神経内科医ちゅり男のブログ

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ビタミンB群サプリメントの長期服用で男性の肺がんリスクが上昇する!?

おはようございます。

ビタミンB群サプリメントの長期服用で、男性の肺がんリスクが上昇するという興味深い研究が報告されています。

私も疲れた時や風邪気味の時に、ビタミンB群サプリメントを摂取していましたが、これが事実であれば考え直す必要がありそうです。

 

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ビタミンB群サプリメントの長期服用で男性の肺がんリスクが上昇する!?

ビタミンB群サプリメントの長期服用で男性の肺がんリスクが上昇すると報告したのは、米国のビタミンとライフスタイル研究(VITAL研究)です。

VITAL研究では、米国の50歳〜76歳のサプリ愛用者を対象に、サプリ摂取とがんの関連を検討しています。

これまでに、魚油サプリが乳がんの発症リスクを抑制することを報告しています。

今回は、サプリメントと肺がん発症リスクに関する追加報告になります。

 

過去10年間にビタミンB6やB12を過剰摂取していた男性の肺がんリスクが高い

結果は以下になります。

過去10年間に1日平均20mg以上のビタミンB6を摂取していた男性は、非摂取者と比べて肺がんリスクが1.8倍に上昇していました。

また、ビタミンB12の平均摂取量が1日平均50μg超の男性は、非摂取者と比べて肺がんリスクは2倍に上昇していました。

外来でよく処方するメチコバール錠 1錠にビタミンB12が500μg入っていることを考えると、複雑な気持ちになってきますね。

 

喫煙者ではビタミンB群の過剰摂取によってさらに肺がん発症リスクが上昇

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肺がんのリスク因子として最も有名なのは言うまでもなく喫煙です。

そして、喫煙者では、ビタミンB6やビタミンB12の過剰摂取がさらなるリスク要因になるとのことです。

非喫煙者と同じ摂取量でも、ビタミンB6過剰摂取者の肺がんリスクは約3倍、ビタミンB12過剰摂取者では約3.7倍とのことでした。

3倍を超えているとなると、さすがにただの偶然では片付けられない気がしますね。

 

一方、女性ではビタミンB群と肺がん発症リスクには関連は見られませんでした。

結論としては、男性の喫煙者においてビタミンB群の過剰摂取が最も肺がん発症につながりやすいということです。

 

ビタミンB群の代謝促進作用が癌抑制遺伝子に異常を与える?

ビタミンB群には代謝促進作用があることが知られています。

自覚症状もなく、検査でも捉えられないレベルの癌が体内で発症している状態で、ビタミンB群を過剰に摂取すると、癌抑制遺伝子に異常が生じるという説が有力なようです。

しかし、ビタミンB群サプリと発がんリスクに関しては、異なる結果を報告している研究もありますので、上記の結果を全て鵜呑みにするのは危険かもしれません。

信じるか信じないかはあくまで自己責任で。。

 

人種差があるため日本人でも当てはまるかは不明だが・・・

人種によって癌の発症率は大きく異なりますので、この研究成果が日本人にそのまま適応できるかは不明です。

しかし、近年では、高齢者を中心に健康情報に敏感になっていますので、このような結果が一般の方にも広く知られたら、プリメントの売上にも大きな影響を与えるかもしれません。

 

規則正しい食生活をしていれば、ビタミンB群は食品から十分に摂取できますので、サプリメントによる追加摂取は不要ということですね。

私は疲れた時や風邪気味の時に、気休め程度にビタミンB群を摂取していましたが、これからは考え直す必要がありそうです。

健康を増進すると信じて飲んでいたサプリメントで癌を促進しては元も子もないですからね・・・

 

まとめ

世間一般に健康に良いと言われているものも、過剰な摂取はかえって害になる可能性があるということですね。

何事もほどほどにしておきましょう。

 

 

こんな記事も書いています。

認知症の発症を予防するために日常生活で心がけるべきことをまとめた記事です。ここに挙げた9つのリスク因子を全て改善すると、認知症の発症リスクを35%カットできると報告されています。

www.churio807.com

 

癌に関連する遺伝子異常を一括で調べる「パネル検査」に関する記事です。最新の検査は大概高額ですから、財源が問題になります。

www.churio807.com