おはようございます。
Twitterで下記の本がおすすめされていたので、早速購入して読んでみました。
私は、基本的に他人がおすすめしている本はとりあえず買って読んでみる派です。
初めの10分だけ読んで読むのをやめることも稀にありますけれども、それは仕方のないことです。
Kindleが普及して以来、他人がおすすめしている本がその場でワンクリックで購入できるようになって大変うれしいです。
この本めちゃくちゃ面白かった。
— マナ@仮想通貨 (@1000crypto) 2018年3月24日
商店街守るために、中心地に大手複合商業施設の建設を規制した結果、商店街が衰退していった例とかいろいろ勉強になる。
規制で中心地が衰退、規制で中心地が衰退。
官僚様、規制は目先の事よりもっと先のこともよく考えてお願いします。https://t.co/ggKlS2Wqvb pic.twitter.com/iHgLsX6d43
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- 価格: 1,728円
『福岡市が地方最強の都市になった理由』のレビューです
まちづくりは「常識」を疑え
著者は、まちづくりには下記のような様々な「思い込み」が存在し、これらの思い込みが逆に都市を衰退させる可能性があると言います。
まちづくりの「思い込み」の具体例
・人口が増加すれば、地方が抱えている問題が解決する。
・他都市の成功事例を、そのまま実現すればうまくいく。
・まちづくりは、自治体が主体になって取り組むべき。
・国から予算をもらうために最善を尽くす。
・自分のまちは不便だから、発展するわけがない。
・市民ワークショップを開催されば、間違いのないまちづくりができる。
福岡市はこれらの常識を打ち破り、独自路線を突き進むことで都市を発展させてきたわけですね。
まちづくり、地域活性に重要な心構え
次に、まちづくりや地域活性に重要な心構えとして下記を挙げています。
1) 「やれること」ではなく、「やるべきこと」と向き合う
2) 流行りを無視して逆を狙う
3) 量を求めず、利益にこだわる
4) 優秀な人材を役所に集めない
5)「変人」を大切にする
これはまちづくりに限らず、企業などの組織でも重要かもしれませんね。
2)に関しては、流行っている成功事例を国や自治体からの予算で行うと失敗することが多いということです。
流行りを無視して、自分たちの判断と資金で取り組むことが重要だと言います。
また、4)に関しては、優秀な人材は役所に集めるのではなく、民間に集めて「稼ぐ企業」を生み出すことが地域発展につながります。
最後に5)ですが、従来のやり方を破壊する「変人」は、公的な組織の中で煙たがれる存在になりがちですが、実は「変人」こそが地域発展で大切な存在とのことです。
福岡市のまちづくりはどこが「常識はずれ」なのか?
次に、福岡市のまちづくりのどのあたりが常識はずれかという点ですが、著者は以下の5点を指摘しています。
1) 民間主導・民間投資のまちづくり
2) 「競争」と「協調」で強くなる
3) 素早く「撤退」する
4) 周りに流されない
5) 伸びしろがあるのに、伸ばさない
1)に関しては、行政主導の都市開発は一度でも斜陽を迎えると、地元住民が 頑張ってどうにかなるレベルを超えた問題となり、そうなると衰退の道しか残されていません。
一方、福岡市では、電力会社も路面電車も民間が作り上げてきたことから、まちづくりは民間主導で行うものという風土があるようです。
3)に関しては、高度経済成長期に、北九州市に負けない工業都市を目指そうとしましたが、工場の誘致に失敗しました。
そこで、福岡市はすんなりと工業化の道を諦め、傷口が広がる前にスパッと撤退しました。
このあたりは、投資における損切りにも似ています。
大きなあやまちが発生するのは、失敗した瞬間ではなく、失敗しているにも関わらず、撤退の意思決定をしないことで発生します。
「制約」から新たな戦略を考える
上記のように、福岡市は国からの補助に恵まれていたわけではありませんが、民間主導の独自路線でまちづくりを進め、今日まで発展してきました。
不利な状況に置かれたからすぐに諦めるのではなく、「制約」を常識破りの知恵につなげ、まちを強くすることができた好例です。
かつては時代の流れと逆行するために理解されにくかった打ち手の数々が、今日では、他都市も羨むほどの先進的で斬新な取り組みであったと再評価されています。
真の評価というのは後の時代になってみないと分からないものですね。
まとめ
『福岡市が地方最強の都市になった理由』のレビューでした。
福岡市のメソッドはまちづくりだけでなく、医局や企業などの組織の発展にも通じるものがあると思います。
興味がある方はぜひ読んでみてください。
医療や投資とは全く関連ありませんが、視野を広げるために全く異なる分野の本を読んでみるのもよいものです。
こんな記事も書いています。
インデックスファンドの積立投資に関しては、下記の本が情報の最新性、網羅性という点で優れていると思います。著者の投資歴も記載されていますので、大変興味深く読むことができました。
『マンガーの投資術』から学べることは、「座して待つ」ことの重要性です。真のチャンスが来るまで現金ポジションを確保し、粘り強く待てる人は強いのだろうと思います。簡単ではありませんが。
人工知能やベーシックインカムに関する初めの1冊としては、『AIとBIはいかに人間をかえるのか』をおすすめしておきます。広範な内容をうまく一冊にまとめ上げていると思います。