
おはようございます。
投資信託の基準価額って分かりにくいですよね。
私も最初の頃は「基準価格」だと思っていたくらいで、「基準価額」のことを深く考えていませんでした。
私のように投資ブログを運営している人は別として、世の中の大半の人は「オルカン」や「S&P500」の基準価額など見ない方が健康に良いです。
— ちゅり男/医師・投資ブロガー (@churio777) March 9, 2024
株価がどうなろうが毎日の生活が急に変わるわけではないので、もっとゆったり相場と向き合うのがよいでしょう。
投資信託の基準価額というのは、その商品が設定された日(発売日)を1万円とした時の現時点の相対的な価格です。
純粋な株価とは異なり、発売されてから今までに何倍になったか(逆に何分の1になったか)を見る数値だと言えます。
投資信託の基準価額は「1万円を基準とした相対的な価格」—長期投資では気にしすぎないことが大切
基準価額とは?投資信託の「1日1回の価格」
投資信託は取引所に上場していないため、個別株やETFのようにリアルタイムで取引できず、1日1回算出される「基準価額」をもとに売買されます。
「基準価額」とは投資信託の値段のことです。
投資信託の単位は「1口」など口数で表され、多くの投資信託の基準価額は1万口あたりの金額で表示されています。
投資信託の運用開始時点の価格は「1口=1円」なので、基準価額は1万円からスタートします。
その後、投資信託の運用成果によって基準価額は日々変動します。
基準価額は「純資産総額」を「総口数」で割ることで計算できます(下図参照)。
基準価額の高い、安いは投資信託の質とは無関係
基準価額の高い、安いで投資信託の優劣をつけることはできません。
株価が大暴落した時に新規設定された投資信託の場合、その時の基準価額が1万円でスタートします。
その後株価が速やかに回復した場合、基準価額は一気に上昇することになります。
似たような投資信託でも、株価が好調な時に発売され、発売直後から株価が急落した場合、基準価額は1万円を大きく下回ります。
基準価額というのは発売時点を1万円とした相対評価なので、発売時期の違う商品の基準価額を比べることはできないことに注意しましょう。
株価と異なり、基準価額にはタイムラグがある(ブラインド方式)
証券取引所に上場している株式やETFの場合、市場が開いている時間帯は株価が刻一刻と変動し、リアルタイムで表示されます。
一方、投資信託の基準価額は絶えず値動きするものではなく、1日1回だけ市場の取引終了後に公表されます。
基準価額は、投資信託の販売会社や運用会社、投資信託協会のホームページなどから確認することができます。
基準価額の公表は投資信託の申し込みを締め切った後なので、投資家は買い注文を出した時点では基準価額が分からない状態で取引することになります(下図参照)。
これを「ブラインド方式」と言います。
基準価額が公表された後に取引ができてしまうと、すでに投資信託を保有している投資家の利益が損なわれるためブラインド方式を採用しているのです。
長期インデックス投資では毎日の基準価額チェックは不要
このように大変複雑で分かりにくい「基準価額」ですが、自分が投資している商品の基準価額は頻繁にチェックする必要があるのでしょうか?
結論から申し上げますと、eMAXIS Slimシリーズなどの低コストインデックスファンドに長期投資する場合、全く見る必要がありません。
インデックス投資家が見るべきなのは、毎日の基準価額の変動ではなく、20年〜30年後のより大きな投資成果です。
株式投資は短期的にはゼロサムゲームなので、大儲けした人の裏には損失を被った人が必ず存在します。
毎日の基準価額を気にしすぎると、どうしても短期目線になりやすく、勝つか負けるかが完全に運次第のゲームに参加してしまうリスクがあります。
見るなら「長期のトレンド」だけで十分
基準価額を見るならば、より長期のトレンドで見ましょう。
たとえば、今人気のeMAXIS Slimオール・カントリーやS&P500であれば、発売から6年の間、基準価額は上下動しながらも順調に増えてきたことが見てとれます。
■ eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の基準価額の推移
このように長期で伸び続けている可能性が高いファンドに投資すれば、あとはほうっておくだけでOKなんですね。
まとめ:基準価額は気にしすぎず、20年後の成果を見よう
長期インデックス投資の場合、投資信託の基準価額を毎日のように気にしても意味がありません。
5年後〜10年後に伸びていればOKくらいに気楽に考えましょう。
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