神経内科医ちゅり男のブログ

「気ままに、ほどほどに」がモットーのゆるい神経内科医が日々の気づきを書いていきます。ただそれだけですが、よろしく。

医者の給料の不思議〜忙しくても金銭的には報われない、田舎の方が報われる〜

医者の給料は一般社会とはかなり異なります。

それは、給与水準が高いということではなく、忙しさや都会かどうか、大企業かどうかということと給与が比例しないということです。

一般的には、都市部(特に東京など都心)の方が職が多く、給与水準も高い傾向があります。また、当然ですが給与が良いのは大企業が多く、大企業の本社の多くは都心にあるという現実があります。

ある程度の大企業であれば、当然その分忙しさもついてくるわけで、その社会的責任と給与水準はある程度相関があると思います。

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 医者の給料は「田舎>都会」「暇な寝当直>急性期病院の寝られない当直」

ところが、医者の場合はどうでしょう。

研修医の給料などは、都心と田舎の病院では田舎の病院の方が1.5倍〜2倍程度高いことも多いです。

これは、単に需給関係の問題と考えられます。

最近の医学部生の傾向として、都心部(特に三大都市圏)に残ろうとする傾向が強いようです。

すると田舎の病院には医者の供給が減るため、その分給与水準を高くして医者を呼び込むしかありません。

必然的に田舎の方が給与水準は高くなることが多いわけです。

ただし、田舎でも人気の研修病院はその限りではありません。

これらの病院は教育プログラムがしっかりしていることで有名なので、給料を上げなくても絶対にこの病院で研修したいという研修医が集まるからです。

 

やりがいを度外視して資産形成だけ考えるならば田舎の小規模病院が最強

そして、同じ都心にある病院でも大病院よりも小規模な病院の方が給与水準が高いことが多いです。

これも不思議なもので、大きな急性期病院で患者さんに高度な医療を提供して、夜間も寝ずに忙しい当直業務をしている勤務医の給料というのは意外と低いです。

一方で、あまり専門性が求められない小規模な病院の方が給与水準が数百万ほど高いことはざらにあります。

つまり、大病院で最先端の医療を学び続けたいという向上意識の高い医者ほど意外と給与が低いことが多いのが現実です

 

どこでも稼げる医者になるには、スペシャリティを身につけること

ただし、これはその人にスペシャリティがある場合はその限りではありません。

例えば、外科系であれば絶対にその人にしかこなせないような手術がある・・・

内科であれば、かなり専門性の高い領域・・・

その人のかわりがいないという技術を持っている者は、田舎・都会問わず引っ張りだこなのが現状だ。

ただし、よほどのスペシャリティを持っていない普通レベルの医者の場合は、田舎の病院で働いた方が給料はよくなるわけです。

 

あと、不思議なもので、急性期病院の一晩中寝られない当直をやっても給料が2〜4万程度ということが多いですが、リハビリテーション病院や療養型病院で一晩中寝ていられる当直バイトをやると5〜6万もらえることが多いです。

これは本当に忙しさと給与が反比例している典型例で、一度寝当直を体験すると、よほどの向上心のある医者以外は急性期病院で当直するのが馬鹿らしくなっても仕方がないと思います。

 

医師にとって、今のように恵まれた時代がずっと続くわけではない

このように、考えれば考えるほど不思議な医者の給与体系。

ただし、今のように恵まれた時代が続くのもあと10年ちょっとかなと。

今、国をあげて医学部生(つまり医者)を増やそうとしていますから。

医者の数が増えれば、今のような需要過多の時代ではなくなるでしょうから、そうしたら医師のバイトの給与はどんどん落ちていくでしょう。

つまり、効率よく稼ぐなら今のうちっていうことです。

これから医者になる人たちには少し厳しい現実が待っているかもしれません。

 

こんな記事も書いています。

供給過多になった瞬間に弁護士の処遇は急速に悪化しました。同じことが我々医師にも起きる可能性があります。

shinkei807.hatenablog.com