おはようございます。
当ブログの50代の読者の方から、iDeCoとつみたてNISAの活用法について以下のご質問をいただきました。
ちゅり男先生、はじめまして。のんと申します。
現在52歳の公務員です。
投資初心者で、少々遅きに失した感はありますが、ただいま勉強中で貴ブログに辿り着きました。
今は異動で別職場ですが、以前公立病院の事務職だったこともあり、興味深く読ませて頂いております。
年金先細りの補完目的でiDeCoとつみたてNISAをSBIか楽天(もしくは両方)で検討しています。
そこでお訊ねしたい件があります。
1.iDeCoでの商品選択
積立金額の低さ・60歳までの期間の短さから、あえてリスクを取って、楽天VTIかeMAXIS Slim S&P500のどちらか1本を検討中です。
受取年齢になっても状況次第で運用を続ける事も視野に入れています。
2.つみたてNISAでのリバランスを考慮した商品選択
つみたてNISAでは、上記全米株式のどちらかに加えて、債券の商品を信託報酬率の低いものを組合せ(株60:債券40程度で)、と思っていました。
しかし、リバランスについては(調べた範囲内では)つみたてNISAのルール内でできないことはないようですが初心者にとっては難しいのではないか?と思うに至りました。
そこで候補に挙がったのは、楽天バンガード均等型(50:50)です。
理由は8資産均等などは自分にとって不要なものが入っていると感じる事、株式に関して地域別で日本が入っているのは好みではないが小型株式も含まれる点にちょっと興味があります。
あとはこれ1本ならほったらかし運用ができる点も初心者向きかなと思っています。
まとまりのない文章で恐縮ですが、上記の考えについてのご意見ご感想ありましたら、ご教示いただきたく、よろしくお願いいたします。
ご質問ありがとうございます。
おおむねお考えの通りで問題ないかと考えますが、少し補足を交えながら検討してみたいと思います。
50代からのiDeCoとつみたてNISAの活用法
iDeCoでの商品選択について
職業が公務員ということですので、iDeCoの投資可能枠は12,000円/月かと思います。
年収にもよるのですが、一般的に30%程度の節税効果が得られると思いますので、金額が少ないこととあわせ、株式100%のポートフォリオで組むことには妥当性があります。
楽天VTI、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)はどちらも同程度に優れた商品で甲乙つけがたいです。
信託報酬は楽天VTIが0.162%、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が0.0968%なので後者が有利ですね。
現状では、iDeCoで楽天VTIが購入できるのは楽天証券だけ、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が購入できるのはSBI証券のセレクトプランとマネックス証券です。
つみたてNISAでのリバランスを考慮した商品選択について
ご指摘の通り、NISAやつみたてNISAはその制度上リバランスをすることが難しいです。
iDeCoと異なり、いつでも売却可能ですので資金拘束のリスクはないのですが、一度利用した非課税枠の再利用ができないからです。
例えば、ある年に40万円分の株式ファンドを購入してつみたてNISA枠を消費したあとに、そのうち10万円分だけ売却して別の債券ファンドを買い付けるということができません。
よって、ある程度年齢が進み、投資可能期間が短くなるにつれてリスク管理を初めから意識した資産配分を設定する必要があります。
自分のリスク許容度がどの程度かに照らし合わせて考える
結局は、暴落時にどの程度の最大ドローダウンまで許容できるかが重要です。
リーマンショックなどの過去の大暴落の経験に照らし合わせますと、
1) 株式ファンド:ドル建てで50%程度、為替も含めて60%程度の下落
2) 外国債券ファンド:ドル建てで10%程度、為替も含めて20%程度の下落
を想定しておけばよいと思います。
問題点としては、つみたてNISAに採用されている商品の大半は株式ファンドで、債券単独を買い付けるファンドがありません。
よって、リスク調整のために債券入りのポートフォリオを組むためには、必然的にバランスファンドを選択することになります。
楽天・インデックス・バランス・ファンドはよい商品だと思いますが・・・
全世界の株式市場と投資適格債券に一本で投資が可能な楽天・インデックス・バランス・ファンドは、年配の方がつみたてNISAで投資するのに適していると思います。
一般論としては、ポートフォリオ内の株式割合は「100 − 年齢(%)」が理想とされますから、50代の方ならば株式50:債券50の「均等型」がおすすめです。
なお、本商品の債券部分は為替ヘッジされている点を申し添えておきます。
楽天・インデックス・バランス・ファンドの懸念点
一方、心配な点としては、
1) 今後順調にファンド純資産総額が増えていくか(要するに売れるか)
2) 実際の運用コストがどの程度か
という2点が挙げられます。
1)に関しては、2019年11月時点で純資産総額が約5.2億円しかなく、率直に言って売れていないと言えるでしょう。
発売されてから1年以上が経過してわずか5億円というのは心配ですね。
また、純資産総額が順調に増えていかなければ実際の運用成績も安定してこない可能性が高いです。
よって、見かけの信託報酬以上に実質コストが高くなる可能性もあり、注意が必要でしょう。
まとめ
iDeCoは投資可能枠が限られることと、確実に節税効果が得られる分、株式の配分を高めに設定しても面白いと思います。
つみたてNISAに関しては、口座内で自由にリバランスというのは難しいので、初めからバランスファンドを選択することには妥当性があります。
【おすすめ証券会社】
証券会社に関しては、迷ったらSBI証券か楽天証券を選びましょう。
SBI証券は、業界最大手であり、2018年11月から開始するiDeCoのセレクトプランの商品ラインナップが魅力です。
楽天証券は、iDeCoで楽天VTIや楽天VTが買い付けられることと、独自のポイントシステムが魅力です。
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