おはようございます。
以前に楽天証券の「NISA投資信託ランキング」をご紹介しましたが、楽天証券に限らず、ほとんどの証券会社でeMAXIS Slimオール・カントリーとS&P500がトップ2になっています。
このように、「オルカン」と「S&P500」の二強は多くの投資家から広く支持されており、それ自体は大変素晴らしいことです。
しかし、「皆が買っているから」という理由だけで思考停止でオルカンやS&P500を買うのは少々危険だと思います。
eMAXIS Slimの「オルカン」や「S&P500」が優れた商品なのは間違いないけれど、一応「目論見書」は一通り読みましょう。
— ちゅり男/医師・投資ブロガー (@churio777) March 11, 2024
自分が投資する商品について知識を持つのは、余分なリスクを回避するため必須です。
バフェットも「リスクは自分の行動に対する無知から生じる」と言っています。
オルカンやS&P500は世の中に無数にある金融商品の中でも、トップクラスに優秀な商品ですが、それでも株式の集合体に投資するわけなのでかなりのリスクがあります。
最低でも「目論見書」を一通り読み、自分が投資する商品がどのような商品なのか理解しておく必要があるでしょう。
eMAXIS Slimオール・カントリー、S&P500、楽天・オールカントリーなどの新NISAで人気商品でも「目論見書」は必ずチェックを
投資信託の情報を得るなら「目論見書」を読もう
伝説の投資家ウォーレン・バフェットも「リスクは自分の行動に対する無知から生じる」という名言を残しています。
どんなに優れた商品に投資する場合でも、その中身を投資家自身がきちんと理解していなければ危険な商品になるのです。
では、私たち個人投資家は何をチェックすればよいのでしょうか?
もちろん、ブログやSNSで情報収集するのもよいですが、やはり一度は投資信託の「目論見書」を読むべきでしょう。
目論見書を読めば、自分が投資する商品の内容やコスト、これまでの運用状況は一目瞭然です。
「オルカン」の目論見書はどこから読める?
実は、これまでに一度でも投資信託を買ったことがある人ならば、必ず「目論見書」の画面は表示されています。
しかし、実際にはほとんど読まずにスキップできますので、大半の方は適当にスクロールして注文画面に進んでいるかもしれません。
目論見書は投資信託の商品ページからアクセスできます。
ここでは、楽天証券とSBI証券の「オルカン」の商品ページのどこから目論見書を入手できるかご紹介します。
まずは楽天証券です。
以下が楽天証券の「オルカン」の商品ページですが、基準価額や純資産総額などが示されているグラフの下に「目論見書」とクリックする場所があります。
そこから進み、最新版の目論見書を入手して読んでおきましょう。
■ 楽天証券のeMAXIS Slimオール・カントリーの商品ページ
次にSBI証券です。
以下がSBI証券の「オルカン」の商品ページで、文字が小さいので見づらいのですが、右側の「純資産」が書かれている部分の上に「目論見書」とクリックできる場所があります。
同様に、最新版の目論見書を入手して読んでおきましょう。
■ SBI証券のeMAXIS Slimオール・カントリーの商品ページ
「目論見書」の主なチェックポイントは?
目論見書には様々な情報が含まれていますが、ファンドの特色、投資リスク、運用実績、手数料の項目は購入前に必ずチェックしましょう。
ざっと主な図を眺めるだけでも、以下のような情報が簡単に入手できます。
まずは「オルカン」の投資対象国や地域です。
世界中の47カ国に広く分散投資しており、その9割近くが先進国で、新興国は1割程度に過ぎないことが分かります。
■ 先進国23カ国、新興国24カ国に広く分散投資
次に基準価額と純資産総額ですが、どちらも順調に伸び続けていることが分かります。
基準価額は相場次第なのでオルカン自体にどうにかなるものではありません。
一方、純資産総額の伸びは「多くの投資家から支持され続けているか」の指標であり、大変重要です。
あまりに人気がない商品は繰上償還となるリスクがあるからです。
■ 基準価額、純資産総額ともに順調に伸び続けている
「オルカン」の年間収益率の推移も載っています。
これを見ると、オルカンと言っても年によって収益率には大きな差があり、マイナスリターンの年も3年に1回程度見られます。
為替が円安傾向なのでマイナスリターンが小さく見えますが、円高に向かえばもっとマイナスが拡大する可能性があることも考えておきましょう。
■ オルカンの年間収益率は年によって大きさ波がある
最後にオルカンのコストです。
これは様々なブログやSNSで取り上げられており、今更言うことはありません。
信託報酬0.05775%は非常に優秀ですし、しかも純資産総額に応じて信託報酬が少しずつ引き下がる仕組みになっています。
コストに関しては完璧ですね。
■ オルカンのコストは純資産総額に応じて引き下がる
まとめ
新NISAが始まってから、「オルカン」や「S&P500」の人気はどんどん高まっています。
一方で、「みんなが買っているから」という理由だけでオルカンやS&P500を買うのは危険です。
目論見書に目を通し、自分が投資する商品の内容をよく知っておくことが重要です。
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