おはようございます。
投資を始めたばかりの方から、「アセット・アロケーションはどのようにすべきでしょうか?」といった内容のご質問をいただくことが増えてきました。
インデックス投資を始めたばかりの方が必ず悩むのが、自分のアセット・アロケーションをどうすべきかということでしょう。
長期投資を前提とした場合、インデックス投資のリスク・リターンは資産配分によって概ね決まるということが言われているからです。
世の中に100%完璧なアセット・アロケーションというものは存在しません
まず初めに知っておく必要があるのは、世の中に100%完璧なアセット・アロケーションというものは存在しないということです。
もし完璧なアセット・アロケーションが存在したら、皆同じアセット・アロケーションになってしまって何も面白くないですよね。
そのアセット・アロケーションが正解であったかどうかは後の時代になってレトロスペクティブに検証してみないと分かりません。
絶対的な正解がないわけですから、自分なりに腑に落ちるアセット・アロケーションになっていればそれでOKとも言えます。
とはいえ、最低限守るべき原則がありますので、本日はそれをご紹介したいと思います。
なお、20年以上の長期投資を前提としていますので、それ以外のケースは当てはまりません。
原則1. 日本人ならば資産配分の主力は海外株にしよう
株式投資の大きな目的の一つに、円建て以外の外貨建て資産を保有するということが挙げられます。
日本に住んでいると気が付きにくいかもしれませんが、これからの時代は自分の総資産が「100%円」というのはそれはそれでリスクです。
日本人に住んで日本の会社で働いている以上、日本円で給料をもらい、銀行には日本円の預金が眠っている状態かと思います。
投資をしていない方は、人的資本(仕事)と金融資産(銀行預金)の100%が円ということになりますが、これこそ実は非常に偏ったアセット・アロケーションです。
自分の会社や日本という一国に自分の運命を全て預けているとも言えるからです。
金融資産の100%が銀行預金ということは、「リスクゼロ、リターン 0.001%(メガバンクの普通預金金利)のガチガチのポートフォリオ」とも言いかえられます。
全く面白みがないですね。
このまま物価が変わらなければまだ良いのですが、ゆるやかにインフレが進んだ場合には実質的な価値は年々目減りしていくことになります。
銀行に預けておけばおくほど生活レベルが下がっていくということですね。
日本国と心中するリスクを低減することや、インフレに負けないリターンを狙うならば、外貨資産に目を向けるしかありません。
そして、超長期で最も期待リターンの高い外貨建ての金融資産と言えば海外株ということになります。
原則2. 無リスク資産の重要性を知る
真に無リスク資産と呼べるのは、キャッシュと個人向け国債です。
同じ債券クラスでも、先進国債券や新興国債券は為替リスクなどがあり、無リスク資産とは呼べませんのでご注意ください。
株価が好調な時は、自分のポートフォリオの評価額がどんどん増えていきますので、ともするとキャッシュを保有しているのは無駄なのではないか?という気持ちになりがちです。
資金の大半を株式に振って、より高いリターンを狙いにいきたくなるのです。
しかし、利益確定していない利益はただの含み益であり、水がかさ増しされているだけに過ぎないことを忘れないようにしましょう。
私も昔はそうだったので気持ちはよく分かるのですが、今は考えが逆で、株価が好調な時ほど無リスク資産の割合に目を向けるようにしています。
オフェンスよりはディフェンスが優先、というのは腰の強いポートフォリオの原則です。
長く付き合っていけるポートフォリオを目指したいものですね。
原則3. REITやコモディティへの投資はスパイス程度に
REIT(不動産投資信託)やコモディティへの投資はスパイス程度でOKです。
細かい理由は本日は割愛しますが、REITやコモディティはポートフォリオの主力になりえません。
ざっくり表現するならば、
株式>債券>REIT・コモディティ
こんなイメージでよろしいかと思います。
原則4. 主力の株式クラスの中で、日本:先進国:新興国の投資割合を考えよう
最後に決めなければならないのは、主力である株式クラスの中で、日本:先進国:新興国に対してどのような配分で投資をするかです。
私自身は10年以上前から投資をしていますが、未だにこれの正解は分かりません。
そもそも、絶対的正解などないのかもしれませんね。
一つだけ自信をもって言えることは、「先進国株式クラスを主力にしよう」ということです。
投資信託ならば、MSCI コクサイインデックス連動型の商品ということになります。
あれこれ考えても分からん!という人は、諦めてバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)にしてしまいましょう。
これ一本購入するだけで、各国の時価総額比率に応じて全世界の株式市場に分散投資をすることが可能です。
投資に慣れるまでは何も考えずにVTを購入して、「やっぱりこれからは米国株だろう」という人はVTIを、「これからは新興国の時代だ!」という人はVWOを買い足すなどアレンジしていくとスムーズに始めやすいのかなと思います。
私自身は、VTは自信を持って永久ホールドをおすすめできる数少ない銘柄の一つだと考えています。
まとめ
1) 無リスク資産(キャッシュ・個人向け国債)を全体の何%とするか?
→株価が好調な時ほど、油断せずキャッシュポジションも確保しましょう
2) リスク資産のうち、株式と外債の配分をどうするか?
→超長期で見た時には株式のリターンが高いことは過去の歴史が証明していますが、外債にも一部分散してもよいと思います
3) 株式クラスの中で、日本:先進国:新興国の配分割合はどうするか?
→いろいろ試行錯誤してみましょう。
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楽天VTの登場で、ドルを買い付けなくともVTに投資をできる時代になりました。VTに投資するハードルがぐっと下がりましたね。
資産形成を考える上で、税制を知るということは非常に重要です。税の本は堅い内容のものが多いですが、下記の週刊ダイヤモンドは雑誌なので読みやすく、内容もまとまっていましたので一読をおすすめします。