おはようございます。
先日、久しぶりに米国に行く機会がありました。
観光ではなく学会です。場所はサンフランシスコです。
私は海外に行くと現地のスーパーマーケットを必ず訪れるのですが、今回は現地のスーパーマーケットで米国の消費者物価が上がっていることを身をもって実感しました。
家族旅行で時々ハワイにも行きますが、やはり物価高は顕著です。
ハワイの物価高は米国本土以上と言っても過言ではありません。
今回は、米国の物価高から日本の立ち位置を考えてみたいと思います。
米国のスーパーマーケットに行くと物価が確実に高くなっていることを実感する
私は大学生の時(10数年前)にサンディエゴに滞在した経験があります。
当時もスーパーマーケットで頻回に食材や日用品を買っていましたが、その時と比べて同じ物の価格が数割上昇しているのです!
今回訪れたサンフランシスコとは場所も異なり(サンフランシスコの方が都会)、訪れたスーパーマーケットも異なるので一概に比較はできませんが、米国のインフレ率のデータは真実であると身をもって体感しました。
世界経済のネタ帳http://ecodb.net/country/US/imf_inflation.htmlから引用
米国のインフレ率は2008〜2009年にリーマンショックによる一時的な落ち込みはありますが、大体1〜3%で推移しています。
私がサンディエゴに滞在していたのが1990年代ですから、当時よりも物価が数割高くなっているのも納得ですね。
日本って物価安いね。。ニトリやユニクロなんて年中やってるバーゲンみたい
米国から日本に帰ってきて思ったのは、日本の物価は安いということです。
正確には、日本の物価は世界的に見ると相対的に安くなってきていると言えます。
スーパーマーケットの食材、ニトリやユニクロ、ドラッグストアで購入する衣料品や日用品、各種サービス・・・どれをとっても安いです。
ダイソーなど年中バーゲンをやっているようなものですね。
また、東京23区内の一部の地域を除けば、日本の不動産賃料水準は低いと思います。
ハワイのワイキキでは、ワンルームの単身用の部屋でも1300ドル(約15万円)ほどかかるそうです。
名古屋や大阪なら2LDK〜3LDK、東京でも立地によりますが1LDK〜2LDKが借りられる値段ですね。
日本に住んでいると日本が当たり前と思いがちですが、そんなことはありません。
日本人は早く世界に目を向けないと、年々世界から取り残されつつあると考えたほうが良さそうです。
日本人は「低金利の麻痺」状態。米国の方が健全なんだろうね
米国の金利が上がり始めました。
米国経済は堅調ですから、秋に向けてこのまま着実に上がっていくのだろうと予想します。
また、EUも金融緩和から離脱するタイミングが近づいてきていそうです。
このまま行くと日本だけが世界に類をみない低金利政策のまま取り残される可能性があります。
日本ではバブル崩壊後の景気浮上を狙って、長年に渡って超低金利を維持したことによって「金利を上昇されると生活が困る」人が増えすぎています。
例えば、長期変動金利でローンを組んでいる人にとって金利の上昇は住宅ローン返済額の上昇に直結しますので、当然批判をするでしょう。
「マイナス金利」をキーワードにマイホーム購入を推進している不動産業界からの反発も必至です。
住宅や車など、ローンを組んで購入する可能性がある業界からは反発の嵐でしょう。
このように、低金利からの脱却が難しい状態が慢性的にできあがってしまっています。
長年のデフレで日本人の感覚は麻痺してしまっている
バブル崩壊後の長期のデフレによって、日本人の経済感覚が麻痺してしまっている気がします。
長年に渡って物価がほぼ横ばいで推移しているため、インフレに対する抵抗感が強くなっていると思うのです。
これは、バブル崩壊前の時代を未経験の若年世代で顕著だと思います。
国民も物価は上がらないのが当然と思っているのです。
「物価は上がらないのが当然。ずっと横ばいだった物価がなぜ上がるの。物価が上がったら自分の生活が困る」
こんな感じでしょうか。
健全な競争や技術革新の結果としての値下がりであればよいのですが、長年の金融緩和から脱却できない結果であれば大問題だということです。
「日本はいつまでも低空飛行を続ける国」と世界から見られることは間違いありませんね。
こんな記事も書いています。
経済学の分野で非常に有名なエレファントチャートに関する記事です。日本の中産階級の負けっぷりが際立ちます。
訪日外国人数が急増していますが、これは日本が世界的にみて相対的に貧しくなっている証拠です。昔は一部の富裕層しか日本を気軽に訪れることはできなかったのです。