神経内科医ちゅり男のブログ

「気ままに、ほどほどに」がモットーのゆるい神経内科医が日々の気づきを書いていきます。ただそれだけですが、よろしく。

学資保険は人気があるようですが、インフレヘッジにはならないので要注意

今週号の『週間ダイヤモンド』は保険特集でした。

個人的には「保険は最小限加入すれば十分」という考えで、なんでもかんでも保険で備えるという考えには否定的な立場です。

記事の中で少々気になる点がありましたので、ピックアップしてご紹介したいと思います。

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 保険:実際に起こる確率は低いが、万が一起きたら対応しきれないものにかける

これが保険の前提です。

この前提条件を忘れてしまうと、なんでもかんでも保険に入っておかないと心配という状態になります。

そして、毎月保険料を数万円も支払って、保険のせいで家計が火の車という意味不明な状態になりえます。

保険にたくさん入っている人には真面目な人も多く、保険会社のファイナンシャルプランナーの言うことをそのまま鵜呑みにして加入してしまう人もいるようです。

ファイナンシャルプランナーはあくまで会社側の人間ですので、自分達の利益率の高い保険商品を巧みに売り込んでくる人もいますから注意が必要です(もちろん、本当に良心的なアドバイスをくれる人もいます)。

保険は一度加入すると解約しにくいものもありますので、自分の家の家計状況や、両親の資産状況などもよく検討して加入した方がよいと思います。

 

「子供の教育費は聖域」でお金を惜しまない親が多い

子供に良い教育を受けさせてあげたいというのは、親であれば当然の心理だと思いますし、私もそうすべきだと思います。

ただ、「子供の教育費だから」という理由でなんでもかんでもお金を払うのは間違いで、ある程度は費用対効果を考えるべきでしょう。

 

さて、子どもの教育資金の確保を目的とする学資保険は現在も人気が高いようです。

特にソニー生命の学資保険は「契約者30歳、子ども0歳、払込満了が子ども18歳」で、子供が大学生になる年齢の時に返戻率が110.3%と元本割れがなく、確実に利益が出るから人気とのことです。

 

学資保険ではインフレヘッジできないことを知る

100万円が約20年後に110万円になると言われたらお得だと思うでしょうか?

表面的に見れば確かに得なのですが、これは今の円の価値がそのまま保たれればという前提です。

子どもが生まれてから20年の間にインフレが進み、円の実際価値が下がった場合には逆に損をする可能性もあります。

バブル崩壊以後の日本はデフレ傾向が続きましたので、実感が湧きにくいかもしれませんが、将来のことは誰にも分かりませんので、「学資保険ではインフレヘッジはできない」ことを知っておくべきでしょう。

 

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http://www.kaisya-fan.com/coreasset-3.phpから引用

 

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http://www.garbagenews.net/archives/2202962.htmlから引用

 

いろいろ書いても分かりづらいので、上のグラフを見ていただいた方が早いです。

インフレ率1%が今後持続すれば学資保険は勝てないということになります。

また、国立大学の授業料ですが約50年前には年間2万円くらいでした。今は50万円ちょっとです。実に20倍以上に膨れ上がっています。

2040年頃に大学の授業料がどうなっているかは想像できません(おそらく今まで程には上がらないと思います)が、学資保険では対応不可能な状態になっている可能性は十分にあると思います。

 

どうせ長期なら学資保険より株式投資したらどうでしょう

最終的には、学資保険の20年で10%増というリターンを高いとみるか低いとみるかでしょう。

私個人的には、20年近い長期投資を検討するならば、リスクはあるものの米国などの世界の株式市場に投資した方が賢明かと思います。

日本はすでに成熟した社会で成長国ではありませんので、日本株の場合はTOPIXなどのインデックス連動型の商品では厳しいかもしれません。

日本株は自国の企業なので様々な情報が集めやすいことを利用し、勝負するならば個別株ではないでしょうか。

もちろんこの場合、教育費は投資用のお金とは別に貯蓄しておく必要がありますので、貯蓄癖がある人にしかオススメできませんが。。

自分の力では教育費を貯める自信がない、という人には学資保険はいいのかもしれませんね。

 

保険に貯蓄機能を求めないこと:掛け捨てが基本

保険に貯蓄機能を求めない方がよいです。

保険の場合、途中で解約すると元本割れをする可能性があったり、そもそも解約するまでにいろいろ手間があったりして、緊急時には非常に流動性の低い資産です。

保険には保険としての機能だけ、その他に株式投資や不動産投資などを組み合わせた方が効率的だと考えます。

 

私のケース:生命保険、自動車保険、医師損害賠償責任保険は必須

私の場合ですが、妻も働いていますので収入はあるにせよ、家計全体でみれば私の収入が80%近くを占めます。

当然私の健康に何かあった場合には、妻の収入だけでは現在の生活レベルを保つことは不可能です。

このように、生命保険に関しては、一家の大黒柱が死亡した場合をシミュレーションしておくことが重要です。

逆に私の場合、妻が万が一死亡しても経済的には問題がありませんので、妻の生命保険は最小限でOKということになります。

 

夫が死亡した後の住居費がどうなるかは重要で、残された妻子の住居費がどうなるかシミュレーションしておきましょう。

持ち家の場合は、住宅ローン契約時に団体信用生命保険に加入していれば、夫が死亡した後のローン返済義務はなくなりますから問題ありません。

もし現在賃貸住まいであれば、より安くて狭い物件に住み替えるという手もありますし、場合によっては妻の実家に戻ることができれば住居費はゼロになります。

そもそも、妻の実家が億万長者であれば生命保険自体が不要です(笑)。

このあたりをよく考慮したうえで、一番下の子が社会的に自立するまでを目処に掛け捨ての定期保険に加入すべきでしょう。

もちろん、独身の人は生命保険自体が不要です。入っても誰も喜びません(笑)。

 

次に自動車保険ですが、「対人・対物無制限」が基本です。何も分からなくてもこれだけは絶対に守っておきましょう。

万が一の時に車の買い替えができる程度の貯蓄があれば、車両保険は不要でしょう。無駄に保険料が上がってしまいます。

初めに書いたように、万が一の時に自力で対応しきれないものだけ保険に加入すればOKですので、車両保険は不要です。

あと、地味ですが弁護士特約は付けておくほうがよいと思います。

 

医師損害賠償責任保険は医者以外にはもちろん不要ですが、万が一医者なのに入っていない人がいれば今すぐ加入しておきましょう。

患者やその家族の医療を見る目は年々厳しくなってきており、正しい医療を提供していても誰がいつ訴えられるか分からない世の中になってきています。

また、医療訴訟の賠償額も年々増加傾向にありますので、最低1億円以上の補償にしておくことをオススメします。

 

長くなりましたが、最後まで読んでいただいてありがとうございました。

 

こんな記事も書いています。

保険に加入する時は家族とよく相談が必要です。家族のマネーリテラシーを高めることが意外と難しいです。

shinkei807.hatenablog.com

 

医者が入るべき保険について過去に考察した記事です。

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