おはようございます。
iDeCoとNISA(現行、つみたて)は、税制面において通常の投資枠よりも大変優れていますので、ぜひ活用すべきシステムであることは間違いありません。
しかし、冷静に考えてみますと、あくまで老後資金の蓄積を目的としたシステムであって、iDeCoやNISAだけで億万長者を目指すのはちょっと厳しいです。
本日はこのあたりをシミュレーションしてみます。
iDeCoとNISAは税制面で大変優れた制度であり、利用すべきなのは間違いないが・・・
iDeCoとNISAは、売却益や配当金が非課税になるという大きなメリットがあります。
また、iDeCoの最強の武器は、それに加えて掛け金が全額所得控除になることです。
これは、高額所得者ほど節税効果が高まることを意味しており、普段会社のために真面目に働いている人ほど積極的に活用すべきシステムなのは間違いありません(特に医師のような退職金が少ない人は有利)。
一方で、iDeCoやつみたてNISAは、あくまで老後資金の蓄積のために利用すべきもので、これだけ続けていれば億万長者やアーリーリタイアが目指せるというものではありません。
それは、下記の試算から明らかです。
iDeCoは「節税分のお金の再投資」までやって初めて有用
iDeCoの節税メリットを最大限に利用するには、「節税分のお金の再投資」までやって真に有用だと思っています。
当然、iDeCo枠は上限一杯使い切っていますので、再投資は特定口座や一般口座でやることにはなりますが。
高額所得者であれば、iDeCoで年間10万円前後の節税になっているはずです。
個人事業主であれば、年間数十万円の節税になっている人もいるでしょう。
その節税分まで投資に回すことができれば、20〜30年後にはiDeCoをやっていて本当に良かったと思える可能性が高いです。
ただし、iDeCoの節税効果というのはすぐに目に見えづらいのが問題です。
そのため、よほど注意していない限り、多くの方はその節税分は日々の生活費に知らない間に消えていっているはずです。
このあたりがiDeCoを100%活用する難しい点と言えるでしょう。
つみたてNISAは20年後に「2倍になれば儲けもの」くらいに考える
つみたてNISAは掛け金の上限が年間40万円と非常に少ないのが弱点です。
仮に20年間積立し続けたとしても、投資額は800万円にしかなりません。
つみたてNISAの対象商品は、ほとんどが手数料の安いインデックスファンドですから、期待リターンはせいぜい年数%です。
20年間続けたとして、「2倍になれば儲けもの」くらいではないでしょうか?
800万年が、うまく行けば1,500万円になればラッキーくらいの考えが妥当だと思います。
くれぐれも期待しすぎは禁物です。
あくまで老後に向けた資産形成の一つの道具として使う意識が必要でしょう。
「つみたてNISAだけやっていれば老後が万全」になるには投資可能枠が少なすぎますね。
二馬力で続けることで少しは億万長者の可能性が見えてくるが・・・
上記の弱点をカバーする一つの方法が、夫婦二馬力で継続することです。
当然、夫婦共働きでiDeCoとつみたてNISAの枠を上限一杯使用し続ければ、毎月の積立額は
(23,000 + 33,000) x 2 = 106,000円
まで上がります(企業型DCなど利用していない場合)。
これを20年間続ければ、投資額だけで25,440,000円になります。
20年間順調な相場が続くことはまずありませんが、その間どんなに辛い相場があったとしても、ドルコスト平均法で積立続ければ、1.5〜2倍は現実的に達成可能です。
となると、夫婦二馬力でiDeCoとつみたてNISAだけひたすら頑張った場合、老後に向けて4,000万円〜5,000万円ほどの資産形成ができる可能性はあるでしょう。
もちろん、出口戦略を間違うとそれ以上にもそれ以下にもなる可能性はありますが。
インデックス投資だけで億万長者を目指すには相当の時間と投資額が必要
上記の事実から分かることは、インデックス投資だけで億万長者を目指すには、相当な時間と投資額が必要ということです。
つまり、インデックス投資をどれだけ頑張っても、「10年で億万長者を目指す」というのは実現可能性の低い目標です。
仮に、夫婦で毎月30万円ずつ、合計月60万円を投資に回せたとすれば、年間に720万円の投資額になりますので、利回りを含めて10年で億万長者も可能かもしれません。
しかし、多くの家庭ではそれだけ投資にお金を回すのは無理でしょう。
それに、それだけ稼いでいる人であれば、元々金銭的にかなりの余裕があるはずですので、もう少しリスクをとって別の手法をとった方が億万長者の達成は容易だと思います。
10年後に億万長者を目指すならばインデックス投資だけでは到底ムリ
やはりインデックスだけで早期に億万長者を達成するのは難しそうです。
ですが、アーリーリタイアを目的とせず、あくまで老後の不安を解消するためのコツコツ資産形成と割り切れば、iDeCoもNISAも大変優れた制度でしょう。
短期で億万長者を目指そうと思ったら、やはり暴落時の逆張り・集中投資など、それなりのリスクを背負った手法を選択する必要がありますね。
このあたりは、投資で何を実現したいかよく考えて決断する必要があると思います。
こんな記事も書いています。
まだiDeCoを始めていない初心者の方向けに、iDeCoの活用法を解説した記事です。とブログおすすめの投資商品も検討していますので、参考にしていただけましたら幸いです。
つみたてNISAには、楽天・バンガード・ファンドの商品群が有力な投資先になると思います。特に VTIやVTに投資する商品は最有力でしょう。