先生はどう取り扱われていますでしょうか。
ここさえ気持ちよくクリアできればこころ穏やかにVTでいけるのですが。 お忙しいところ大変恐縮ではありますが、ご意見いただければ幸いでございます。
分配金の為替差損益に関しては、バイトが当たり前で確定申告が必須な我々医師にとっては悩ましい問題です。
これは非常に難しい問題で、正直私も絶対的な正解を持ち合わせているわけではありません。
理想を突き詰めればとことんストイックに計算すべきなのでしょうが、現実にはそこまでストイックにやっていられないというのが正直な所だからです。
米国株投資において分配金の為替差損益をどう扱うか?
結論:できるだけ速やかに外貨建てMMFに逃げる
結論から言いますと、
「分配金をドルで受け取ったら、可能な限り速やかに外貨建てMMF(ドルMMF)に換える」
のが無難と言えます。
厳密には、「分配金を受け取ったのと同日」に換えるのが理想なのですが、仮に数日間遅れたとしても、私の個人的な経験では実務上問題になったことはありません。
ですが、「ドルをドルのままで長期に保有し続けないこと」は念頭においておいた方がよいかもしれません。
外貨を外貨のまま長期に保有しないことが重要
外貨を外貨のまま長期保有してしまうと、為替が動いた時に為替差損益が発生してしまいます。
為替差で儲けることを狙っているわけでなく、あくまで仕込んだドルで株式やETFを購入することが前提ならば、
「ドルをドルのまま長期で保有し続けない」
ことが重要です。
株式やETFを購入するタイミングで同時にドル転をするか、ドル転と株式購入のタイミングに大きなずれが生じるならばいったんドルMMFに逃げる手があります。
ただ、ここで難しいのは、手持ちの円をドル転するタイミングは自分の意思で決められますが、分配金の振り込まれるタイミングは自分の意思で決められない所です。
外貨建てMMFを利用することでドルを特定口座内で管理する
為替の計算は確定申告時に非常に手間になりますので、できるだけ避けたいのは皆共通した考えかと思います。
また、為替差益は雑所得になり損益通算ができませんので、税制上も非常に不利であることから、取り扱う金額が大きいケースでは外貨預金は避けたいところです。
そこで、証券口座の中の余ったドルはできるだけ速やかに外貨建てMMFに換えてしまいましょう。
外貨建てMMFは投資信託の一種という扱いですから、そうすることで米ドルを特定口座内で管理することが可能となり、譲渡益課税となり損益通算も可能となりますから利便性が高くなります。
実際に外国株式を買い付ける時に外貨建てMMFから米ドルへ戻すという一手間がかかりますが、それを補って余りあるメリットと言えるでしょう。
分配金は速やかに再投資するか、いったんドルMMFへ換える
米国ETFから定期的に振り込まれる分配金(ドル)を即日再投資すれば何も問題はありません。
悩ましいのは、投資を始めたばかりで、振り込まれた分配金の金額が少なくすぐに再投資するのが困難なケースです。
この場合には、できるだけ速やかに外貨建てMMFに換えておきましょう。
外貨建てMMFは売買手数料が無料で、10ドル以上で買い付けできますので、分配金が少額であっても対応可能です。
厳密には「分配金を受け取ったのと同日」でなければ為替差損益の計算が発生することになりますが、このあたりは正直グレーゾーンで、どこまで厳密にやっているかは人それぞれではないでしょうか。
まとめ
ドルで定期的に振り込まれる分配金の為替差損益に対する対処法ですが、
1) 振り込まれた分配金を即日再投資する
2) 分配金を一時的に外貨建てMMFに逃がす
この2つが現実的な解決法かと思います。
こんな記事も書いています。
ETFの魅力は、参入するタイミングをある程度間違っても、長期で保有すれば勝てる確率が高い点にあります。
世界分散投資を考える場合、よほどこだわりのある人以外は何も考えずにVT一本の方が楽だと思います。
米国市場に投資するインデックスファンドは、楽天VTIとeMAXIS Slim米国株式(S&P 500)の一騎打ちですね。