おはようございます。
当ブログの読者から「米国高配当株ETF投資」について以下のご質問をいただきました。
はじめまして。いつもためになる情報をありがとうございます。
ご質問をさせていただけたらと思います。
現在sbi証券で投資信託をつみたてnisaでフルで運用、特定口座で月5000程度の積み立てと、
外国株ETFでspydとhdvで一定のまとまった金額の運用とsbiネオモバで高配当株30種程度、
iDeCoで月5000円(住宅ローン減税を受けているため掛金を減らしています)の投資をしています。
まだ余剰資金が50万〜100万程度あるのですがこちらの運用タイミングに悩んでおります。
etfの取得単価より株価が下がれば迷いなく買い増しできるとは思うのですが、そうでない場合はまた暴落するまで待つのがよいのか、
他の積み立てなどに回したほうがよいのか何かアドバイスいただけたら幸いです。
ご質問ありがとうございます。
結論から申し上げますと以下の通りです。
1) 株価がいつ暴落するかは誰にも分からないので、インデックス投資のように長期でプラスリターンが期待できる対象であればより早く市場にお金を投下するのが合理的です
2) SPYDやHDVなどの高配当株ETFは配当収入によりキャッシュフローを改善させる効果は高いですが、大きなスケールで実践しないと効果を実感できません
3) SPYDやHDVなどの高配当株投資は、トータルリターンではVTIに劣後する可能性があります
SPYDやHDVなどの米国高配当株ETFの魅力とデメリット
1. インデックス投資であればできるだけ長期間運用することが重要
2023年4月現在、株価は不安定な状況が続いており、どのタイミングでまとまった資金を投入すべきか悩ましいですね。
この後さらなる暴落が来たとしても暴落の底は誰にも正確に読めませんので、どのタイミングで資金を投入すべきかという問題には永久に結論がでないことが分かります。
インデックス投資ならば、長期的に市場が伸び続けることを期待して投資するわけですから、理論上はより早い段階で資金を投入して長期間運用するのが合理的です。
よって、今現在の相場に関わらず50万〜100万円ならば一括で資金を投入してもよいかと思います。
もちろん、これは手元資金が1,000万円であったとしても理論上は同じ話です。
しかし、仮に1,000万円を一括投資した直後に暴落に巻き込まれたとすると、その精神的なダメージは100万円の時とは段違いに大きくなります。
よって、投入金額が大きい場合には、どうしても心配ならば複数回に分けて投資してもOKです。
2. 高配当株ETFはキャッシュフローを改善させるが大きなスケールで実践する必要あり
高配当株ETFの魅力は、配当収入によりキャッシュフローを改善させる点にあります。
不労所得を得るというのは誰にとっても夢のような話ですから、高配当株に根強い人気があるのも理解できます。
一方で、HDVやSPYDのような米国高配当株ETFの場合、現地と日本国内の二重課税になりますので税効率は悪いです。
SBIネオモバイル証券は1株単位(単元未満株)で株が購入できるため、手元資金に余裕がなくても多数の銘柄を少額ずつ購入できることが魅力です。
その一方で、高配当株投資のメリットを最大限に活かすには、それ相応のスケールで投資することが求められます。
100万円くらいのスケールで高配当株投資を実践したとしても、得られる配当金は微々たるものですから効果を実感しづらいです。
これらの点を総合しますと、米国高配当株ETFとSBIネオモバイル証券にあれこれ手を出す必要は必ずしもなく、むしろいかに早く雪だるまの芯を大きくするかに集中した方がよいでしょう。
3. 高配当株ETFはトータルリターンではVTIに劣後する可能性あり
私個人の意見では、HDVやSPYDなどの高配当株ETFは、高い配当利回りという魅力はあるもののトータルリターンではVTIに劣後する可能性が高いです。
コロナショック後の昨今のトレンドを考えますと、長期投資を前提とした場合、グロース銘柄をあえて外して高配当株に固執する必要性は低いと思います。
よって、私ならば数十年単位の長期目線ならば高配当株ETFではなくVTIを選びますが、最終的にはご質問者様が投資に何を求めるかだと思います。
毎月のキャッシュフローを早く改善したいというのであれば、高配当株ETFへの投資は妥当でしょう。
ただし、そのためには大きなスケールで実践することが欠かせませんね。
まとめ
高配当株ETFは、目先のキャッシュフローを改善することができるため、どんな時でも一定の人気があります。
トータルリターンではVTIなどのインデックスに劣後する可能性がありますが、最終的には各個人が何に重きを置くかが重要です。
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1. 敗者のゲーム(チャールズ・エリス著)
チャールズ・エリス氏の名著『敗者のゲーム』です。
投資においては、あれこれ余計な手を加えれば加えるほど負ける確率が高まることがわかります。
2. インデックス投資は勝者のゲーム
インデックスファンドの生みの親であるボーグル氏の著書です。
VTIまたはVOOとBNDを組み合わせて保有するのが最強という結論です。
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