おはようございます。
弊ブログの読者から「インデックス投資において投資信託からETFへリレー投資をする必要性があるか」について以下のご質問をいただきました。
いつも有意義な情報をありがとうございます。
楽しく拝読しております。
当方、インデックス投資をしておりますが、 今後、勤めている会社を辞め、起業を考えており、しばらく収入が見込めません。
そこで投資対象を配当も見込めるETFへ移行を検討しております。
このままインデックス投資で資産拡大を狙っていくか、 それともETFへの投資に移行をするか、 ちゅり男様のご意見いただけませんでしょうか。
現状、以下に投資をしております。
・ニッセイ外国株式インデックファンド(約1000万)
・eMAXIS TOPIX(約500万)
・SBIバンガード S&P(約200万)
今後検討している投資内容は以下です。
・インデックス投資の場合
”eMAXISオールカントリー”、”SBIバンガードS&P”、キャッシュ
・ETFの場合 ”VT”、”TLT” への分散投資。
当方、30代独身。
暫くの生活費は確保できており、 投資検討している余剰金として約7千万程ございます。
お忙しいところ恐縮ですがご助言くださると幸いです。
宜しくお願い致します。
ご質問ありがとうございます。
結論から申し上げますと以下の通りです。
1) ETFへ移行してもVTしか購入しないのであれば、株式部分に関しては投資信託と変わりません
2) 退職〜起業まではキャッシュフローが大幅に下がりますので、大きく投資せずにコツコツ投信積立をおすすめします
3) TLTは株式と逆相関するため、ポートフォリオ全体の値動きをマイルドにする効果は期待できます。一方、米ドル建てなので為替リスクもありシンプルではありません
以下、1つ1つ掘り下げてみていきます。
インデックス投資の場合、投資信託からETFへ切り替える必要性はあるか?
1. ETFへ移行しても株式はVT一本ならば投資信託のままでよい
ご質問者様の場合、仮にETFへ移行しても株式部分はVT一本ですので、株式部分に関しては投資信託で十分ということになります(債券のTLTについては後述)。
具体的には、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)に投資をすれば十分にその代わりになるでしょう。
長期リターンに関してもほとんど変わりがないと思います。
せっかくドル転をして投資するのであれば、投資信託では実現できない投資をするなど明確な目的がほしいですね。
もちろん、投資の幅を将来的に広げていくのはアリですが、これから退職〜起業という時期にやらなくてもよいかもしれません。
2. 毎月の収入が下がるうちはコツコツ投信積立がおすすめ
個人的には、毎月の収入が下がるうちはコツコツ投信積立がベストだと思います。
結局、日本国内で生活していく上では日本円しか使えないわけですから、毎月のキャッシュフローが下がるうちは流動性の高い現金を一定額保有しておくことは悪くありません。
また、投信積立の場合、一度積立設定をしてしまえばあとは全自動ですので、投資にかけるエネルギーが最小限で済むという絶大なメリットがあります。
退職〜起業の過程では自分の全エネルギーをそちらに注ぐべきであり、余計なことにエネルギーを分散するべきではありません。
どちらでも変わりがない点に関しては極力シンプルな方を選択することが、人生を充実させるコツだと思っています。
3. TLTは株式と逆相関するためポートフォリオ全体の値動きをマイルドにする効果あり
TLTはiシェアーズ米国国債20年超ETFです。
米国長期国債に対して投資するETFで、経費率は0.15%と十分に低く、利回りも1.0-3.0%程度期待できる商品です。
債券ですから、値動きは基本的に金利と逆相関を示します。
つまり、金利下落局面では債券価格は上昇し、金利上昇局面では債券価格は下落するということですね。
以下、VTとBND、TLTのコロナショック前後を挟んだ5年チャートです(青がVT、水色がBND、紫がTLT)。
ひと目で分かるのは、2020年春のコロナショックでVTが大幅に暴落した時に、TLTは大きく価格が上昇していることです。
一般的に、債券は返済までの期間が長い長期債券になればなるほど値動きは大きくなりますので、株式と逆相関の値動きを活用し、ポートフォリオ全体の値動きを抑える効果が期待できます。
一方、数十年単位の長期でみれば株式の期待リターンが最も高いので、債券の割合を高めすぎるとリターンが下がるという悩みが発生します。
とはいえ、債券の割合があまりに低ければ値動きを抑える効果も期待できませんので、このバランスをどう考えるかでしょう。
まとめ
米ドルに両替してもVTにしか投資をしないのであれば、投資信託のままでOKです。
TLTは値動きが面白い商品ですので、こちらに魅力を感じるのであればETFへの乗り換えもありでしょう。
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アクティブファンドに投資するのであれば、その商品内容をよく理解したうえで、運用会社への信頼が必要になります。
投資信託の改良により、わざわざ米ドルを購入してVTへ投資する必然性はなくなりました。
ポートフォリオに債券やゴールドを組み込むことには一定の意義がありますが、ポートフォリオの管理が複雑になります。