神経内科医ちゅり男のブログ

「気ままに、ほどほどに」がモットーのゆるい神経内科医が日々の気づきを書いていきます。ただそれだけですが、よろしく。

エレファントチャートから読み取れるのはバブル崩壊後の日本の中産階級の負け組っぷりの凄まじさ

こんにちは。

皆さんは下記の有名なグラフを見たことがあるでしょうか。

エレファントチャートという、世界各国の家計所得の変化率を示したチャートです。

経済学の分野では非常に大きな影響力を持つ分析の一つと言われています。

本日は、このエレファントチャートを見ながら、過去20年間の経済のグローバリゼーションの中での勝ち組・負け組について考察してみます。

 

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エレファント・チャート | Cafe Alice - 経済とかMoneyとか から引用

 先進国の下層中産階級(私たち日本人)がグローバリゼーションの負け組

冒頭のグラフの縦軸は、国民一人あたりの所得が1988年〜2008年の20年間でどれだけ伸びたのかを示します。

横軸は、世界全体の所得分布階層を100に分けて、右側に行くほどお金持ち、左側に行くほど貧困であることを示します。

一番右側の世界トップ1%の超富裕層は明らかに勝ち組ですね。また、50〜60%台の人達も大幅な伸び率を示していますが、これは中国の中産階級の勝ち組っぷりを示しています。

世界全体では平均所得は24%増とのことですが、それと比べても所得上位70〜90%の人たちの所得の伸び率の低さが目立ちますね。

ここに該当するのが、まさに我々日本人を始めとした先進国の下層中産階級と言われています。

 

世界の超富裕層と新興国の中間層が所得を伸ばしている

この20年で、先進国中間層の生活自体は、新興国からの安価な輸出製品の拡大によって豊かにはなりました。

一方、新興国の中間層は、自国経済の工業化が急激に進むことによって、新たな雇用が次々と生まれ、所得が右肩上がりに上昇し続けました。

先進国中間層の雇用は、人件費が割安な新興国に移転してしまったり、自国内の雇用の一部を移民に奪われる形になったため、結果的に先進国中間層の所得は伸び悩みました。

世界経済全体は順調に成長し続けていますが、その恩恵の大半は新興国中間層と上位1%の超富裕層が享受しており、我々先進国の中間層がグローバリゼーションの負け組だと言われています。

 

日本と旧ソ連諸国を除いたチャートを見てみると、チャートが大幅に是正される

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グローバル経済の「負け組」は日本と旧ソ連圏だけというお話(木村正人) - 個人 - Yahoo!ニュース から引用

 

さらに、我々日本人にとっては無視できない事実があります。

それは上の図から読み取れます。

 

バブル崩壊で長期に低迷した日本や、ソ連崩壊といった政治的なイベントの影響を受けた旧ソ連諸国を除いたチャートが上の図の赤線です。

冒頭の図のような、所得上位70〜90%の極端な落ち込みは見られなくなりました

また、1988〜2008年において奇跡的な経済成長を遂げた中国を「外れ値」として補正をすると、上図の黄色線になり、ほぼフラットなグラフになります。

要するに、日本や旧ソ連諸国の中産階級こそが冒頭の図の所得上位70〜90%の極端な落ち込みを作っていたと言えるわけで、いかにバブル崩壊後の日本経済の停滞がすさまじかったかを物語っていると思います。

日本と旧ソ連諸国こそがグローバリゼーションの真の負け組である可能性があるわけです。

 

リーマンショック以降はさらに格差が縮まっている

ベルリンの壁崩壊、旧ソ連崩壊までの世の中では、欧米・日本などの先進国と途上国の格差は歴然としたものでした。

エレファントチャートのグラフは、2008年までのデータを元に作成されていますが、リーマンショック以降は新興国中間層と先進国中間層の所得の格差はさらに縮まってきています。

日本人の中間層が、途上国に旅行に行ったらすごくリッチな思いができたのは昔の話になりつつあります。

「日本人といえば、アジア圏においては圧倒的なお金持ち」という認識はもう通用しませんね。

日本人の購買力は、世界的に見て相対的に年々下がってきていることを強く認識し、危機感を抱くべきではないでしょうか。

 

 

こんな記事も書いています。

訪日外国人数が急増しているということは、日本が気軽に旅行に行ける程度の国になってきているということです。昔は途上国の人たちが気軽に日本を訪れることなどできなかったのです。

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バブル崩壊後の日本経済の低迷っぷりは異常ですが、長い歴史の中でみれば現代日本はまだまだ恵まれていますので、その点は感謝を忘れないようにしたいものです。

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