おはようございます。
当ブログの読者から以下のご質問をいただきました。
「住宅ローン一括返済かインデックス投資をするべきか」
いつも楽しく拝見させていただいております。
40歳男性の地方公務員です。
相続によって3500万が入ることになりましてお題どおりどうするべきか考えており、ちゅり男さんの考えをききたいと
住宅ローン残債 1800万 変動金利0.8%
(新築で購入し住宅ローン減税期間は終了しました。)
地方の県庁所在地です。不動産価格は毎年下落している状況。
保有資産 共済貯金160万
積立NISA eMAXIS Slim オールカントリー 楽天VTI など100万 個別株 2銘柄 20万
家族構成 自分40歳 妻43歳 子(中3)子(小5)
世帯年収 700万
案1 3500万から住宅ローン残債1800万を一括返済し残りの1700万を特定口座でインデックス投資(eMAXIS Slim オールカントリー)をする。 毎月の住宅ローン返済にあてていた額を夫婦で積立NISA満額投資しコツコツと資産形成をしていく。
案2 低金利なので住宅ローン返済をそのまま継続し、3500万を特定口座でインデックス投資(eMAXIS Slim オールカントリー)する。住宅ローン返済があるので積立NISA1人分は満額は継続する。
お時間のある時でいいので考えを聞かせていただければ幸いです。
いつも勉強になるブログをありがとうございます。今後も楽しみしています。
ご質問ありがとうございます。
結論から申し上げますと、案2の「低金利が続く限りは住宅ローンは一括返済せず、相続金はインデックス投資へ回す」のが正解です。
本日はその理由を考察します。
日本の住宅ローンはうまく活用すれば「良い借入金」になる
本日の記事の要点は以下の通りです。
1. 日本の住宅ローンは超低金利であり「良い借入金」に分類される
2. 低金利なので住宅ローンは一括返済せずインデックス投資に回すとよい
3. 住宅ローン返済があってもつみたてNISAは夫婦で満額活用したい
以下1つ1つ掘り下げてみていきます。
1. 日本の住宅ローンは超低金利であり「良い借入金」に分類される
初めに、日本の住宅ローンの借入条件は他国では考えられないほど条件がよいです。
「借入金=悪」とイメージされがちですが、住宅ローンに関しては例外的に「良い借入金」と言えるでしょう。
もちろん、最高なのは資産価値が下がりにくい、もしくは上がる可能性が高い立地の物件を住宅ローンという超低金利の優良借入金で手に入れることです。
一般的に不動産は流動性が低い(好きなタイミングで売買がしにくい)のが弱点ですが、資産価値が高い家に関しては流動性が高く売却益を得るという出口戦略も考えられるからです。
しかし、超高齢化社会、人口減少社会へ一直線の日本において、三大都市圏や政令指定都市の限られた立地の物件以外は資産価値の上昇は望みにくいです。
文面にも「不動産価格は毎年下落している状況」とありますので、不動産を売却して利益を得るという戦略は成り立ちません。
よって、今回のケースではマイホームにこのまま住み続けながらいかに資産形成を効率よく進めるかがポイントになります。
2. 低金利なので住宅ローンは一括返済せずインデックス投資に回すとよい
固定金利でなく変動金利ですので、将来の金利の変動については読めませんが、今のような超低金利が続く限り住宅ローンは一括返済せず借り続けるのがよいでしょう。
よって、案2の「低い金利でできるだけ長く借りて、余剰資金はインデックス投資に回す」
これが正解だと思います。
10年〜20年という長期スパンでみた場合、「住宅ローンの金利<インデックス投資の平均利回り」となる可能性が高いからです。
ただし、借入金が残っていると心理的に気持ち悪いという方もいるでしょうから、そういったケースでは先に住宅ローンを返済してもかまいません。
3. 住宅ローン返済があってもつみたてNISAは夫婦で満額活用したい
相続の3500万円を住宅ローンの残債にあてないケースでも、つみたてNISAは夫婦で年間80万円満額活用しましょう。
3500万円を住宅ローンの返済に利用しないだけで、手持ちに現金はたくさんあるのですからつみたてNISAなどの非課税口座を利用しない手はありません。
理論的には一括投資でもよいのですが、さすがに3500万円を一括投資というのは仮に暴落にあった時に精神的によくありません。
つみたてNISA用の現金は手元に残しつつ、適宜投資タイミングを分散しながら特定口座でeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を購入するのがおすすめです。
ジュニアNISAに関してはお子さんの年齢も中学3年や小学校5年と比較的高いので無理して利用しなくてもよいでしょう。
まとめ
日本の住宅ローンはありえないほど金利が低く、住宅ローン減税などの補助もあるためうまく活用すれば資産形成の助けになります。
その一方で、資産価値の下がりにくい物件を探すのは年々難しくなってきていますね。
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1. 株式投資(ジェレミー・シーゲル著)
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