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eMAXIS Slimオルカンや楽天・オールカントリーに弱点やデメリットはあるのか?

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おはようございます。

先日、Xで「オルカンのデメリット」「オルカンの弱点」に関するポストが話題になっていました。

以下がその概要ですが、どちらかと言うと「オルカンの性質」みたいなものばかりで、弱点やデメリットと明確に呼べるものはなさそうです。

 

 

オルカンの特徴は、

・世界中の国、地域の株式市場にできるだけ分散投資することで、個別株リスクやカントリーリスクを減らせる

・シンプルに世界市場の成長というシナリオに賭けられる

ことだと思います。

本日は、上記のツイートを参考にしながら、改めてオルカンなどの全世界株インデックスファンドの特徴をまとめてみます。

 

eMAXIS Slimオルカンや楽天・オールカントリーに弱点やデメリットはあるのか?

 

「たくさんの国に投資している分コストが膨れる」→信託報酬0.05775%は業界最安レベル

オルカンのデメリット1つ目は、「たくさんの国に投資している分コストが膨れる」です。

しかし、実際にはオルカンの信託報酬は0.05775%と業界最安レベルです。

実質コストも0.111%と優秀であり、投資信託独特の「隠れコスト問題」もクリアしています。

 

2023年9月に信託報酬が0.1133%から0.05775%へ引き下げられたので、次回以降はさらに下がる可能性が高いです。

一般的には、多くの国や地域の株式に広く投資すればするほど、商品の構造が複雑になるためコストは増大します。

しかし、実際にはオルカンの信託報酬は0.05775%で、S&P500や先進国株式インデックスよりも低いのは凄いとしか言いようがありません。

 

「新興国も右肩上がりで成長できるか不安定」→ボラティリティは高いが成長性も高く、超長期投資では外す理由なし

オルカンのデメリット2番目は、「新興国も右肩上がりで成長できるか不安定」です。

確かに、新興国市場は先進国市場と比べると不安定性が高く、ボラティリティも大きいです。

相場に恵まれないと、短期〜中期では大きな損失が発生する可能性があります。

 

 

一方で、新興国市場は人口動態や経済成長率の観点から、今後急成長が期待できる市場をたくさん含んでおり、長期投資の対象としては魅力的です。

老後まで続ける長期目線であれば、新興国を投資対象から外す理由はないと思います。

 

「分散しすぎて利回りが上がりにくい」→集中投資のやり方を間違えるとオルカン以下になる可能性あり

オルカンのデメリットの3番目は、「分散しすぎて利回りが上がりにくい」です。

まぁ当たり前ですよね。

オルカンはあくまで「世界市場の平均点」を狙いに行く投資手法です。

平均点狙いなので、オルカンより優れた投資成績を残している銘柄は常に存在します。

 

実際には、私たち個人投資家がそれらの優れた銘柄を適切に見極めることが難しかったり、一時的に保有していてもすぐに手放してしまうという問題があります。

つまり、素人が下手に集中投資しようとすると、かえってオルカン以下のリターンになってしまう可能性があるのです。

 

過去10年はS&P500に負けているとは言え、オルカンも十分な投資成績だと思いますけどねー。

 

「収益の60%は米国株任せ」→米国株が絶好調だから当たり前

オルカンのデメリットの4番目は、「収益の60%は米国株任せ」です。

これは米国株が2010年代〜現在にかけて絶好調で、世界経済の牽引役になっているので当たり前ではないでしょうか。

 

 

商品の構造として「時価総額加重平均」の株価指数を採用しているので、どうしようもないと思います。

いつか米国株に変わる世界経済の牽引役が出現すれば、自ずと米国株のウェイトは下がることになります。

 

「バランスはいいが、特化性がない」→特化性がないのがオルカンの魅力なのでOK

オルカンのデメリットの5番目は、「バランスはいいが、特化性がない」です。

まぁこれは「オルカンは特化性を求めない人が買う商品」だから問題ないですね。

オルカンに投資することは、世界中の株式市場にできるだけ広範囲に分散投資することで、個別株やカントリーリスクを排除し、最後に残る「市場リスク」にだけ賭けることを意味します。

何かに特化した商品が欲しいのであれば、初めからオルカンを選ぶべきではなく、これもオルカンの特徴であって弱点とは言えない印象です。

 

まとめ

Xで話題になっていた「オルカンの弱点」について考察しました。

いずれも弱点やデメリットというものではなく、オルカンの特徴に近い印象を受けました。

オルカンは長期投資の軸になる商品の1つであり、投資初心者の資産形成には最もおすすめできる商品の1つです。

 

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投資で重要なのは、いきなりハイリスクな商品に手を出して一か八かの勝負に出ることではありません。

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