おはようございます。
eMAXIS Slim オルカンやS&P500などの無分配型投信は、投資家に分配金を支払わない代わりに、
構成銘柄からの配当金がファンド内で随時再投資に回されるため、再投資効率がよく資産形成期の人には有利です。
私は好きでVTやVTIなどのETFを買っているけど、オルカンやS&P500をひたすら買い続けて、必要な時に必要な金額だけ取り崩す方がシンプルだよね。
— ちゅり男/医師・投資ブロガー (@churio777) June 20, 2024
取り崩すスピードには注意が必要だけど、VTやVTIの配当利回りの範囲内なら問題ないはず。
やっぱり投信は便利です。
しかし、リタイア後のインカム源にするには、適切なペースで売却する戦略を練る必要があります。
特に、速いペースで売却しすぎて老後にお金が足りなくなるという事態だけは絶対に避けなければなりません。
本日はオルカンの適切な売却ペースについて考察します。
オルカン、楽天・オールカントリーの売却戦略。FIREの4%ルールが有名だが、VTの配当利回りの2%定期売却なら安全。
eMAXIS Slimや楽天・プラスなどの無分配型投信では分配金がない
eMAXIS Slim オール・カントリーやS&P500などの無分配型投信は、私たち投資家に分配金を支払わない代わりに、
構成銘柄からの配当金はその都度ファンド内で再投資に回されているので、配当再投資効率がよく、資産形成期の人にはETFよりもおすすめです。
内部で配当金が再投資に回される時、外国税の10%は引かれますが、国内配当課税の20%は回避したまま再投資されるので効率がよいのです。
このあたりの詳細は以下の記事にまとめましたので、詳しく知りたい方はぜひ読んでみてください。
分配金がなく、配当再投資効率が良いことは資産形成を効率的に進めるうえで有利ですが、適切な売却戦略を考えておかないと貯める一方になってしまいます。
本業をリタイアした後、不足する生活費の分を補う形で売却するのが基本だと思いますが、速いペースで売却しすぎて老後に資金が枯渇する事態は絶対に避けたいものです。
では、どのくらいのペースで売却していくのが適切なのでしょうか?
FIRE関連本では「4%ルール」が有名
インデックスファンドの売却ペースに関して、最も有名なのは様々なFIRE本で紹介されている「4%ルール」です。
以下の本で詳しく解説されているので、リタイア後の売却戦略について詳しく知りたい方はぜひ読んでみてください。
「4%ルール」はトリニティ・スタディという、1926年〜1995年までの米国株や債券のデータを元にリタイア後のお金の運用について解析した研究成果から生まれました。
トリニティ・スタディでは、米国株インデックスファンドと米国債券インデックスファンドで構成されたポートフォリオの場合、
毎年4%までの売却であればほぼ100%の確率で30年後になってもお金が尽きることはなかったという結果が報告されています(下図参照)。
米国での研究ですので、株式部分はS&P500(VOOやIVV)、債券部分はBNDやAGGを想定すればよいと思います。
もちろん、株式と債券の構成割合によって多少結果は変わりますが、構成割合を変えても30年まであれば資金が枯渇することはないということですね。
米国のデータなので日本人にそのまま当てはめることはできませんが、売却戦略の参考になるデータだと思います。
「4%ルール」の詳細は以下の記事で解説しましたので、合わせて参考にしてください。
VTの配当利回りの2%定期売却なら安全圏
「4%ルール」の要点は、株式と債券のインデックスファンドから構成されるポートフォリオの利回りが年率7%、インフレ率が3%と仮定した場合、
その差である4%以内の売却であれば理論上は資産を減らさずに生活し続けられるというものです。
ところが、実際にはインフレ率は金融政策や経済状況によって変わりますし、米国株と債券から成るポートフォリオのリターンも、過去の数値がそのまま未来に当てはめられるわけではありません。
暴落が来れば1年で30%近く下落する可能性もあるのです。
「人生100年時代」で老後期間が昔よりも長くなっていることを考え、より保守的にいくならば「3%ルール」「2%ルール」に改変するのがよいでしょう。
1%の違いは非常に大きいので、「3%ルール」でも十分安全になります。
「2%ルール」であれば、VTの配当利回り(2%前後)と同じなので、オルカンの内部で自動で再投資されている配当分を取り崩しているだけとなります。
VTの配当利回りは直近の数字で1.99%ですね。
Vanguard Total World Stock ETF (VT) Dividend History | Nasdaq
VTの株数は減らさず、分配金だけを生活費として使っているのにほぼ等しい状態となるため、安全度は格段に増しますね。
まとめ
オルカンや楽天・オールカントリーをインカム源とする時の売却ペースについて考察しました。
「4%ルール」が有名ですが、より保守的にいくなら「3%ルール」としましょう。
VTの配当利回りと同等の「2%ルール」ならまず安全と言えますね。
【FIRE戦略を学ぶのにおすすめしたい本2選】
1. FIRE 最強の早期リタイア術
FIRE本の中で最も有名な1冊だと思います。
FIREを達成するための理論から具体的なプランまで、これ一冊読めば一通りの知識が身につく良書です。
米国人向けに書かれているため日本人の場合はアレンジが必要ですが、FIRE達成に向けた再現性の高い方法が紹介されているのは素晴らしいです。
2. FIRE 最速で経済的自立を実現する方法
私が2冊目に読んだFIRE本。
副業で収入を増やす、どんどん投資に回すなど、FIREをより早期に達成したい方がアグレッシブに攻めるならこちらの本がおすすめです。
本気でFIREを目指したい人には絶対に読んでいただきたい一冊です。
【関連記事のご紹介】
本日まで年に1回の大セール、Amazonプライムデーが開催中です。
おすすめの商品をピックアップしたので、セール攻略の参考にしてください。
新NISAのつみたて投資枠、成長投資枠で購入できる商品の違いについてまとめました。
ジュニアNISAが廃止されたため、未成年者が使える非課税制度はなくなりました。