おはようございます。
これから投資を始める方が置かれた状況は以下の通りです。
eMAXIS SlimオルカンやS&P500の登場で投資環境は劇的に改善しているけれど、
— ちゅり男/医師・投資ブロガー (@churio777) April 27, 2024
円安とインフレのせいで肝心の「種銭」を貯める難易度が激上がりしているので、
これから投資を始める人は相当頑張らないと厳しいと思う。
つまり、
・eMAXIS Slimシリーズや楽天・プラスシリーズなどの優れた投資信託が次々と登場し、投資環境はかつてないほど最高の状態にある
・社会保険料の増大、急速な円安やインフレの進行に賃上げの勢いが追いつかず、投資の種銭を貯める難易度が劇的に向上している
ということです。
投資の最適解はほぼ決まってきているので、年々難易度が上がっている種銭を貯める方法を模索したほうが効率的だと思います。
投資は新NISA口座でeMAXIS Slimオルカンや楽天・オールカントリーを買うだけでOK!円安とインフレで「種銭」を貯める難易度上昇の方が問題
投資の最適解は「NISA x 全世界株インデックスファンド」で決まり
世の中の99%以上の普通の人にとって、投資は以下のことをやれば十分です。
具体的には、
1) SBI証券、楽天証券、マネックス証券などのネット証券にNISA口座を開設する
2) つみたて投資枠、成長投資枠関係なく、全世界株インデックスファンド(eMAXIS Slimオルカン、楽天・オールカントリー)を積み立てる
3) 毎月10万円までの積立にはクレジットカードを利用してポイントをもらう
4) 獲得したポイントは同じ投資信託に再投資する
5) 夏と冬のボーナスが入ったらその50%は投資に回す
あたりを実践できればOKでしょう。
クレカ積立の詳細については以下の記事も参考にしてください。
このように、平均的な日本人における投資の最適解はほぼ決まってきており、今までのように「どの証券口座に口座を作って、どの商品に投資するか」といった点で悩む必要がほぼ無くなりました。
優れた商品とサービスの登場により、誰でも一流の投資が実践できる時代になったのですね。
肝心の投資の「種銭」を貯める難易度がどんどん上がっている
投資環境が過去最高水準にある一方で、日本人の実質賃金の状況は年々悪化し続けています。
少子高齢化に伴う社会保険料の増大、急速な円安やインフレの勢いに賃上げが全く追いついていないのです。
これまで貯金しかしてこなかった人は、「特に生活を変えたわけでもないのに、最近は生活が苦しいな」と感じているのでは無いでしょうか?
これは他の先進諸国と比較しても日本において特に深刻な問題になっています(下図参照)。
上がらない…日本の実質賃金推移、世界の中でも悲惨なことになっていた! :ファイナンシャルプランナー たけうちかおる [マイベストプロ信州]
バブル崩壊後のデフレの時代では賃金が上がらなくても物やサービスの価格も上がりませんでしたので、生活水準は大きく変化しませんでした。
ところが、賃金はほんの少しずつしか増えていないのに、税金や社会保険料、日々使う物やサービスの価格があまりに急速に上がっているため、生活がどんどん苦しくなっているのです。
毎月の生活をするだけでギリギリという状況では、とても株式投資のことなど考える余裕はありません。
新NISAの生涯投資枠は1800万円まで拡大され、それは大変素晴らしいことですが、実際にその枠を全て使える方はごく一部かもしれません。
せっかく優れたNISA制度が始まっても、富める人がますます富む制度になってしまう可能性があるのです。
新NISAの理想的な活用法は以下の記事のとおりですが、種銭を貯められなければ実現不可能です。
初心者の方は「投資」よりも「家計管理」にフォーカスした方がよい
これまでの内容をまとめますと、
・eMAXIS SlimオルカンやS&P500などの超優秀なインデックスファンドの登場、新NISAという優れた制度の登場により、投資環境は劇的に改善している
・社会保険料の増大や、急激な円安とインフレに賃上げのスピードが全く追いつかず、実質賃金が年々低下。投資の種銭を貯めるのがどんどん困難になっている
ことが分かります。
一昔前までは「どうやって上手に銘柄を選んで投資するか」を考えればよかったのですが、
今では「投資は新NISAとオルカンに丸投げでよいので、どうやって投資に回すお金を確保するか」を優先的に考える必要があるのです。
資産形成というとすぐに「株式投資」「どの商品をいつ買うべきか?」ばかり考えてしまう人が多いです。
そうではなく、先に「家計管理」の方法を徹底的に学び、実践することで、毎月投資に回せるお金を確実に増やした方が長期リターンは向上するのです。
まとめ
投資そのものの難易度は劇的に下がっていますが、肝心の種銭を貯める難易度がどんどん上がっているのは悩ましい問題ですね。
投資よりも家計管理のスキルが重要な時代になりました。
【ちゅり男初の単行本をよろしくお願いします】
拙著『世界一やさしい投資信託・ETFの教科書 1年生』の中でも、これから新NISAを始める方向けにたっぷり解説しました。
・新NISAの概要と旧NISAとの違い
・つみたて投資枠と成長投資枠の使い分け
・新NISAとiDeCoの使い分け
・収入や資産額別の具体的なNISA活用法
など、これから投資を始める初心者の方は必読の内容になっています。
これから新NISAを使って投資を始めてみようと検討中の方が周囲にいらっしゃったら、ぜひ拙著をご紹介いただけると嬉しいです!
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人気は出そうですが、リスクも高い商品になります。
多くのインデックス投資家が悩む「一括投資」か「分割投資」か問題についてです。
ポートフォリオのコア資産は「NISA x インデックスファンド」で固めましょう。
個別株は楽しいですが、ポートフォリオの一部で楽しむ程度に。