おはようございます。
2022年4月に入って急激な円安が進んでおり、「1ドル=128円前後」で推移しています。
ここまで急激に円安が進行するのは私の記憶にもなく、まさに異常事態と言えるでしょう。
この急激な円安を踏まえ、当ブログの読者から以下のご質問をいただきました。
ちゅり男様 いつも有益な情報ありがとうございます。
毎朝の7時にブログを拝見するのが日課となっております。
現在の円安状況での資産運用について、ちゅり男様のお考えを教えて頂ければ幸いです。
当方、地方のサラリーマンで家族構成は(私30代会社員・妻30代会社員・子供10歳・8歳) になります。
私・妻ともideco・積み立てnisaを満額で運用をしており、子供の分についてもジュニアnisa をフルに活用しております。
生活防衛資金を除いて、資産運用で動かせる資金が1,000万円ほどあります。
インデックス投資で老後の資産形成をしつつ、配当金目的で米国ETFの購入を考えているのですが、現在の急激な円安状況をみると米国ETFの買い付けに二の足を踏んでいる状況です。
このような円安状況についてちゅり男様ならどのような立ち回りをするか、図々しくも教えて頂ければと思います。
宜しくお願いいたします。
ご質問ありがとうございます。
結論から申し上げますと、株価の変動も為替の変動も我々素人に分かるはずもないため、あまり気にしすぎず積立投資を継続するのが正解だと思います。
今回の急激な円安から学ぶべきことは、「100%円建て資産しか保有していない状況もまたリスクである」という事実です。
100%円建て資産しか保有していない状況もリスクである
本日の記事の要点は以下の通りです。
1. 投資信託であっても外国株であれば円安の影響は受けている
2. 為替の変動は株価以上に予想がつかないことを受け入れる
3. 1,000万円を一気に投入する局面ではないが、積立投資ならば問題ない
以下1つ1つ掘り下げてみていきます。
1. 投資信託であっても外国株であれば円安の影響は受けている
国内の投資信託であってもそれが外国株に投資をするものであれば為替の影響は受けています。
ドルやユーロに両替する必要がなく、円のまま購入できるのでその事実に気が付きにくいというだけです。
それはeMAXIS Slim米国株式(S&P500)とVOO(S&P500 ETF)のチャートを比較すればすぐに理解できます。
以下はVOOの1年チャートです。
VOOの株価はドルで表示されますが、米国株投資家の皆さんならご存知の通り、2022年初めに史上最高値441ドルを記録した後は調整局面にあります。
この株価調整はロシアのウクライナ侵攻など様々な要因が考えられます。
次にeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の1年チャートを見てみますと、先ほどのVOOのチャートとは大きく異なることが分かります。
VOOの株価(ドル)は2022年2月以降は軟調であるにも関わらず、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の基準価額は史上最高近くを行ったり来たりしています。
これは円安が急激に進んだ影響で、ドルベースでは株価が上昇していないにも関わらず、円に換算されて表示される投資信託の基準価額では一見上昇しているように見えることを示しています。
2. 為替の変動は株価以上に予想がつかないことを受け入れる
今現在は、円安が急激に進行している影響でeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の基準価額が実際の株価よりも上がっているように見えることが分かりました。
これは、逆に円高に振れた場合、投資信託の基準価額はドルベースの株価下落よりも大幅に下る可能性があることを意味しています。
我々日本人が外国株に投資をする場合、このように株価の上下動だけでなく為替の上下動の影響は避けられないものです。
そして、為替の変動というのは、国どうしの金利差や政治的な思惑なども絡んで複雑に動きますので正確に予測することは専門家であっても不可能です。
よって、我々個人投資家としては、外国株投資に対して為替の変動が与える影響を正確に理解したうえで、各個人のリスク許容度の範囲内で淡々と投資を継続するしかありません。
3. 1,000万円を一気に投入する局面ではないが、積立投資ならば問題ない
円安が急激に進行している今現在、1,000万円というまとまった資金を一気に投入するのは心理的な抵抗感もあるでしょうし、リスクも高いのでおすすめできません。
しかし、為替が今後さらなる円安に進むのか、いったん円高に戻るのかが誰にも予測できない以上、為替のことを気にしすぎるといつまでも投資行動が起こせないというリスクがあります。
今回の経験から個人投資家が学ぶべきことは、「円建て資産だけを100%保有し続けることもリスクが高い」という事実です。
米国株や全世界株に分散投資をすることは、株というアセットが歴史的に最も高いリターンをもたらしてきたという事実に賭けるだけでなく、保有通貨を分散することで為替が円高に振れても円安に振れても対応可能な状況を作ることになります。
まとめ
1つの個別銘柄に集中投資することが危険なのと同様、日本円という1つの国の通貨だけに集中投資することもまた危険です。
株式も分散、通貨も分散を心がけましょう。
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