おはようございます。
日本人が投資で大きな成果をあげられない原因の1つが、そもそも家計資産全体に占める株式などのリスク資産の割合が低すぎることにあります。
「オルカン」を買うか、「S&P500」を買うか、「インド株」を買うかといった問題ではなく、十分な割合で投資できているかという観点が重要です。
株式比率で悩んだら「100 - 年齢(%)」という有名な式を参考にしましょう。
— ちゅり男/医師・投資ブロガー (@churio777) March 5, 2024
今30歳の人なら資産全体に占める株式の割合は70%が適正ということです。
ほとんどの日本人は株式などリスク資産の割合が低すぎるため、効果的な資産形成ができていません。
理想的な株式比率に関しては、「100 - 年齢(%)」が目安という有名な式があります。
最終的にはその人の家族構成や職の安定性、健康状態など様々な要因を考えて株式比率を決める必要がありますが、一つの目安にはなるでしょう。
仮に今30歳の人だと、株式比率は70%くらいが適正ということです。
一度ご自身のポートフォリオと比較してみてはいかがでしょうか?
株式比率は「100 - 年齢(%)」が目安!eMAXIS Slimオルカンや楽天・オールカントリーの保有割合を上げろ!
インデックス投資で成果が出ない主な理由は「株式比率が低すぎる」から
ブログやXなどで様々な個人投資家の方々と交流してきましたが、インデックス投資で成果が出ない主な理由の1つが「株式比率が低すぎる」ことにあります。
元々、日本人は「貯金好き」と言われており、米国など他の先進諸国と比べて家計資産に占める株式など有価証券の割合が低いことが指摘されています。
実際、以下のデータによれば、日本の家計では現金・預貯金の割合が54%を占める一方、米国の家計では投資信託や株式などのリスク資産が約51%を占めています。
【Vol.180】日本の家計の金融資産に占める「現金・預金」の割合は50%超と高くなっていますが、留意点は? | 三井住友DSアセットマネジメント
今人気があるインデックス(指数)はオルカンのベンチマークであるMSCI ACWI(全世界株)やS&P500(米国株)ですね。
これらはものすごく優れた指数ですが、どんなに優れた指数に連動する商品でもそれを少額しか保有していなければ投資成果が出なくて当たり前なのです。
株式比率の目安は「100 - 年齢(%)」。30歳の人なら70%が適正です
では、私たち個人投資家の株式比率は何%が適正なのでしょうか?
適切な株式比率に関しては様々な意見があり、最終的には各個人の生活背景や仕事の状況、リスク許容度などを考慮して決めていくしかありません。
とはいえ、最初から「自分で決めろ」と言われてもなかなか決められないから何か目安が欲しいという気持ちはよく分かります。
その場合、一番有名なのが、株式比率は「100 - 年齢(%)」にするというものでしょう(下図参照)。
この式に基づけば、
・今30歳の人の株式比率は70%が適正
・今40歳の人の株式比率は60%が適正
・今50歳の人の株式比率は50%が適正
ということになります。
弊ブログの読者は20代〜40代くらいの方が多いと思いますが、その場合、「家計資産全体の60%〜70%は株式にしましょう」という話です。
投資経験ゼロの人にとっては驚くほど高い数値だと思いますが、10年〜15年と投資を続けて慣れてくると、妥当な数字だなと感じられるようになります。
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これまでコツコツと貯めてきた預貯金がある人にとっては、今年から始まった新NISAはものすごくチャンスです。
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの箱があります。
つみたて投資枠は、名前のとおり毎月積立を前提とした制度です。
年間投資枠は120万円までなので、月に10万円ずつコツコツ積立を続けるのがよいでしょう。
一方、成長投資枠は投資信託だけでなく個別株やETFにも自由に投資が可能です。
また、毎月積立だけでなく一括購入もできるなど自由度が高く、投資に回せるお金がたっぷりある人はぜひ活用したい制度です。
長期投資のリターンというのは、「リスク資産の保有額 x 保有期間」でほぼ決まってしまいます。
そうであれば、今が株高か、円安かなどといった細かいことを考えるのではなく、シンプルに自分のポートフォリオに十分株式が組み込まれているかを考えた方がよいです。
NISA成長投資枠は年間240万円まで活用できますので、もし株式比率が全然足りないのであれば、成長投資枠で一括投資することである程度解決できますね。
まとめ
株式比率の目安、「100 - 年齢(%)」についてご紹介しました。
今30歳の人だと適正な株式比率は70%となり、予想以上に高いと感じる人が多いと思います。
この機会にぜひご自身のポートフォリオを見直してみてはいかがでしょうか?
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株価が好調な時はどうしてもリスクを取りすぎてしまいますが、調子が良い時ほど「航路を守る」ことを意識しましょう。
拙著にかけた思いを記事にしました。
毎日ブログを書いているとはいえ、一冊の「本」という形にまとめるのは思いの外大変でした。
出版社や編集者の方の協力に報いるためにも、一人でも多くの人に読んでいただければ幸いです。