おはようございます。
次々と新しい投資信託が登場し、発売時には話題になりますが、その中で5年〜10年後も生き残れる商品は一部だけです。
数少ない真に優れた商品を見極められればよいのですが、実際にはeMAXIS Slim オール・カントリーやS&P500といった「王道」商品を買い続けていたほうがよかったという事態になることが多いでしょう。
次々と新しい投資信託が発売されて話題になるけれど、ブレずにeMAXIS Slim オルカンやS&P500を買い続けるのがベストです。
— ちゅり男/医師・投資ブロガー (@churio777) May 8, 2024
あれこれ少額ずつ買ってポートフォリオをグチャグチャにしても意味がない。
様々な商品を買うと、ポートフォリオ内が似たような商品で溢れかえり、メンテナンスが難しくなるという問題点もあります。
新NISAやiDeCoなどの非課税口座を中心に、eMAXIS SlimオルカンやS&P500を買い続けるのが大半の方にとっては最適解となります。
eMAXIS Slim オール・カントリー、S&P500を超える投資信託は登場しない!新NISAやiDeCoでは分配金再投資効率が良いオルカンかS&P500に集中投資してほったらかしが正解。
eMAXIS Slim オール・カントリー、S&P500を超える投資信託が登場する可能性は低い
新NISAが始まるのをきっかけに、2023年から2024年にかけて、様々な投資信託が誕生しました。
10年前に発売した商品と比較すれば、ものすごく低コストになっていますし、中には面白いコンセプト、指数に投資できる商品も存在します。
とはいえ、それらはまだはじめの1年の実績も存在しない商品です。
これまでに積み重ねてきた実績や信頼度という指標で考えれば、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)やS&P500には遠く及びません。
詳しくは以下の2つの記事を参考にしてください。
また、eMAXIS Slimオルカン、S&P500の実質コストが業界最安水準であること、両者の純資産総額が3兆円〜4兆円規模に達していることを考えると、今後この2つを超える投資信託が登場する可能性は低いでしょう。
後発商品が追いつき追い越すのがほぼ不可能なレベルにこの2商品は到達していると思います。
実績のない訳の分からない商品に投資するよりは、信頼のおける商品を選んだ方がよいでしょう。
新NISAやiDeCoなど長期保有前提の口座はオルカンかS&P500に集中投資がベスト
新NISAやiDeCoなどの非課税口座では、一度買った商品はよほどの理由がない限り長期保有し、複利効果を最大化するのが鉄則です。
NISAでは譲渡益も非課税になるので、短期売買で利益を積み重ねる方法を選ぶ人もいますが、
年間投資枠の上限が360万円と決められている以上、基本的に短期〜中期売買よりも長期投資を前提として設計された制度と言えます。
このように、NISAやiDeCoでは運用期間が20年〜30年以上になる可能性が高いので、20年〜30年後も確実に生き残っており、成長し続けているファンドを選ぶ必要があります。
その意味では、eMAXIS Slimシリーズを上回る投資信託は無いと言えます。
分配金再投資効率のよい投資信託が資産形成にはベスト
20代〜30代の若い方であれば、同じインデックス(指数)に投資する商品の場合、分配金再投資の効率がよい投資信託の方がETFよりも有利です。
配当金や分配金は「不労所得」になるという大きな魅力がありますが、配当を受け取るたびに配当課税(国内は20.315%)がかかるので税効率は悪いです(下図参照)。
拙著『世界一やさしい投資信託・ETFの教科書 1年生』から引用
NISA口座内であれば配当金や分配金にかかる日本国内の税金はゼロになるので、こまめに手動で再投資できる方にとっては不利になりません。
とはいえ、配当金や分配金が振り込まれたまま忘れて放置していたという人も多く、実際には分配金再投資について考えなくてよい投資信託が有利でしょう。
配当金・分配金を再投資に回すことは、これから資産を積み上げていく資産形成期の人には必須です。
有名なジョン・ボーグル氏の『インデックス投資は勝者のゲーム』の中で、1926年にS&P500に投資した1万ドルは、90年後の2016年時点で、
・配当再投資ありの場合→5910万ドル
・配当再投資なしの場合→170万ドル
となったデータが紹介されています(下図参照)。
ジョン・C・ボーグル著『インデックス投資は勝者のゲーム』から引用
このように、長期になればなるほど配当再投資の有無でリターンに大差が生じるため、少額の分配金でも漏れなく再投資してくれる投資信託が有利となります。
まとめ
2018年〜現在までの実績、売れ行きなどを考慮すると、今後eMAXIS Slim オール・カントリーやS&P500を超える商品が生まれる可能性は低いです。
毎年様々な商品が発売されますが、この2商品を信じて積立投資した方が確実性が高いでしょう。
【円安やインフレに負けないお金の知識を身につけるための本2選】
1. 世界一やさしい投資信託・ETFの教科書1年生
手前味噌で恐縮ですが、拙著は私がこれまでに読んだ100冊以上の投資本の中から、絶対に知っておくべきエッセンスだけを抽出した内容になっています。
タイトルに「1年生」とあるとおり、ベテラン投資家には物足りない内容かもしれませんが、初心者の方は絶対に読んで損はありません。
インデックス投資の名著は米国人向けに書かれているので、何か1冊は日本の投資制度や税制に基づいて書かれた本を読むのが重要です。
ブログと本をあわせて勉強することで相乗効果がありますよ。
2. つみたて投資の終わり方
カン・チュンド先生の『つみたて投資の終わり方』です。
投資信託の売却・出口戦略について、ここまで丁寧かつ詳細に書かれた本は他にありません。
資産形成期の人も一度読んでおいて損はないです。
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【関連記事のご紹介】
お金を貯める時、短期〜中期で使うお金は貯金で貯め、長期運用に回せるお金はインデックス投資で増やすなど目的を明確にすることが重要です。
旧つみたてNISAは新NISAとは完全に別枠の制度です。
新規投資はできませんが、すでに購入した商品は最長20年間非課税のまま運用できます。
インデックス投資の古典的名著3冊をご紹介しました。