
おはようございます。
投資初心者にとって、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)やS&P500などのインデックスファンドが投資の最適解だと思います。
ところが、実際に「オルカン」や「S&P500」とじっと保有し続けたり、毎月欠かさず追加投資している人は思いの外少ないです。
インデックス投資を続けるのは意外に難しい。
— ちゅり男/医師・投資ブロガー (@churio777) March 16, 2024
株価上昇局面では「もっと魅力的に見える銘柄」がたくさんあるし、
下落局面では「インデックスでもそれなりに下がる」からです。
「全然ダメじゃん!」と思われるかもしれませんが、投資なんてそんなものですよ。
その原因として、
1) 株価上昇局面では「オルカン」よりもずっと魅力的な銘柄がたくさんあること
2) 暴落局面では「オルカン」や「S&P500」でも30%〜40%下落すること
3) そもそも人間の脳は30年〜40年後の遠い将来に向けた行動をするのが苦手であること
などが考えられます。
本日はどうやったらインデックスファンドを長期保有し、十分なリターンを得られるか検討します。
なぜ多くの人はオルカンやS&P500のインデックス投資を続けられないのか?
株価上昇局面では「もっと魅力的に見える銘柄」が現れる
私たち個人投資家の資産形成の軸になるのは、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)や楽天・オールカントリーなどの低コストインデックスファンドです。
全世界株インデックスファンドを保有することで、特定の個別株や国に集中投資することによるリスクを軽減し、シンプルに「市場リスク」だけをとるのが初心者には最適だからです。
ところが、実際に「オルカン」への投資をずっと続けている人は思いの外少なく、多くの方が他の投資法へ浮気してしまうのです。
それにはいくつか理由がありますが、1つ目の理由として、「株価が好調な局面ではオルカンより魅力的な銘柄が続々と登場するから」でしょう。
たとえば、2023年〜2025年にかけてはマグニフィセント・セブンを中心とする米国大手IT銘柄が相場を牽引してきました。
特に、NVIDIAのリターンは圧倒的で、過去5年チャートを見ると「オルカン」や「S&P500」を保有しているのが馬鹿らしくなるレベルです(チャートは青がNVIDIA、黄色がS&P500、水色がVTです)。
NVIDIAだけ保有しておけば一発で大金持ちになれる気さえ起きてきます。
まぁ実際にはNVIDIAを長期ホールドするのはよほどの胆力がある人にしか無理なので、初心者は素直に「オルカン」や「S&P500」にしておくのが正解です。
他に魅力的に見える投資先があっても、「その商品は本当に自分に合っているか?自分はそのリスクに耐えられるのか?」を冷静に考える必要があります。
暴落時にはインデックスでも30〜40%下落する
インデックス投資が長続きしない2つ目の理由は、「オルカンやS&P500などの主要なインデックスであっても、暴落時には30%〜40%平気で下落するから」です。
世界全体の金融危機が発生した場合、いくら「オルカン」や「S&P500」に超優良企業が集結しているとは、株価下落は避けられません。
正しくは「オルカンやS&P500だからたった30%の下落で済んでいる」わけであり、個別株の中には上場廃止や倒産に追い込まれる企業も多数存在します。
ところが、多くの人は、
「インデックス投資なら安心・安全だと思っていたのに30%も下落するなんて聞いていない!」
「毎日のように株価が下がるので怖くなって売ってしまった」
といった余計な行動を起こしてしまいます。
こういった事態を防ぐためには、単に「オルカンやS&P500は人気でみんなが買っているから」という理由で買うのをやめる必要があります。
インデックス投資の基礎理論から勉強し、正しい知識を身につければ、インデックス投資に過度な期待を抱くこともなく、暴落時も落ち着いて対処できるようになります。
人間の脳は「長期的な報酬」を想像するのが苦手
インデックスが長続きしない3つ目の理由は、「そもそも人間の脳は短期的な成果を求める性質があり、20年〜30年後の遠い将来を見据えて行動するのが苦手だから」です。
そもそも、80歳〜90歳の超高齢になったらどうするかといった心配が必要になったのは、ここ数十年に限られた事態です。
それまでは「人生30年」「人生50年」が常識であり、30年〜40年後の遠い未来のことを想像する必要すらありませんでした。
「明日の分の食料をどう確保するか」「今月の給料はちゃんと稼げるのか」といった近い未来のことの方がはるかに重要だったわけです。
ところが、公衆衛生や医療技術の急速な発展により、平均寿命があっという間に伸びて「人生100年時代」が到来しようとしています。
しかし、人間の体や脳の構造がすぐに変わるはずもありません。
よって、「人生100年時代」が来たからといって、いきなり40年〜50年後の遠い将来のことを考えて、若い時から勤倹貯蓄に励み、コツコツ投資しましょうと言われても大半の人には無理なのです。
論理的に考えれば若い時からコツコツ長期投資に励むのが有利であるにも関わらず、多くの方がギャンブル要素の強い短期投資に突っ走ってしまう背景にはこうした理由が考えられます。
まとめ:インデックス投資を「続ける力」こそが最大の武器
インデックス投資は一見簡単に見えますが、実際に10年〜20年にわたってコツコツ続けられる方は思いの外少ないです。
成果が出るまでに時間がかかるうえ、他に魅力的に感じる投資先がたくさんあるため、インデックス投資だけを続けるのは意外に難しいのだと思います。
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