おはようございます。
ジュニアNISAに関して、読者の方から下記のご質問を頂戴しました。
ジュニアNISAについて はじめまして。 30代サラリーマンのチョコと申します。 毎晩ちゅり男さんのブログを拝見するのを楽しみにしております。 さて、ジュニアNISAに対するちゅり男さんの考え方をお聞きしたいです。 私の投資環境ですが、iDeCoとつみたてNISAのみでインデックス運用をしており、余剰資金が500万円ほどあります。余剰資金は、ブログの「今はキャッシュを貯めておくべき」というご意見に納得し、次の暴落に備えております。 今後の計画として、1歳の娘がいるため、次の暴落の年にジュニアNISAに80万ほど追加投資しようと思いますが、いかがでしょうか? ジュニアNISAの場合、継続管理勘定を含めれば18歳までのどこで売却しても非課税かと思いますので、18歳までの流動性低下というデメリット以外は選択肢として有効かと考えております。 お時間のある際に、ご意見いただければ幸いです。 よろしくお願いします。
娘さんが1歳の時点で将来の教育費について詳細な計画を立てていらっしゃる点は、大変素晴らしいと思います。
しかも学資保険ではなく、ジュニアNISAというのは一歩上を行っていますね。
私個人はジュニアNISAは利用していませんが、考察してみたいと思います。
ジュニアNISAのメリット・デメリットは?
ジュニアNISAはロールオーバーの上限撤廃で使いやすくなった
ジュニアNISAの要点は、上の図を見ていただくのが分かりやすいかと思います。
要するに、
1) 年間80万円を上限として、非課税枠で子供名義の口座で積立が可能
2) 投資可能なのは5年間、合計400万円まで
3) 5年目以降はロールオーバー可能→H29年の税制改正で上限が撤廃された
4) 払出しが可能になるのは18歳以降なので資金が拘束される
という制度です。
ただし、4) に関しては払出しが不可能というだけで、商品の売却自体は可能です。
売却代は18歳になるまで払出しが不可で、ジュニアNISA口座内で管理されることになります。
やはり資金拘束が最大のリスク
さて、ジュニアNISAに関する率直な感想ですが、個人的には学資保険よりは100倍マシだと思います。
学資保険は資金が拘束されるリスクと比べて、元本はせいぜい110%程度にしかならないからです。
学資保険にお金を回すくらいならば、ジュニアNISAでしょう。
ただし、投資と異なり、満期まで行けば元本保証ですので学資保険は根強い人気があります。
やはり、子供の教育資金ではリスクを負いたくないという親心理が強く働くようです。
ジュニアNISAの最大のリスクは18歳まで払出しが不可能という点でしょう。
よって、iDeCoやつみたてNISAの枠を最大限に活用して、その上でなお余裕がある場合に検討すべきです。
iDeCoも60歳まで資金が拘束されますが、節税効果が大きいのでジュニアNISAよりは優先度が上でしょうか。
お子さんが小さいうちに開始するほど有利になる
ジュニアNISAで投資が可能なのは始めの5年間(最大400万円)だけですから、その後は18歳まで寝かせておいて複利の力を享受するという投資法です。
よって、投資をするならば下記の原則を守る必要があります。
1) 長期的に右肩上がりに値上がりが予測できるものだけを購入する
2) できるだけ子供が小さいうちに開始する
ご質問者様の場合、お子さんの年齢は1歳ということですから、ジュニアNISAを始められるには好条件だと思います。
お子さんが中学生と言われますと、18歳までの期間があまりに短く、値下がりリスクも高くなるためおすすめできなくなります。
また、子供の教育資金の一部になることを考えますと、長期的に右肩上がりに上昇することが予測されるものにしか絶対に投資できません。
私ならば、できるだけ世界全体に分散された楽天VTを迷わず購入します。
最終目的が子供の教育資金ですから、米国という一国だけのリスクすら負いたくないですね。
ジュニアNISAが最悪コケても学費が払えるならば利用価値はあり
ジュニアNISAを100%教育資金のあてにするのではなく、子供の将来の資産形成に向けた親からのお手伝いと考えるならば、利用価値が上がると思います。
子供には将来、お金のことで困ってほしくないというのは親心理として当然ですからね。
一方、ジュニアNISAはあくまで投資ですので、教育資金をジュニアNISAに100%依存するのは危険です。
「勝てる確率が高いとは思うが、つみたてNISAよりは確信が持てない」というのがジュニアNISAに対する正直な感想です。
18歳直前での暴落だけは避けたい
私がジュニアNISAの利用に踏み切れないのは、今現在が「株高局面」と言われているからです。
仮に今市場の大調整が訪れても、10年以上あれば回復しているだろうと思ってはいるのですが、子供のこととなると慎重になりますね。
今が阿鼻叫喚の暴落の最中であれば、迷わずジュニアNISAにも資金を投入しているでしょう。
ジュニアNISA開始直後に大暴落を経験して、その後5〜10年かけて回復し、払い出し可能な18歳直前で再度大暴落という最悪のシナリオだけは避けたいものです。
複利の効果が若干小さくなりますが、リスクを小さくするためには、18歳が近づいてきたらあらかじめ売却しておくのも一手かもしれませんね。
まとめ
ジュニアNISAは教育資金としてだけでなく、子供の将来に向けた資産形成の一部として活用するならばアリだと思います。
資金拘束リスクと暴落リスクをどう捉えるかでしょうか。
こんな記事も書いています。
子供の教育費が本格的にかかるようになる前に、資産形成を先取りして進めておきたいものです。中学〜高校〜大学と進むにつれて教育資金は馬鹿にならなくなってきますから。
学資保険は少し利率が良い貯金のようなものですので、インフレに対しては脆弱ですね。配当収入でインカムを増やして教育費増に対応するという考えもあります。インカムは継続的であることが多いからです。