こんにちは。
人が投資行動を起こす時には、自分なりにこれなら勝てる!という確信を持って行動を起こすことが多いと思います。
もちろん、その結果が良いか悪いかは後になってみないと分からないわけですが、投資行動を起こす時にはそれがベストの選択だと信じて行動を起こすはずです。
先日、とあるインデックスファンド積立投資家のブログを拝見して思ったこと
先日、とあるインデックスファンドの毎月積み立て投資をしている投資家のブログを拝見する機会がありました。
あたかも個別株投資や外貨投資、FXなどは間違った手法であり、インデックスファンドの積立投資こそが投資初心者のとるべき絶対解であるような書き方がされており、違和感を感じました。
確かに、自分が現在選択している投資手法には愛着があるでしょうし、それなりの根拠を持ってその投資手法を選択しているのは否定しません。
しかし、投資において絶対解に近いものはあったとしても、万人に共通する絶対解はありません。
インデックスファンドの積立投資は平均的な収入のサラリーマンでも実践しやすい方法であり、長期的に見て大きく負ける可能性が低い無難な方法なのは私も同意します。
しかし、すでに5億円を保有している資産家がインデックスファンドの積立投資などするでしょうか?
各個人で置かれている経済的・社会的な状況、投資に回せるマネーの金額は異なりますので、人それぞれベストな戦略というのは異なるわけです。
今自分が行っている投資手法は、数ある投資手法のうちどのような位置づけなのか?
より広い視野を持って、客観的に考え直してみる癖をつける必要があります。
一つの手法を美化しすぎてそれに固執しすぎることは、大きな機会損失に繋がる可能性があります。
信託報酬0.01%の違いを気にして果たして本当に意味がありますか?
もう一点ブログを拝見していて違和感を感じたことがありました。
それは、0.01%の信託報酬の違いに右往左往し、同じ指数に連動するファンドで少しでも手数料が安い商品が出るとすぐに乗り換えをして、より良いポートフォリオになったと勘違いをしていることです。
確かに、投資においてコスト負けしないというのは重要な観点です。
しかし、同じ指数(インデックス)に連動する投資信託の信託報酬0.01%の差を気にしても何も変わりません。
そのポートフォリオはたいして良くも悪くもなっていないのです。
むしろその手続きに使った時間と労力の分だけ損しているとも言えるでしょう。
山ほどある金融商品の中からその金融商品を探し当てるのに使った時間と比べて、得られた効果が低すぎるのです。
投資にかけられる時間が限られる兼業投資家において、時間対効果というのは絶対に外せない視点だと思います。
インデックスファンドの毎月積み立ての最大のメリットを自分で消してしまっている
そもそもインデックスファンド毎月積み立ての最大のメリットは、初めに積立設定をしておくだけで、後は投資に時間や労力を割くことなく、毎月一定額の資産が積み上がっていくことにあるはずです。
自分なりのポートフォリオを構築し、それに合わせたファンドの積立設定をしてしまえば、後は年に1〜2回のリバランスの時以外は投資のことを考えずに本業に専念できるのがメリットなのです。
ところが、信託報酬の0.01%の違いで右往左往してしまってその度に商品を乗り換えていると、投資にかける時間が節約できるという最大のメリットを自分で消してしまっていることになります。
どうせ投資に時間をかけるならばより優れた手法もあるでしょうから、本末転倒なのです。
ETFなど他の投資対象にも目を向ける視野を失っている
しかも、信託報酬0.01%の差を細かく気にしているわりには、インデックスファンド以外の投資対象に手を広げるという視点を持っていないことも問題です。
毎月積み立てには向いていませんが、そこまで手数料の差を気にするならばETFを購入するという選択肢も当然出てくるはずです。
ここ数年でインデックスファンドの信託報酬は年々低下傾向にあり、徐々にETFの基準に近づいてきてはいますが、まだETFのレベルには到達していないからです。
インデックスファンドを毎月積み立てるのが最善解であるいうのが前提になってしまっており、視野が狭くなって他が見えなくなっている典型例だと思います。
投資において重要なのはもっと大局的なことです
細かい手数料の違いを意識するよりも、より大局的な所に目を向けることによって投資は楽しくなると思います。
・今世界の中で成長国はどこか?今後世界の鍵を握る可能性がある将来性のある国や地域はどこか?
・世界全体の景気の波はどうか?リーマンショック級の大暴落が近いうちに訪れる可能性はあるだろうか?
・今は投資行動をとるべき時期か?それともキャッシュを温存しておいて将来のチャンスに備えるべきか?
・どこかに極端に売り込まれて株価を下げている特定のセクターはないか?
・情報量で劣る個人投資家が機関投資家に勝つためにはどういう戦略をとるべきか?
など・・・
いろいろ考えるべきことがあるはずです。
相場を傍観しながらじっと待つのが許されるのが個人投資家の強みだと思う
機関投資家は投資のプロですから、個人投資家が投資に関する情報戦で彼らに勝つことはまず不可能です。
では、個人投資家の強みは何か?
個人投資家の強みは、投資のタイミングを自分で自由に選べることだと思います。
参入したくない時期には、投資行動を起こさずに相場の成り行きをただ見守るといったことが許されるわけです。
機関投資家はそれが仕事ですから、いかなる相場の時にも利益を出し続けることが求められます。
勝ち目の高い相場になった時だけ市場に参入し、それ以外の期間は他の仕事に集中する、これが私がとっている戦略です。
投資は資産形成の一手段に過ぎませんから、投資に適した時期だけ投資を行い、そうでない期間は自分のスキルアップや給与アップに直結する仕事をした方がよほど効率的だと考えています。
こんな記事も書いています。
面倒なことを何も考えたくない人には、全世界の株式市場をまるごと購入してしまうVTをコツコツ積み立てるという戦略もありかもしれません。
絶好の投資機会はそうそう訪れるものではありません。来るべき調整局面に向けて、キャッシュを温存しておくことも重要です。