おはようございます。
私自身もブログを始めて8ヶ月が経過しました。
医者のくせに医学の話はほんの少しで、大半は資産形成やお金の話ばかりしていますが、こんなブログでも読んでいただける方が徐々に増えてきており、読者の方には心から感謝申し上げます。
さて、本日は私が投資本や投資ブログを読む時に、どのような点に注目して読んでいるか、ご紹介したいと思います。
その投資本や投資ブログは再現性のある手法を紹介していますか?
原則1. 自分の成功体験を書いてあるだけの本やブログは無価値
まず大前提として、自分の成功体験を羅列してあるだけの本やブログは無価値です。
特に、「3年で億万長者になった」など、短期間に大成功をおさめたケースが紹介されている場合、その手法の多くは再現性がありません。
つまり、本を読んでその手法を真似して実践すれば同じように成功できるわけではなく、参入するタイミングを間違えるとかえって大やけどをする可能性が高いです。
たまたまうまく時流に乗ったから成功した、というケースが大半だからです(起業などは別です。あくまで株式投資の話です)
世の中では、成功者がたくさん生まれる時期というのが定期的に訪れますが、そういった方は本人が意識しているか意識していないかは別として、うまく時流に乗れたから成功したのです。
逆に、どれだけ才能がある人でも参入時期を間違えると失敗する可能性が高いです。
投資においては、「この本は書いてある内容がちょっと地味だな」と思う本の方が、良書であることが多いです。
原則2. 過去の失敗談が紹介されている場合は大いに参考にしよう
投資で勝つための鉄則として、先人たちと同じ過ちを繰り返さないということが挙げられます。
再現性のない成功体験を読むよりも、過去の失敗談やそこからの教訓を読んだ方がためになることが多いです。
過去の失敗から学び、同じ地雷を絶対に踏まないように気をつけましょう。
幸い、近年では良質な投資ブログがどんどん増えてきており、中には本よりも優れた情報を提供しているサイトもあります。
ブログは情報の網羅性に欠けますので、まずはきちんとした本を数冊読んで勉強することをおすすめしますが、その後はブログで知識を広げるのも有用でしょう。
原則3. 再現性のある手法かどうかという点が重要
投資初心者でも簡単に実践可能な手法が紹介されているか?というのも重要です。
プロにしか実践できない手法を紹介している本は、読み物としては面白いですが、読んだ後に実践できなければ現状は何も変わりません。
医者の世界も同様です。
超一流の外科医にしか遂行できない特殊なopeが存在し、そういった医者は手術のために世界各国を飛び回っているケースがあります。
もちろん、超一流の外科医にしか救えない患者は世の中に存在しますので、そういった医者の存在は貴重です。
しかし、一人の名医が救える命の数は限られています。
その難しいopeを、ごく普通の外科医でも実践できるレベルまで落とし込むことができて始めて、本当の名医と言えるのかもしれません。
医学の世界では、どんな医者でも標準的な治療が実践できるように、主要な疾患に関してはガイドラインが作成されています。
投資初心者が読むべき本は、そういったガイドラインに近い情報を提示している本ではないでしょうか。
リスクについても適切に評価されているか?
本やブログの中で、投資手法の良い点ばかりが羅列されている場合には注意が必要です。
どんな優れた投資手法にもデメリット・リスクは必ず存在します。
むしろ、投資本や投資ブログから学ぶべきはデメリットやリスクです。
投資本を読む時は、どうしても「お金を増やしたい」という気持ちが前面に出るため、その手法の良い点ばかりに目が行きがちです。
また、良い点を強調しなければそもそも本が売れません(悪いことばかり書いてある本は誰も買いません)から、本はどうしても良い点を強調せざるを得ないのです。
無知であった、経験不足であったがために、本来ならば背負う必要のないリスクまで背負ってしまう人は投資では必ず負けます。
20〜30年間という長期投資を考えている個人投資家は、初めの2年や3年で大勝ちする必要は必ずしもありません。
初めは誰もが経験ゼロですので、初めの数年間はインデックス投資などローリスク・ローリターンの投資に励んで、慣れてきたらよりリスクのある投資にチャレンジしていくのも面白いと思います。
まとめ
投資本や投資ブログで紹介されている手法は再現性があるか、また、リスクやデメリットについても適切に評価されているかよく吟味しよう。
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